2019.01.25
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授業力・学級経営力を高めるために〜誰でも振り返りが書けるようになるために〜(28)

今期は、授業力・学級経営力を高めるためにも大切になってくる「仕事術」について書いていきます。
樋口万太郎の仕事術を公開します。

今回は授業について書きます

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

①「今日の出来事を振り返ってください」
②「今日の出来事で1番楽しかったことを振り返ってください」

みなさんは①と②のどちらが振り返りやすいでしょうか。

それは②ではないでしょうか。

では、なぜ②の方が振りやすかったのでしょうか。
それは、「1番楽しかったこと」という視点があるからです。
視点があるだけで、振り返りやすくなります。

だから、授業でも

例えば
・この時間で学んだことはなんですか?
・1番大切な考え方はなんですか?
・気づいたことはなんですか?
・昨日と今日の学習で同じ(違う)ところはなんですか?
・自分の学び方はどうでしたか?

などと視点を与えてあげることで子どもたちは書きやすくなります。

こういった経験を子どもたちが積み重ねていくと、教師の方で視点を与えなくても振り返りを書けるようになります。
キーワードを提示して、振り返りを書かせることも有効です。
例えば、算数4年「面積」の単元であれば、「1c㎡の正方形」というキーワードを設定し、そのキーワードを使って振り返りを書かせるようにします。

他にも書き出しを指定しておき、残りを書かせるということも有効です。
例えば、「四捨五入とは~」というような形です。

キーワードは、その時間で大切な考え方や活動に直結するようなことにします。
数学的な見方・考え方をキーワードにするのです。
本時で働かせてきた数学的な見方・考え方であれば、授業を思い出しながら、書くことができます。

だから、数学的な見方・考え方を働かせていない授業であれは、振り返りは書きづらいということになります。

前回の記事ではLINEのスタンプ作りを例として書きましたが、運動会や遠足の後の振り返りをスラスラ書ける子は多いと思います。それは、運動会や遠足という見方や考え方を働かせてきた経験をしてきているからです。(少し強引な例かな・・・)

振り返りが書けない。
だから、振り返りをかけるための手法を探す。
こういった構図もよくわかりますが、
見方・考え方を働かせる授業を行うといったように授業全体を考え直すことを行なってみませんか。

続く

個人的なブログもやっていますので、ご興味のある方はのぞいてみてください(毎日更新中)
https://boseteacher.hatenablog.com

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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