2026.08.24
  • x
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

主体的なペア対話法〜説明型〜

学期の始まりだからこそ、学習も安心感を追求したいです。
良いスタートを切るために、ペア学習を取り入れてみてはいかがでしょうか。

大阪府泉大津市立穴師小学校 大橋 健太郎

2学期の始まりにペア対話を

2学期が始まり、学校生活に慣れない児童も見受けられてきたのではないでしょうか。
児童が学校生活に適応するポイントは、
「子どもたちが安心して学習することができるか」
「1学期ができていたことができているか」ということです。

休みでリセットされた感覚をもう一度、取り戻すために再スタートしていくことが必要です。その鍵を握るのが、授業です。授業の中で、関わり合う場面をどんどん作っていくことです。

今回は「説明型」をご紹介します。説明型はとてもシンプルな活動です。そのため、明日からも実践できるような内容です。
つけたい力、ポイントの順にご紹介します。

「説明型」のつけたい力

説明型のつけたい力は下の通りです。

説明型

相手に説明をすることを通して、説明する力や相手に伝える力を身に付けること

では、「相手に伝える力」とは何でしょうか。もう少し、具体的に考えてみましょう。

真っ先に思い浮かぶことは、「話す力」です。ここでは話し方の技術と捉えるとわかりやすいです。しかし、話をするときは、相手とやりとりをしながら、話すはずです。その時、「聞くこと」が必ず行われます。例えば、次のような会話です。

児童1:私の好きな食べ物はお肉です。特に、焼肉で食べるお肉が好きです。
児童2:どんなお肉ですか?鶏肉ですか?牛肉ですか?

児童1:鶏肉が好きです。
児童2:それはどうして?

このように、「聞くー質問する」という過程を経て、話すことが成立します。つまり、「質問」が出なければ、一方的に相手に伝えるだけで終わってしまいます。この点が重要です。

説明型の目的は、「相手が納得できるように話をすること」となります。

三つの段階

説明型には段階があります。
一方的な伝達のみの会話に終始するのではなく、説明した後に質問をし、内容が深まったり、考えが広がったりすることが理想です。
そのように考えると、段階は、以下のように分けられます。

①受け止める

相手の話を最後まで聞き、うなずいたり反応したりすること

②伝え合う

自分の考えを理由と共に伝え、相手とやりとりすること

③深め合う

相手の考えを取り入れて、修正したり新たな気づきを得たりすること

この3段階を想定しています。
では、指導のポイントはなんでしょうか。

受け止める段階

この段階で目指す姿は、「相手の話を最後まで聞くこと」、「うなずいたり反応したりすること」です。
まずは話を最後まで聞くことが重要となります。なぜなら、話を聞くことができない限り、反応することはできないからです。

では、どうやって二つのことができるようになるのでしょうか。ポイントは二つです。

一つ目は、価値づけをすることです。
例えば、ペア対話中に最後まで話を聞いていた児童がいたら、「〇〇さんは、相手の話を最後まで聞いているから、相手もうれしいと思うよ」などと聞く態度や姿に価値をつけます。
ここでのポイントは、「児童の姿+認める言葉がけ」です。

二つ目は、インタビューです。
例えば、「話を聞いてもらってどんな気持ちになった?」と先生や児童が、簡単にインタビューをします。その時、「話を最後まで聞いてくれたから、私も今度は聞く」などと子どもたちが感じたことを口にするはずです。
ポイントは、「質問する+感想を伝える」です。

伝え合う段階

この段階では、「考えと理由」を伝えることを目指します。
児童は、理由や考えがもてない、分からないということが起こる可能性があります。その際のポイントは、ペア活動の前の工夫にあります。

例えば、先にプリントやノートに書かせてから話をすること、全体で共有をしてから、個人で考えるというような工夫をするとよいでしょう。
うまくいかない児童には、「選ぶこと」「整理すること」の時間を作ります。

それでもできないときはペアと一緒に考えるたり、ペア対話のときに友だちの話を先に聞いて、ヒントをもらったりする方法もあります。

深め合う段階

ここでのポイントは、相手の考えを取り入れることや、新しい考えを発見することです。

では、どうすれば良いでしょうか。
その方法の一つが、意図的なペアを組むことです。組むときには、違う考えの児童と組むことがポイントです。(詳しくは次回の記事で紹介します)

このように、段階的に指導することで、ペア対話の質は上がっていきます。
毎日の積み重ねで、教室の雰囲気も変わるはずです。

ペア対話を継続して変容をみとる

児童の変容を観察し、成長を促すためにも、「続けること」が必要です。続けるからこそ、変容をみとり、私たちも修正が可能となります。

また、ペア対話は特別な用意は必要ありません。ただ、事前に用意するものは、

「どこでペア対話をするか」
「ねらいは何か」
という点です。

ぜひ、明日から取り入れてみてください。

大橋 健太郎(おおはし けんたろう)

大阪府泉大津市立穴師小学校、kyoso's サークル所属、国語教育 大阪探究の会所属


「こどもの思考が生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。
子どもたちが教えてくれたこと、子どもの姿から学んだことを読者の皆様と共有していければと考えています。

同じテーマの執筆者

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop