番外編 Jamboardのワークシートの作り方② 動かせるワークシート スクールプレゼンターで問いを引き出す算数授業づくり(第8回)
前回に引き続き、番外編として、Google Jamboard(以下Jamboardとします。)の算数テンプレートについて、紹介します。
なお、このJamboardのテンプレートのコピーは、スクールプレゼンター(以下スクプレとします。)を購入した先生・学校に限ります。スクプレ道場の教材の閲覧・提示は体験版で利用可能(購入不要)ですが、スクプレの画像のコピーやスクショしての活用には購入が必要です。
動かせる部分で試行錯誤や操作活動を
第7回で紹介したように、Jamboardのワークシートには下記のようなメリットがあります。
- Webアプリのため、どのOSでも使える。
- 自力解決の様子をリアルタイムで教師の端末から観察できる。
- デジタル付箋に書かれた疑問が多く付いた考えを取り上げる授業展開が可能になる。
- ワークシートの管理が簡単になる。
- スクプレのスクショで使うと、ワークシートがすぐできる。
- 他の人が作ったワークシートを共有できる。
しかし、実践を重ねていくと、試行錯誤して答えを見つけたり、操作活動をして概念を理解したりする教材ではJamboardのワークシートは使いづらいことが分かりました。
そこで、JamboardでPNG画像データが使用可能なことを活かし、背景を透過したPNG画像データを用いることで、これらのデメリットを解消しました。

5年「平均」のワークシートの様子
図は、5年「平均」のワークシートの様子です。100までの数表を4つのマスを十字型で隠した時の合計を考える問題で、子供たちは4つのマスの合計が真ん中の数の4倍になる(例:5+14+16+25=15×4)というきまりを発見しました。さらに、ほかの場所でも成り立つかどうか、自分の好きな所で4つのマスの十字型を動かして調べようとしているところです。
この4つのマスの十字型の部分が、背景を透過したPNG画像データです。この動かせる部分があることで、どこでも成り立つということを帰納的に理解することにつながりました。
※動かせる部分のあるワークシートの作り方
Jamboardで画像追加すると、その画像を動かしたり回転させたりすることはできます。しかし、画像は背景の白い部分を含んだ四角形で取り込まれるため、前述の4つのマスの十字型だと、角や中心にある数は、背景の白い部分が上となって隠れてしまいます。これでは教材として使えません。
そこで、JamboardでPNG画像データが使用可能なことを活かします。PNG画像データは、背景を透明にできる処理ができるので、その処理を施した画像データをJamboardで画像追加することで、白い部分が透明になり、隠れていた数が表示されます。
PNG画像データの背景を透明にする処理に、私は、「WEBブラウザ上で簡単に透過PNG画像を作成できるツールPEKO STEP」を利用していますが、所有する画像アプリでできる場合は、そちらで構いません。
動画(4.から始まります)を参考に、下記の手順で作ってみてください。
【手順】
※Jamboardのアプリを起動し、既に「背景を設定」をしたワークシートを開いた状態からスタート
- 画像データを選ぶ。
- その画像データを画像アプリで背景を透明にする処理する。
- PNG画像データで保存する。
- 画面右側の「画像の追加」のアイコンをクリックする。
- 「アップロード」内の「参照」をクリックする。
- 先ほど作成したPNG画像データを選択する。
Jamboardの算数テンプレートを追加しました!

自作したJamboardの算数テンプレートを時々追加しています。2022年10月14日現在で100件となりました。下記のリンクから閲覧可能ですので、授業準備の簡略化やヒントになれば幸いです。コピーして使いたい場合は、第7回を参照してください。
- スクールプレゼンター教材共有サイト「スクプレ道場」
「Jamboard」で検索すると、Jamboardのワークシートのリンクが表示されます。 - 「jamboardの算数テンプレート」
学年ごとに整理され、アイコンで表示されます。
こちらも是非ダウンロードして使ってみてください。
次回は、算数授業の実践紹介に戻り、4年「等差数列の和」を取り上げます。お楽しみに!
参考資料
種市 芳丈(たねいち よしたけ)
南部町立名川南小学校 教頭
ICTを活用した算数授業に取り組んでいます。特に、「スクールプレゼンター」は10年以上使っていて、お気に入りのアプリの1つです。自分の作った教材が下記のサイトに約600ファイルほどあります。
スクールプレゼンター教材共有サイト「スクプレ道場」
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