2026.10.24
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教員同士で「相談できる」は、当たり前ではない

学校では、子どもたちに「困ったときには相談しよう」と伝えることがあります。しかし、私たち教師自身はどうでしょうか。 授業がうまくいかない。子どもへの関わり方に迷う。保護者への対応に悩む。仕事が重なって、少し苦しくなっている。 そんなときに、「ちょっと相談してもいいですか」と言えるでしょうか。実を言うと私もできませんでした。今でも上手にできているとはいえないかもしれません。 先生同士の関係が良いと聞くと、「仲が良い」「雰囲気が良い」ということを思い浮かべるかもしれません。もちろん、それも大切です。ただ、私はそれ以上に、「困ったときに困ったと言えること」が大切なのではないかと思っています。

長野県飯山支援学校 教諭 丸山 裕也

教師同士の関係が、子どもへの支援にも影響する

教師の仕事は、一人で完結するものではありません。特に特別支援学校では、一人の子どもに複数の教師が関わります。同じ教室で授業をしたり、子どもの様子を共有したり、役割を分担したりします。
だからこそ、教師同士の関係性は、仕事のしやすさだけでなく、子どもへの支援にも影響します。

例えば、「最近、この子への関わりがうまくいかないんです」と話したとき。「それは先生の指導が悪いんじゃない?」と言われるのか、「どんなときに難しい?」と一緒に考えてもらえるのか。この違いは、とても大きいと思います。

「あの先生に任せればいい」で終わらせない

困っている先生がいると、経験のある先生や仕事の得意な先生が助ける。これは一見、とても良いことです。しかし、それが続くと、「困ったらあの先生に聞けばいい」「あの先生に任せれば何とかなる」という関係になってしまうことがあります。

私自身も、目の前で困っている人がいると、つい自分で動いてしまいます。その方が早いこともあります。しかし、それだけではチームとしての力は残りません。

大切なのは、「誰かが助けること」だけではなく、「どうしてうまくいったのか」を共有することではないでしょうか。
子どもへの声のかけ方を変えた。活動の見通しを分かりやすくした。教材を少し工夫した。役割分担を見直した。

そうした小さな工夫を、「あの先生だからできた」で終わらせず、「次はみんなでもできそうだ」に変えていく必要があります。
そして、そのためには教師同士が話せる時間が必要です。

立派な研修会でなくてもよいと思います。「今日どうだった?」「ここ、ちょっと難しかったね」「明日はこうしてみようか」。そんな短いやり取りの積み重ねが、先生同士の関係をつくっていくのではないでしょうか。
子どもたちにとって参加しやすい教室を考えるように、教師にとっても参加しやすい職場を考える。

困ったときに困ったと言える。自分の考えを話せる。失敗しても、次の方法を一緒に考えられる。
そんな先生同士の関係がある学校は、きっと子どもにとっても安心できる場所になるのだと思います。

日々の小さなやり取りから

先生同士の関係性は、特別な取組を一度行えばできあがるものではないと思います。忙しいときに「大丈夫?」と声をかけること、うまくいかなかった実践について一緒に考えること、誰かの工夫をみんなで共有すること。

そうした何気ないやり取りの積み重ねが、「ここなら話してもいい」「困ったときには頼ってもいい」という感覚につながっていきます。子どもに安心できる学級をつくるのと同じように、教師にも安心して参加できる集団が必要です。

まずは、目の前の同僚との一言から。先生同士の関係性を考えることは、結果として子どもたちの学びを支えることにもつながっていくのではないでしょうか。

そんなことを考えながら、私も日々頑張っています。自信を持って、「何でも相談できます!」と言えるようになっていきたいですね。

丸山 裕也(まるやま ゆうや)

長野県飯山支援学校 教諭


公認心理師、学校心理士、特別支援教育士、パラスポーツ指導員(中級)
「あした、またがっこうでね」と、子どもも教師も伝え合うことができるような、子どもも大人も楽しい学校・学級づくりを目指しています。
特別支援学校で出会ってきた子どもたちとの学びを、皆さんにお伝えしていきたいと思っています。

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