教育エッセイ

教育つれづれ日誌

2018.02.26
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授業力・学級経営力を高めるために〜「２年目で私たちを担任していたなんて」〜（10）

今期は２０１７年夏に起こった出来事や感じたことを中心に

その中で言われたことを

ホットワード

と題して、執筆していきます。

私の教師としての思いなどが入っています。

つまり私の授業や学級経営で欠かせないことです。

お付き合いのほど、よろしくお願いします。

京都教育大学付属桃山小学校　樋口 万太郎

この夏、東京の新宿で教職２年目の時に担任をした子たちとお酒を飲みにいきました。

そのうち一人とはSNS上ではつながってはいるものの、実際に会うのは１０年ぶりでした。

初めての６年生担任、初めての卒業生ということで、思い入れがとてもあります。

年に１回はこのクラスの数人とご飯に行ったりもしています。

その都度、たくさんのお金が・・・。

この子達との思い出の一つが、３学期に行ったお楽しみ会です。

平日の５、６時間目にお楽しみ会を行なったのですが、

各家庭一人の保護者の方がなんと参加してくれたのです。

１、２学期にお楽しみ会を行なったときには、

「私たちも一緒に参加したかったの～」という意見から

「最後の思い出を作りたかった」という意見までありました。

お楽しみ会では、班ごとに表現活動をさせていました。

歌やダンスや劇や漫才

です。クイズ大会などはそれらが終わった後に、時間があれば行うということをしていました。

それにお家の方も参戦したのです。

SMAPの「ありがとう」を替え歌で歌ってくれました。

そしてジャニーズのファンが持っているような私の顔写真が大きく貼られたうちわを全員が持っていたのです。

とても感動しました。

という気持ちより、

１年間の頑張りをお家の方々は認めてくれたのだとホッとしたことを今でも覚えています。

今でもそのうちわは実家で飾ってあります。

（２回目の６年の担任をしたときには、この子たちの弟や妹がいました。縁だな～とその当時思いました。）

お酒を飲んでいるとき、１０年ぶりにあった子が

「２年目で私たちを担任していたんでしょ？本当にすごい！」

と急に言い出したのです。

どうしてそんなことを言ったのかは理由は聞いてませんが、

その子の話を聞いていると、社会の厳しさの洗礼を浴びているようでした。

まだ入社して数ヶ月。

まだまだわからないこともあるのでしょう

きっとできないこともあるのでしょう。

先輩との関係に悩んでいるのでしょう

プレッシャーを感じていることもあるのでしょう。

違う子が

「担任の先生って、店長みたいなもんやん」

という例えをしました。

面白い例えだなと思いました。

確かに決断しないといけないこともあります。

でも子どもたちは従業員ではないかな。

そして、

「毎時間のように授業を行う

丸付けをする

生活面での指導

トラブルがあったときには指導する

クラス全員のことを考えている

と仕事が多すぎるやん。それを同い年でしてたんでしょ。」

と言っていました。

今思えば、勢いだけで突き進んでいた２年目。

子どもたちの「お兄さん？」的存在でいた２年目。

今思えば、至らぬ点だらけだった２年目。

今この子達を担任することができれば、よりよい学級になったのに。

と思うことがあります。

でも、この子達との経験があったから、今の自分がいることは明らかです。

改めてそのようなことを言ってくれる教え子に感謝し、

そして社会の荒波に負けずに頑張って欲しいという思いから

飲み過ぎた夜でした・・・。

樋口 万太郎（ひぐち まんたろう）

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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