2019.02.14
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授業力・学級経営力を高めるために〜振り返りの頻度&内容に関するアンケート〜(29)

今期は、授業力・学級経営力を高めるためにも大切になってくる「仕事術」について書いていきます。
樋口万太郎の仕事術を公開します。

今回は授業について書きます

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

今年度、私は教職大学院に通っています。1年で修了します。そこで、この数ヶ月は修了論文を書いていたのですが、そのテーマが
「深い学びを実現する算数授業の研究~「振り返りプロセス」の提案~」
でした。
修了論文を書くために「振り返り」に関するアンケート調査を行いました。関わっている研究会、研修会などにて、全国の国公私立小学校の教員150名(1~5年目66名、6~10年目38名、11~15年目23名、16~20年目9名、21~25年目3名、26~30年目2名、31年目以降9名)を対象に行いました。アンケートにご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
アンケートは
質問1 振り返りを行う頻度は次のうちどれですか
質問2 子供達が書く振り返りの内容に満足していますか。
※質問1の選択肢は①「毎回必ず行う」②「ほぼ毎回行う」③「あまり行わない」④「全く行わない」。質問2は①「できる」②「まぁできる」③「あまりできない」④「できない」⑤「その他」から選択する。両質問の③④を選択した方は、選択した理由についての記述も行う。という項目で行いました。さて結果はどうなったと思いますか?


まずは、質問1の「振り返りを行う頻度」のアンケート調査結果です。
・肯定的な意見:54%(①毎回必ず行う…7%/②ほぼ行う…47%)
・否定的な意見:46%(③あまり行わない…43%/④行わない…3%)

否定的な意見(③あまり行わない、④行わない」を選択した理由は、
・「必ず毎回行う必要性を感じないため」
・「深い学びに到達していないのに形だけして振り返りをして、一体何になるのか」
・「時間が足りないため」
・「何を書かせたらいいのかがわからない」
などが挙げられました。
次に、質問2の「子供達が書く振り返りの内容」のアンケート調査結果です。
・肯定的な意見:30%(①満足している…1%/②ほぼ満足している…29%)
・否定的な意見:66%(③あまり満足していない…61%/④満足していない…5%」

約3分の2の教員が否定的でした(その他は4%)。その理由として、

・「感想になっている」
・「ただ楽しかった、面白かった、○○がわかったで、終わってしまうことが多い」
・「めあてや学習課題とむすびつかない」
・「まとめをそのまま書いたような内容になりがちだから」
などといったことが挙げられたました。

 そして、質問1の「振り返りを行う頻度」のアンケートで肯定的な意見である「①毎回必ず行う」「②ほぼ行う」を選択したにも関わらず、質問2の「子供達の振り返りの内容」のアンケート調査結果で「③あまり満足していない」「④満足していない」を選択した教員は65%という結果になりました。

さて、この結果をみなさんどう思われますか?ぼくは正直「やっぱりな」と思ったのです。それぞれの項目の理由に共感できるかたもいるのではないでしょうか。
(続く)

個人的なブログっもやっていますので、ご興味のある方はのぞいてみてください。(毎日更新中)
https://boseteacher.hatenablog.com

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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