授業力・学級経営力を高めるために〜「久しぶりにブラックの部分が:part3」(4)
今期は2017年夏に起こった出来事や感じたことを中心に
その中で言われたことを
ホットワード
と題して、執筆していきます。
私の教師としての思いなどが入っています。
つまり私の授業や学級経営で欠かせないことです。
お付き合いのほど、よろしくお願いします。
京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎
最近、保護者の方がこの「学びの場.com」を読んでいると聞きます。
樋口万太郎という人がどのような人なのかわかってくれる場になってくれたらうれしいです。
人間誰でもブラックな部分は持っています。
私のブラックな部分とは、ブラックさを出しつつ、相手に言い返すことだと思っています。
20代の頃は、どんな相手にでもおかしいと思ったらかみついていました。
若かったです笑
どんなことにでもかみついていたわけではありません。
私が基本的にかみついていたことは、
子どもに関すること、
そして後輩に対して何か言われた
ときだけでした。
不思議なもので自分のことを悪く言われるのは全然構いません。
自分のことを言われると傷つき、とても落ち込むのですが、我慢することができたのです。(うん?怒ってはいるかも?笑)
数年前、私のクラスに髪を染めていた女の子がいました。
髪を染めているということもあり、見た目はとても恐そうに見えました。
だからよくケンカを売られたり、トラブルに巻き込まれてしまっていました。
でも、実は友だち思いで、涙脆くて、優しい子でした。
友達が悲しんでいたら、一緒に悲しんでいるような子でした。
また自分に自信がないような子でした。
髪を染めていたのは、決して自分の意思ではありませんでした。
詳しくは書けないのですが、様々な事情があったのです。
同僚の先生方の中には「黒髪に染めなおさせよう」という声もありました。
でも、私はその当時染めなおさなくてもこのままでもいいと思っていました。
なぜなら上に書いたように
本当は優しい子ということがわかっていたからです。
そして、本人が髪を染めなおしたいと本当に思うまでは待とうと思ったからです。
ただ、この子には、
「見た目で判断をしてはいけない! とは誰もがわかっている。でも、見た目で判断してしまう人もいるのが現実だよ」
と話をしていました。
しかし、3学期に社会見学に行ったときにある事件が起きました。
それは、
社会見学に行った先で、見知らぬ人に
「どうして小学生なのに、染めてるんだよ」
と言われ、その子が泣いてしまったのです。
グループで活動しており、私がその話を聞いたのはだいぶ後です。
私は
「なんでそんなことを言われないといけないの? あなたは優しい子なのに!(怒)」
と言い、その人を探しに行きました。
その人は見つからなかったのですが、
そんな様子を見て、その子は嬉しかったようです。
先日、8年ぶりにその子に偶然会いました。
昔話をしている中で、上の話をしてくれました。
上の話を原稿にしていいよと言ってくれました。なぜか、あっちの方から。
この「学びの場.com」も読んでくれているようです。
色々な話をしましたが、最後に
「まんちゃんは今でも変わっていない?」
と聞かれました。
私は次のように答えました。
「見た目は変わったけど、想いは変わっていないよ」
続く
樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)
京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。
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滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
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福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
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京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会
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大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
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北海道公立小学校 教諭
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浦安市立美浜北小学校 教諭
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東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
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東京都東大和市立第八小学校
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浜松学院大学 現代コミュニケーション学部 子どもコミュニケーション学科 教授
前浜松学院大学短期大部 幼児教育科 特任講師 -
東京都品川区立学校
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鹿児島市立小山田小学校 教頭
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