授業力・学級経営力を高めるために〜振り返りの頻度&内容に関するアンケート〜(29)
今期は、授業力・学級経営力を高めるためにも大切になってくる「仕事術」について書いていきます。
樋口万太郎の仕事術を公開します。
今回は授業について書きます
京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎
今年度、私は教職大学院に通っています。1年で修了します。そこで、この数ヶ月は修了論文を書いていたのですが、そのテーマが
「深い学びを実現する算数授業の研究~「振り返りプロセス」の提案~」
でした。
修了論文を書くために「振り返り」に関するアンケート調査を行いました。関わっている研究会、研修会などにて、全国の国公私立小学校の教員150名(1~5年目66名、6~10年目38名、11~15年目23名、16~20年目9名、21~25年目3名、26~30年目2名、31年目以降9名)を対象に行いました。アンケートにご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
アンケートは
質問1 振り返りを行う頻度は次のうちどれですか
質問2 子供達が書く振り返りの内容に満足していますか。
※質問1の選択肢は①「毎回必ず行う」②「ほぼ毎回行う」③「あまり行わない」④「全く行わない」。質問2は①「できる」②「まぁできる」③「あまりできない」④「できない」⑤「その他」から選択する。両質問の③④を選択した方は、選択した理由についての記述も行う。という項目で行いました。さて結果はどうなったと思いますか?
まずは、質問1の「振り返りを行う頻度」のアンケート調査結果です。
・肯定的な意見:54%(①毎回必ず行う…7%/②ほぼ行う…47%)
・否定的な意見:46%(③あまり行わない…43%/④行わない…3%)
否定的な意見(③あまり行わない、④行わない」を選択した理由は、
・「必ず毎回行う必要性を感じないため」
・「深い学びに到達していないのに形だけして振り返りをして、一体何になるのか」
・「時間が足りないため」
・「何を書かせたらいいのかがわからない」
などが挙げられました。
次に、質問2の「子供達が書く振り返りの内容」のアンケート調査結果です。
・肯定的な意見:30%(①満足している…1%/②ほぼ満足している…29%)
・否定的な意見:66%(③あまり満足していない…61%/④満足していない…5%」
約3分の2の教員が否定的でした(その他は4%)。その理由として、
・「感想になっている」
・「ただ楽しかった、面白かった、○○がわかったで、終わってしまうことが多い」
・「めあてや学習課題とむすびつかない」
・「まとめをそのまま書いたような内容になりがちだから」
などといったことが挙げられたました。
そして、質問1の「振り返りを行う頻度」のアンケートで肯定的な意見である「①毎回必ず行う」「②ほぼ行う」を選択したにも関わらず、質問2の「子供達の振り返りの内容」のアンケート調査結果で「③あまり満足していない」「④満足していない」を選択した教員は65%という結果になりました。
さて、この結果をみなさんどう思われますか?ぼくは正直「やっぱりな」と思ったのです。それぞれの項目の理由に共感できるかたもいるのではないでしょうか。
(続く)
個人的なブログっもやっていますので、ご興味のある方はのぞいてみてください。(毎日更新中)
https://boseteacher.hatenablog.com
樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)
京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。
同じテーマの執筆者
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滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
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福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
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群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
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北海道札幌養護学校 教諭
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元徳島県立新野高等学校 教諭
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栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
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京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会
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大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
大阪市立放出小学校 教諭
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名古屋市立御器所小学校 教諭
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高知大学教育学部附属小学校
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長野県公立小学校非常勤講師
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北海道公立小学校 教諭
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浦安市立美浜北小学校 教諭
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東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
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東京都東大和市立第八小学校
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浜松学院大学 現代コミュニケーション学部 子どもコミュニケーション学科 教授
前浜松学院大学短期大部 幼児教育科 特任講師 -
東京都品川区立学校
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鹿児島市立小山田小学校 教頭
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