2021.12.10
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☆今すぐ使える☆1%の努力でできる算数の授業スキル「あえて同じ数値を使う」(No.4)

前回に引き続き、今回紹介する算数の授業スキルは、算数の授業を得意とする先生の9割が実践しています。
しかも、とっても簡単で、今すぐ使えて、たった1%の努力でできる算数のスキルなのです。
今回はそのスキルの第4弾「あえて同じ数値を使う」について紹介します。

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭 神保 勇児

式に表したり、式を読んだりして生きて働く計算の学習へ

学習指導要領解説(算数編)p.39では、式を表したり、式を読んだりする活動について、以下のように説明しています。

「計算する際に用いられる加法及び減法、乗法及び除法などの式は、日常生活の場面を算数の舞台に載せる役割を果たしている。文章題は式に表すことができれば、あとは計算で答えを求めることができる。計算の学習は、算数の学習として閉じるのではなく、日常場面で生きて働くことが必要である。そのためには、日常の場面を式に表したり、式を読んだりする内容が欠かせない。」

ここで注目したいのは、「生きて働くことが必要である」という部分です。
日常場面で生きて働く計算の学習にするために、子どもが場面を式に表したり式を読んだりする活動をするのです。
ですから、単に答えがわかったということでは勿体無いと思います。
では、子どもたちが進んで式に表したり、読んだりするにはどのようなことをすればよいのでしょうか?
今回は紙面の都合もあるので、式を読む活動にポイントを絞って紹介したいと思います。

あえて同じ数値を使う

サラダ作りの問題

そこで、今回紹介したいのが「あえて同じ数値を使う」というスキルです。
問題場面で扱う数値をあえて同じにするのです。
すると、式を見た子どもは、具体的に何を式に表したのか不思議に思います。
そして、式を読み取るために質問します。

図を見てください。
第3学年の筆算の学習で扱った問題です。
サラダを作るために、何の材料を買うかを考えました。
いくつか発表が終わった後、ある子どもが次の式を発表しました。

80+80+80+80+80=400
400+98=498

その式を見た子どもたちは「買ったのはきゅうりなの?」「キウイを5個買ったの?」「海藻サラダを買ったの?」と一斉に質問し始めました。
式の中の80が何のことだか分からないからです。
その子はきゅうりを買ったのだと言いました。
絵を見ると、80円できゅうりは2本ありますから、何と10本分のきゅうりを買うことになります。
かなりのきゅうり好きです。
これにはクラスの子たちが大笑いしました。

普段の授業では、先生が式を指差しながら「この式の80って何を買ったと思う?」などと質問することがあると思います。
ですが、このようにあえて同じ数値を扱うことで、子どもの中に「?」が生まれ、互いに確認しようとし始めます。

今回のスキルにつながる内容は、授業スキルアップ研究会や『学び合いコーディネートスキル60』(明治図書)で扱っていますので、参考にしてみてください。

神保 勇児(じんぼ ゆうじ)

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭


2020年度はコロナウィルスでの休校期間でオンライン授業を多く行うことがありました。その時に得た、オンラインでも使える問題の見つけ方、子供の自力解決の見取り方、つぶやきの拾い方、発表検討のさせ方など紹介していきます。
「jimbochanのブログ」https://jimbochan.hatenablog.com/

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