☆今すぐ使える☆1%の努力でできる算数の授業スキル「文章問題を作るときは簡単な文にする」(No.18)
今回紹介する算数の授業スキルは、算数の授業を得意とする先生の9割が実践しています。
しかも、とっても簡単で、今すぐ使えて、たった1%の努力でできる算数のスキルなのです。今回はそのスキルの第18弾「文章問題を作るときは簡単な文にする」について紹介します。
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭 神保 勇児
文章問題を作るときは簡単な文にする
先日、ある算数の研究授業の指導案検討会に参加しました。研究授業で使われる問題の多くは、先生の自作によるものが多いと思います。例えば、文章問題についてです。まず、教科書にある問題です。(場面は少し変えてあります。)
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輪ゴムで動く車の走った長さを比べます。
赤は3m走りました。
青は赤の2倍、黄は青の4倍走りました。
黄は何m走りましたか。
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この問題は、赤をもとの量として、その何倍かを考えていきます。子供は、青と黄色の走った長さを求めるために計算をします。ここで、「青は赤の2倍」という部分に注目してみましょう。
素直に式に表してみると、6=3×2と表すことができます。でも、求める式は3×2=6となります。ちょっとした違いですね。しかし、文章題が苦手な子にとっては、「青は赤の2倍」が3×2=6と表すことを難しく考える子もいるのです。
ここで、「青は赤の2倍」を「赤の2倍は青」という文に変えてみましょう。式は3×2=6になります。ここで、先ほどの文と比べてみましょう。赤の長さは3mです。
「青は赤の2倍」「赤の2倍は青」
3×2=6 3×2=6
後者の方が「赤の2倍は青」という文と式の表し方が似ていることが分かると思います。同じような考え方で、「黄は青の4倍」についても考えてみましょう。青は6mです。
「黄は青の4倍」「青の4倍は黄」
6×4=24 6×4=24
これも、後者の方が「青の4倍は黄」という文と式の表し方が似ていることが分かります。
では、このやり方で問題文を変えてみましょう。
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輪ゴムで動く車の走った長さを比べます。
赤は3m走りました。
赤の2倍は青です。
青の4倍は黄です。
黄は何m走りましたか。
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このように、文章問題をもとの文章よりも立式しやすくすることができました。少人数クラスで算数をすることもあると思います。そんな時、コースによっては、今回のように思い切って文章問題を簡単にしてみるのも一つの手立てになると思います。
今回のスキル「文章問題を作るときは簡単な文にする」はいかがだったでしょうか。ご自身の学年の単元でぜひ活用してみてください。
今回のスキルにつながる内容は、授業スキルアップ研究会でも扱っていきます。また、話し合いの進め方などについては『子供がなぜか話したくなる 算数ファシリテーション入門』(東洋館出版社)や『学び合いコーディネートスキル60』(明治図書)で扱っていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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神保 勇児(じんぼ ゆうじ)
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
2020年度はコロナウィルスでの休校期間でオンライン授業を多く行うことがありました。その時に得た、オンラインでも使える問題の見つけ方、子供の自力解決の見取り方、つぶやきの拾い方、発表検討のさせ方など紹介していきます。
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