2024.07.25
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【初任の先生必見】ベテラン教師もやっている!夏休み前にやっておくべき5つのこと

新学期が始まってから早くも数か月が経ち、夏休みが近づいてきました。初めての1学期を乗り越えようとしている初任の先生方、お疲れさまです。しかし、夏休みを迎える前にやっておくべきことがまだたくさんあります。この記事では、夏休みまでに必ず押さえておきたい5つのポイントをご紹介します。これらを実践することで、2学期をより充実したものにできるでしょう。

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭 神保 勇児

初任の先生が夏休みまでにやってしまいがちな失敗5つ

まず、やってしまいがちな失敗5つを紹介します。

⑴成績処理を後回しにする
日々の業務に追われ、成績処理を後回しにしがちです。しかし、これは夏休み直前に大きな負担となります。

⑵保護者との連絡を疎かにする
初任者は保護者とのコミュニケーションに不安を感じ、必要最小限の連絡にとどめてしまうことがあります。

⑶夏休みの宿題の準備不足
適切な量や内容の宿題を考える時間が取れず、前年踏襲や過度な課題を出してしまう傾向があります。

⑷1学期の振り返りを怠る
忙しさのあまり、1学期の取り組みを十分に振り返る時間を取らないことがあります。

⑸2学期の準備を先送りにする
目の前の業務に精一杯で、2学期の準備に手が回らず、夏休み中の作業量が増えてしまいます。

これらの失敗を避けることで、より効果的な学期末の対応と充実した夏休みを過ごすことができます。​​​​​​​​​​​​​​​​では、どのようなことをすればよいのか、ポイントを5つ紹介します。

ポイント①「成績処理を計画的に進める」

1学期の成績処理は、新任の先生にとって最も重要な業務の一つです。テストの採点や提出物の確認、日々の観察記録など、多くの要素を総合的に判断する必要があります。この作業を後回しにすると、夏休み直前に膨大な作業量に押しつぶされてしまう可能性があります。そこで、計画的に成績処理を進めることが重要です。例えば、毎週金曜日の放課後に1時間でも時間を確保し、その週の成績に関する作業を進めるなど、少しずつ着実に進めていきましょう。また、不明点があれば早めに先輩教師に相談し、アドバイスを求めることも大切です。

ポイント②「保護者とのコミュニケーションを充実させる」

保護者との良好な関係づくりは、スムーズな学級運営に欠かせません。夏休み前は、1学期の子どもたちの成長や課題について保護者と共有する絶好の機会です。個人面談や保護者会、学級通信などを通じて、積極的に情報を発信しましょう。特に、気になる児童については、夏休み中の過ごし方や家庭での支援方法について具体的に相談することが大切です。また、保護者からの質問や要望にも丁寧に対応し、信頼関係を築いていきましょう。このようなコミュニケーションを通じて、2学期以降の協力体制を整えることができます。

ポイント③「夏休みの宿題を適切に設定する」

夏休みの宿題は、児童の学力維持や向上、自主性の育成に重要な役割を果たします。しかし、量が多すぎたり難しすぎたりすると、逆効果になる可能性があります。そこで、児童の実態に合わせた適切な宿題を設定することが大切です。基礎的な学習内容の復習や、興味関心に基づいた自由研究など、バランスの取れた課題を用意しましょう。また、宿題の目的や取り組み方について、児童と保護者に丁寧に説明することも忘れずに。さらに、夏休み中の学習相談日を設けるなど、サポート体制を整えることで、児童の学習意欲を高めることができます。

ポイント④「1学期の振り返りと分析を行う」

1学期の経験を2学期に活かすためには、しっかりとした振り返りと分析が欠かせません。学級経営、授業実践、生徒指導など、様々な面から自己評価を行いましょう。うまくいったこと、課題が残ったこと、予想外の出来事など、具体的に書き出してみるのも良いでしょう。また、児童一人ひとりの成長や課題についても整理し、2学期以降の指導方針を立てます。この作業を通じて、自身の教師としての成長を実感できるだけでなく、今後の改善点も明確になります。必要に応じて、先輩教師や管理職にアドバイスを求めることも大切です。

ポイント⑤「2学期の準備を始める」

夏休みが始まってからでは遅いのです。2学期の準備は、1学期のうちに少しずつ始めておくことをおすすめします。まず、2学期の学校行事や学習内容を確認し、大まかな指導計画を立てましょう。特に、運動会や文化祭などの大きな行事がある場合は、準備に時間がかかるため、早めに着手することが重要です。また、1学期の反省を踏まえて、新しい指導方法や教材を研究するのも良いでしょう。さらに、気になる児童への支援方法について、校内委員会や専門家に相談する時間を確保することも大切です。こうした準備を通じて、2学期をより充実したものにすることができます。

まとめ

以上、夏休みまでに新任の先生が押さえておくべき5つのポイントをご紹介しました。成績処理の計画的な実施、保護者とのコミュニケーション充実、適切な夏休みの宿題設定、1学期の振り返りと分析、そして2学期の準備開始。これらの取り組みは、一見大変に思えるかもしれません。しかし、これらを着実に実践することで、充実した夏休みを過ごし、2学期をより良いスタートを切ることができるでしょう。

最後に

新任の先生方、1学期お疲れさまでした。ここまで多くの課題に直面し、時には困難を感じたかもしれません。しかし、そのすべてが皆さんの成長につながっています。この記事で紹介した5つのポイントを意識しながら、1学期の締めくくりと2学期の準備を進めてください。そして、夏休みにはしっかりと休養を取り、新たな気持ちで2学期を迎えましょう。皆さんの今後の活躍を心から応援しています。​​​​​​​​​​​​​​​​

神保 勇児(じんぼ ゆうじ)

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭


2020年度はコロナウィルスでの休校期間でオンライン授業を多く行うことがありました。その時に得た、オンラインでも使える問題の見つけ方、子供の自力解決の見取り方、つぶやきの拾い方、発表検討のさせ方など紹介していきます。
「jimbochanのブログ」https://jimbochan.hatenablog.com/

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