2024.06.14
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"School's OUT"(学校はもう休みです)Congratulations, You made it!

アメリカの学校の殆どは5月下旬から6月初旬で年度修了を迎えます。こちらの学校では修了日が6月5日となり、新年度は8月19日に始まります。
子どもたちも教師も2ヶ月半のこの長い長い夏休みを楽しみにしています(保護者の方々は色々大変な面もありそうです)。
アメリカでの年度修了日や夏休みの過ごし方にかなり違いが見られるのでお話ししたいと思います。

在沖米軍基地内 公立アメリカンスクール 日本語日本文化教師 下條 綾乃

登校最終日(修了日)に向けたカウントダウンイベント

面白い靴下を履いて登校しよう!

アメリカの学校では年度修了日は一年の学びが修了した、皆よく頑張ったというお祝い事、セレブレーションに値します。よって学校全体でその修了日をお祝いします。最終日に向けて学校全体が盛り上がり、ワクワクするような出来事やイベントが仕掛けられています。
こちらの学校では修了一週間前からカウントダウンが始まり、毎日違ったテーマの格好をしてくることで、その一週間を盛り上げるのが恒例です。
例えばこんな感じです。

6日前:アメリカの国旗の色(赤青白)の服を着てこよう!

5日前:パジャマを着てこよう!

4日前:バカンスに出かけるような格好をしよう!

3日前:面白い靴下を履いてこよう!

2日前:虹色、またはたくさんの色が入った格好をしてこよう!

 前日:ビーチに出かけるような格好をしてこよう!

 当日:学校のロゴが入ったTシャツを着て修了日を祝おう!

学校修了日

"School's OUT" (学校はもう休みです)

学校終了日は授業をするクラスはほとんど見かけず、各教室でお祝いムードになります。
アメリカの学校ではYearbookという写真アルバムがあり、卒業生だけでなく全校生徒がそのアルバムを購入することができ、価格も2千円ぐらいで手頃です。Yearbook委員会やクラブが設けられ、保護者や生徒達がボランティアで写真を撮りアルバムを制作するという学校がほとんどです。修了日には購入したアルバムにサインし合うという習慣があります。教室の片付けやイベントを楽しみながら子どもたちはお世話になった教師にお礼のギフトを渡し、アルバムへのサインを求め、教室を行き来します。
そして学校終業のベルがなるとアリス・クーパーの有名な曲 School's Out が大音量でスピーカーから流れます。クラス担任が先頭に子どもたちと列を成して学校の建物を一列に飛び出します。出口には学校職員や保護者が花道を作り、”Congratulations!  You made it! Have a great summer!” と修了をお祝いします。
保護者の中には子どもたちの修了を車をデコレーションして祝う家庭もあります。黄色いスクールバスの最終便の列が出発する様子を私たち教師は手を振って見送ります。長い夏休みに出発する子どもたちを笑顔で応援します。
一年間をやり切ったという気持ちでどの教師の顔も晴れ晴れしています。午前中で終了する学校修了日は私たちはレストランで食事をしながら最後の職員会議を行います。

休暇の過ごし方

アメリカでは2週間以上の長期休暇が取れるようなワークライフバランスを保っている大人は多いです。
”Work harder, Play harder”(一生懸命働き、一生懸命遊ぶ)を実践する教師も多いです。教師は9ヶ月雇用(夏休みや冬休みは雇用されていません)なので2ヶ月以上の夏休みとなります。9ヶ月雇用に支払われる給料を12分割にしている教師が殆どなので夏休みに給料が支払われないなどの心配もありません。
教師に限らず、長期休暇をとるタイミングは各家庭それぞれですが、夏休みを含め、11月感謝祭、12月クリスマスのシーズンなどが多くあります。
子どもたちとその家族は夏休みを利用してアメリカ横断家族旅行を企画したり、クルーズに出かけたり、州にまたがる遠い親戚のうちを訪ねるリユニオン(家族親戚の集まりや同級生同士の集まり)を開いたり、引っ越しを計画する家族も多くいます。
子どもたちは夏休みは宿題がありませんので学校が終了する前にクラス担任に学びのアドバイスや宿題を求める家庭もあります。ICTが発達した今はオンラインで無料の学びサイトを活用するご家庭も多くあります。
そして長い夏休みに子どもに集中して習い事をさせるご家庭も多いです。夏休みの特別集中レッスン、もしくはキャンプを設ける民間の教育機関も多くあります。
最近聞いて驚いた習い事では、家族でクルーズに出かけている間、保護者はクルーズでのバカンスを楽しみ、子どもたちはクルーズ船内で学びを続けられるというプログラムです。


今書いているこの記事の締め切りが学校修了日になります。
アラスカクルーズやラスベガスで長い休みを過ごすといった同僚の話を耳にしながら、私も夏休みをどう過ごそうか考えているところです。

下條 綾乃(しもじょう あやの)

在沖米軍基地内 公立アメリカンスクール 日本語日本文化教師
日本語学校や領事館等で日本語を教えた後、米軍基地内の公立アメリカンスクールで日本語日本文化を教えて20年ほどになります。何年経っても毎日驚きと気づきがあり、それらの一部を皆さんと少しでも多くシェアできたら嬉しいです。外国の子供達に自分の話す言葉や習慣、文化を教えることの楽しさ、難しさ、面白さを呟いていきます。

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