2024.08.01
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新任教師のための夏休み活用ガイド:充実した二学期へ向けて

今年新しく教壇に立たれた先生方、1学期お疲れ様でした!
ホッとするのも束の間、初めての夏休みを迎え、何から始めればいいか迷っていませんか?
この記事では、二学期に向けた準備を効果的に行うためのポイントを、具体的にお伝えします。

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭 神保 勇児

1. 学年会に参加して自分の担当の確認を行う

学年会は先輩教師から多くを学べる貴重な機会です。積極的に参加しましょう。参加前に、二学期の主な行事(運動会、遠足など)の日程を確認しておきましょう。また、自分が担当する係や分担(例:学年だより作成、教材発注など)についても把握しておくと良いでしょう。一学期で気になった生徒の様子や対応策についても、この機会に相談できます。
わからないことがあれば、自分で判断せずに質問してみましょう。先輩教師は支えになってくれるはずです。

2. 教材研究をする

教材研究は授業づくりの基本です。まず、学習指導要領を読むことから始めましょう。担当学年の内容を中心に、前後の学年も確認します。各教科の目標と主な内容をノートにまとめておくと、後で見返すときに便利です。
次に、教科書とワークブックの確認を行います。二学期の単元を通読し、難しそうな部分をチェックしておきましょう。指導書の展開例を参考に、自分なりの授業イメージを作ってみるのも良いでしょう。
最後に、参考書や指導資料の収集を行います。学校の図書室や地域の教育センターを活用したり、先輩教師おすすめの本やウェブサイトをチェックしたりして、情報を集めましょう。

3. 授業の準備を進める

授業の準備では、まず主要単元の指導案作成から始めます。最初の1〜2週間分は詳しく作成し、板書計画や発問内容も具体的に考えておきましょう。これにより、授業の流れをイメージしやすくなります。
また、教材・教具の準備も忘れずに。プリント類の印刷と整理(ファイリングがおすすめです)、実験道具や図画工作の材料確認と補充を行っておきましょう。事前に準備しておくことで、二学期のスタートがスムーズになります。

4. 教室環境の整備や学級通信の準備をする

学級経営の準備として、まず教室環境の整備計画を立てましょう。掲示物のアイデアをスケッチしてみるのも良いでしょう。学習内容や行事に関連したものを考えてみてください。また、グループ学習を考慮して座席表の見直しも行っておくと良いでしょう。
学級通信の作成も重要です。二学期の目標や主な行事を紹介し、保護者への連絡事項をまとめておきましょう。保護者とのコミュニケーションツールとして、学級通信は大切な役割を果たします。

5. 児童への支援について振り返る

児童理解を深めるため、一学期の振り返りを行いましょう。各児童の長所や課題をノートに整理し、特別な支援が必要な児童の対応策を考えておきます。
また、個人面談の準備も進めておきましょう。面談シートを作成し、児童の良いところや頑張ってほしいことを整理します。保護者との連携ポイントもメモしておくと、スムーズな面談につながります。

6. 行事の準備をする

二学期は行事が多い時期です。特に運動会の準備は重要です。競技種目を確認し、練習計画を作成しましょう。応援団や演技の振付も予習しておくと、子どもたちに自信を持って指導できます。
遠足や社会科見学の準備も忘れずに。可能であれば先輩教師と一緒に行き先の下見をし、しおりのたたき台を作成しておきましょう。安全面の確認も重要です。

7. 自己研鑽に励む

教師として成長するため、自己研鑽も大切です。教育委員会主催の初任者研修に積極的に参加しましょう。また、ICT活用など、興味のある分野の講座も受講してみてください。
教育書の読書も効果的です。学級経営や教科指導に関する基本書を1〜2冊選んで熟読してみましょう。新しい知識や視点が得られるはずです。

8. 新学期スタートの準備をする

新学期のスタートを円滑にするため、提出物管理の仕組みを作っておきましょう。教科別の提出ボックスを準備し、提出確認用のチェックリストを作成しておくと便利です。
初日の指導計画も立てておきましょう。朝の会の進行メモを作成し、夏休みの思い出を共有するアクティビティを企画するなど、子どもたちが楽しみながら学校生活に戻れるよう工夫してみてください。

9. 心身のリフレッシュをする

最後に、自分自身のケアも忘れずに。張り詰めた緊張が続くと体も持ちません。十分な睡眠や栄養バランスの良い食事を心がけ、体力を回復させましょう。趣味に時間を費やしたり、適度な運動をするのもよいですね。気持ちもリラックスすることができます。ただ、偏った食生活には気を付けましょう。規則正しい生活リズムを心がけ、心身ともに健康であることを心がけましょう。

まとめ

全てを完璧にこなそうとせず、優先順位をつけて取り組みましょう。分からないことは先輩教師に相談し、一つずつ着実に準備を進めていけば大丈夫です。この夏休みを通じて、教師としての基礎を固め、二学期からさらに成長していきましょう。
困ったときは、一人で抱えないで同期の先生や指導教員に相談することも忘れずに。皆さんの熱意と努力が、きっと子どもたちの笑顔につながります。充実した夏休みと、素晴らしい二学期のスタートを心からお祈りしています!

神保 勇児(じんぼ ゆうじ)

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭


2020年度はコロナウィルスでの休校期間でオンライン授業を多く行うことがありました。その時に得た、オンラインでも使える問題の見つけ方、子供の自力解決の見取り方、つぶやきの拾い方、発表検討のさせ方など紹介していきます。
「jimbochanのブログ」https://jimbochan.hatenablog.com/

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