初任の先生からの質問「夏休みの過ごし方」(No.8 )
いよいよ夏休みです。
1学期の疲労を癒やし、身体も心もリフレッシュすることを第一に過ごしてほしいと思います。
特定非営利活動法人TISEC 理事 荒畑 美貴子
そうであっても、夏休みには研修等が予定されていると思いますから、別の意味で忙しい時間を過ごすことになるかもしれません。
要領よく時間を作り、自分の時間を楽しみ、普段会えない家族や友達と会ったり、行ってみたいところに行ったり、やってみたいことをやったりしてほしいと思います。
Q 1学期が終わり、2学期もやっていけるのかと不安で・・・
A 誰かと話したり、本を読んだりすることも助けになります!
数年前、空き時間がほとんどなく、毎日6時間の授業をひたすら続けたときに、私は「燃え尽き症候群とはこんな感じなのだろうか」と思いました。新しい年度を迎えることが不安で、そのときと同じ条件の仕事はとても続けられないと思ったのです。
教師とはいえ人間ですし、気を張り続けていたら壊れてしまう可能性があります。ですから、夏休みや冬休みといった長期の休日で気持ちを休めることは、とても大事なのです。休むことをためらってはいけません。
もし、休んでいただけでは解決できないと思ったなら、同業の仲間や先輩と話してアドバイスをもらったり、みんな同じなんだと勇気をもらったりすることが助けになるかもしれません。また、どんなジャンルの本でもいいので、読んでみたいと思った本を読んでみるのもお勧めです。教育関連の書籍を読む必要はなく、小説でもエッセイでも、あるいは漫画本でもいいと思います。生きることのヒントが得られることもありますし、別の分野の本から仕事に関する情報を得られることもあるのです。
私が普段から何度も読んでいる本をご紹介します。興味があったら、読んでみてください。
2冊とも文庫本ですので、持ち歩きに便利な上、比較的安価で手に入ります。
◆『「死ぬ瞬間」と死後の生』エリザベス・キューブラー・ロス 中公文庫
この本には、生が終わろうとしている患者に寄り添った経験から、筆者(精神科医)が学び取ったことが書かれています。
子どもの例も数多く紹介されています。
そして、「やりのこし」がないように生きることの大切さを教えてくれます。
◆『治療教育講義』ルドルフ・シュタイナー ちくま学芸文庫
これは、特別支援教育に関する古典であり、多くの学びを提供してくれる本です。
ただ、読みこなすのは難しいので、諦めずに読んでください。
私は、本編ではなく、書籍の後ろにある付録のページが大好きです。
若い人たちが、子どものために施設を作り、支援を必要とする子どもたちのために頑張る姿が紹介されています。
とうてい不可能と思われることをやり遂げる姿から、大きな勇気をもらっています。自分も頑張ろうと原点に戻ることのできる本です。
Q 夏休み中にやっておいた方がいいことは・・・
A 2学期の行事を見据えて、準備を少しずつ・・・
十分に休んでエネルギーが充填でき、準備もしてみようかなと思えるようならば、2学期の運動会や学習発表会などの大きな行事をシミュレーションしてみましょう。
同じ学年の先生に相談し、何をしておけばいいのか、何ならできるのかを教えてもらっておくと安心です。
運動会の表現の練習をしてみる、学習発表会の台本を読んでみるなど、気楽にやれるものから始めてみることをお勧めします。
荒畑 美貴子(あらはた みきこ)
特定非営利活動法人TISEC 理事
NPO法人を立ち上げ、若手教師の育成と、発達障害などを抱えている子どもたちの支援を行っています。http://www.tisec-yunagi.com
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