2022.09.21
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番外編 Jamboardのワークシートの作り方① スクールプレゼンターで問いを引き出す算数授業づくり(第7回)

今回、次回は番外編として、Google Jamboard(以下Jamboardとします。)の算数テンプレートについて、紹介します。
なお、このJamboardのテンプレートのコピーは、スクールプレゼンター(以下スクプレとします。)を購入した先生・学校に限ります。スクプレ道場の教材の閲覧・提示は体験版で利用可能(購入不要)ですが、スクプレの画像のコピーやスクショしての活用には購入が必要です。

スクプレのデメリットを解消

スクプレは、算数の問題提示が得意なアプリです。他のプレゼンアプリでは難しい提示方法が容易に設定できます。しかし、スクプレで作った教材を児童ひとりひとりに使わせようとするとOSがWindowsに限定され、ChromeやiPad上では利用できないことや、ファイルの共同編集ができないことがデメリットして挙げられます。

そこで、これらのデメリットを解消するため、私はJamboardでデジタルのワークシートを作成して授業で用いています。Jamboardであれば、WebアプリのためOSを選びませんし、簡単な共同編集も可能となります。スクプレでは難しかった「自力解決」や「学び合い」の場面でのICTの活用ができます。

紙と比べると、Jamboardのワークシートでは、教師が児童ひとりひとりの自力解決の様子をリアルタイムで教師の端末から観察することができたり、児童は友達の考えを自分の端末から見てデジタル付箋で感想を書いたりすることができるというメリットがあります。

図は、5年「平行四辺形の面積」で「自力解決」を終えた児童が、友達の考えを見て疑問や感想をデジタル付箋に書いたものです。「学び合い」の場面では、この付箋を活かして疑問の付箋が多く付いた考えを取り上げる授業展開が可能となりました。

また、働き方改革につながる良さもあります。デジタルのワークシートの作成に慣れてくると、紙で印刷して準備するより素早くできたり、教師のGoogle Driveにワークシートのデータが自動保存されるため管理も容易になったりします。

既にスクプレに使いたい教材ファイルがある場合は、本当に短時間でできます。手軽に作れるため、現在、私のワークシートのストックは82件あります。

これらを今後使いやすいように、専用のウェブサイト「jamboardの算数テンプレート」(本稿の末尾で紹介)を作り、学年ごとに整理してJamboardのワークシートをコピーできるようにしました。また、スクールプレゼンター教材共有サイト「スクプレ道場」に同じ教材がある場合は、Jamboardのワークシートへリンクを張っています。

すぐできる!Jamboardのワークシート

スクプレのスクショで背景を設定

動画「Jamboardワークシート手順」

「デジタル付箋でしかJamboardを使ったことがないな…」という方でも、オリジナルのJamboardのワークシートを簡単に作ることができます。

動画(③から始まります)を参考に、下記の手順で作ってみてください。

【手順】
  1. スクプレの教材を選び、画像を「スクショ」する。
  2. Googleにログインする。
  3. 右上の9つの点をクリックし、Jamboardのアプリを起動する。
  4. 画面右下の「+」(新しいJam)をクリックする。
  5. 画面左上の「無題のJam」をクリックし、ファイル名を付ける。
  6. 画面上部の「背景を設定」をクリックする。
  7. 右下の「画像」をクリックする。
  8. 「アップロード」内の「参照」をクリックする。
  9. あらかじめ「スクショ」しておいた画像を選択する。
  10. 画面上部の「フレームバーを展開」をクリックする。
  11. 3つの点の中の「コピーを作成」をクリックし、使う人数分ページを作成する。

「jamboardの算数テンプレート」

前述しましたが、自作したJamboardのワークシートを「jamboardの算数テンプレート」というサイトにまとめています。画像をクリックするとワークシートにリンクし、閲覧できます。

もし、コピーして使いたい場合は、「Googleにログイン」と「スクールプレゼンターEXを購入した先生や学校」が使用条件となります。コピーできると、Googleにログインした方のGoogle Driveにワークシートのコピーが作成されます。

なお、ワークシートは20ページまでしか増やせないので、21人以上のクラスでは、同じワークシートを2つ作成する必要があります。

各学年のお勧めワークシート

  • 1年 たし算のカード並べ
    繰り上がりのあるたし算の教材です。並べたたし算のカードの空いている部分の式を考えさせる頁と、オリジナルの空白の部分を作る頁で構成しています。カードをクリックして赤いグリッドを出した後、両脇の下にある正方形をクリックすると、式を出したり隠したりすることができます。
  • 2年 四角形を直線で2つに分ける
    三角形と四角形の教材です。はさみ機能を使って、四角形を直線で2つに分けます。「三角形と三角形」「三角形と四角形」「四角形と四角形」に分けることができることを理解させます。このままワークシートとしても使えます。
  • 3年 覆面算3
    たし算の筆算の覆面算です。十の位の被加数Aは、繰り上がりと合わて和が10になることが分かることから、C=1が決まります。これをきっかけに、筋道を立てて考えるとすべての数が分かります。カードは少しずつ見せたり、削除したりして使います。
  • 4年 二次元表(兄姉)
     二次元表の教材です。数値を表に整理するのが難しい児童が多いです。そこで、黄色の正方形をクリックすると、問題文の数値を入れたものを提示できるようにしました。
  • 5年 積んだレンガの数と高さ
    比例の教材です。積んだレンガの数と高さについて考えさせます。表にリンクして図も表示させることで場面理解を深めさせることができるようにしました。また、式は少しずつ提示できるようにし、手がかりをつかめるようにしました。
  • 6年 比を簡単に(小数と分数)
    比と比の値の教材です。比を簡単にする問題で「小数」と「分数」は自力解決が難しいです。そこで、穴埋め形式にし、どの子も取り組めるようにしました。小数から整数、異分母から同分母の式操作の部分は隠して設定しているので、それらのアイディアを共有させることができます。

この他、「スクプレ道場」には無く、「jamboardの算数テンプレート」だけにあるコンテンツもありますので、是非ご覧ください。

次回も引き続き、Jamboardのワークシートの作り方を紹介します。png形式で透過し、動かせる部分を作ります。お楽しみに!

種市 芳丈(たねいち よしたけ)

南部町立名川南小学校 教頭
ICTを活用した算数授業に取り組んでいます。特に、「スクールプレゼンター」は10年以上使っていて、お気に入りのアプリの1つです。自分の作った教材が下記のサイトに約600ファイルほどあります。
スクールプレゼンター教材共有サイト「スクプレ道場

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