2020.10.26
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演劇いろいろ~演劇稽古日誌~(5)

ついに第71回尼崎市演劇発表会の開催が決定し、発表会に向けて10月から稽古を始めました。今回はその稽古内容を紹介します。

尼崎市公立小学校主幹教諭 山川 和宏

10月11日(日)9時30分~13時

今日から演劇発表会に向けての稽古を始める。参加者は4年生~6年生の演劇クラブ有志15名(うち11名が前年度までの経験者)。

① 「印象に残るような自己紹介」をテーマに各自が自己紹介をする。
特技を披露する子や笑いをとろうとする子、苦手なものについて話す子など、それぞれの個性が見てとれた。同時に、団長・副団長・各学年の代表を選出する。

② 活動の方針(ルール)を決める。
そこで決まったのは、以下の通り。
1.気持ちのよいあいさつをすること。
2.互いのがんばりを認め合い、みんなが安心して活動できる場所にすること。
3.新型コロナウイルス感染予防のため、検温・マスクの装着・換気・手洗い・消毒・三密の回避を徹底すること。

③ 身体を動かす。
様々なストレッチを行い、身体をリラックスさせる。身体が大きくなっていったり、逆に小さくなっていったりと、大きさをイメージして全身で表現するトレーニングを併せて行う。

④ 発声練習。
あくびをイメージしての腹式呼吸法や、音を全身に響かせるイメージを持ってのハミング、さらに自分が意識した方向に声を飛ばすイメージトレーニングなどを行う。また、「五十音(あめんぼのうた)」や「外郎売(ういろううり)のせりふ」などのテキストを読み上げる(経験者は両テキストを暗唱している)。

⑤ 室内を歩き回る。
すれ違う人とあいさつして回る。普通にあいさつするだけでなく、動物の名前で呼びかけられたら鳴き声で言い返す、すれ違う人とじゃんけんをして5連勝することができた人から抜けていく、などのいくつかのパターンで行う。

⑥ 8拍子の手拍子に合わせて、直線的に歩いて往復する。
7拍目(7歩目)で立ち止まり、8拍目でUターンして、また反対方向に歩く…という繰り返し。

⑦ 全員で円になって、手拍子でリズム回し。
手拍子のリレーでリズムをつないでいく。気合い回しも行う。
⑧ 全員でつくった円の中心に1人が立ち、その子が発する目に見えないエネルギーによる攻撃に周りの子がリアクションをとっていく。例えば、中心の子が猛烈な風を巻き起こし、周りの子は倒れていく…など。

⑨ 2人組で、お互いの中に面白いところを見つけて笑い合う
同様のパターンで怒り合う。

⑩ エチュード(即興芝居)。
2人組で行う。テーマは以下の2本。
1. 片方が道の真ん中に座りこんでいて、通りかかったもう片方が退いてもらおうとして怒り出す。
2. 先輩に使い走りをさせられた後輩部員が自動販売機に千円を入れたがジュースが出てこなくて、お金も返ってこない。そこで、自販機を設置している駄菓子屋さんの店番の人に何とかしてもらおうとするが、店番は理不尽な対応で全く取り合わない。

⑪ 3人組で4ページの短い稽古用台本の本読み。
しばらくの練習の後、各グループによる発表。

⑫ 次回までの課題を出す。
1.作文「どうして演劇発表会に参加したいと思ったのか」
2.次回の稽古で、1人1曲アカペラで歌う歌の選曲。

10月18日(日)9時30分~13時

2回目の稽古。出席者14名、欠席1名。

① 今日からはストレッチや発声練習は稽古開始までに済ましておくことにする。

② 簡単なミーティング。
活動方針の再確認。気持ちのよいあいさつとはどんなあいさつなのか、みんなで考える。あいさつをする時は、立ち止まることになった。

③ 室内を歩き回る。
内容は1回目の稽古の時のものに加えて、室内の空気が水に変わった場合、泥に変わった場合をイメージして歩く。さらに、「進化じゃんけん」を行う。じゃんけんに勝てば、卵→ひよこ→にわとり→鷹→人間へと進化していく。負けると1つ退化する。人間になった人から抜けていく。
Tさんのにわとりの動きがあまりにリアルだったのでみんなで大笑いする。

④ 室内をスローモーションで歩き回る。
指導者の指示したお題のものをスローモーションでさわりに行く(コロナ対策のため実際にはさわらない)。

⑤ 全員で1つの円になって、手拍子リレー(逆回転あり)・気合い回し。
ミスをしたら、15秒間の腹筋(寝転んで両足を10cm浮かせる)。

⑥ 3つの円に分かれ、「わたし」「あなた」のリレー。
「わたし」「好きよ」・「われ」「どついたろか」・「わたし」「愛してる」など、いくつかのパターンでリレー。

⑦ 1人1曲、アカペラで歌を発表。
くじを用意し、歌い終わった人が次の人を決めるくじを引く。
アニメの主題歌や、最近の流行曲、渋い懐メロ、CMソングなど、選曲にも個性が表れていた。人前で歌うので、緊張や恥ずかしさもあったはずだが、堂々と歌う子が多くて驚いた。

⑧ ウインクキラー。
鬼の数を変えたり、無敵のボス鬼を設定したり、いくつかのパターンを繰り返す。

⑨ 5人組によるジェスチャーゲームのリレー。
はじめの子に「場所」と「武器」を教える。はじめの子は、その場所にいる人物を演じて、ジェスチャーで次の人に場所を伝える。場所が伝わったら、武器となる道具もジェスチャーで伝え、伝えられた方は理解したらその武器ではじめの人をやっつける。その繰り返しでリレーしていく。お題は「図書館(場所)・眼鏡(武器)」「飛行機の中・くつ下」など。

⑩ 次回までの課題を出す。
1. 作文「あなたにとっていい演技(いい芝居)とは?」
2. 特技披露で何をするか考えておく。

山川 和宏(やまかわ かずひろ)

尼崎市公立小学校主幹教諭
演劇ユニットふろんてぃあ主宰
富良野塾15期生。青年海外協力隊平成20年度1次隊(ミクロネシア連邦)。
テレビ番組制作の仕事を経て、小学校教師になりました。以来、子どもたちと演劇を制作し、年に2回ほど発表会を行っています。

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