2023.03.22
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子供の問いを引き出す⑩ 算数手品:4年「変わり方」 スクールプレゼンターで問いを引き出す算数授業づくり(第13回)

算数用アプリ「スクールプレゼンターEX(以下スクプレ)」を使って子供の問いを引き出す算数授業の実践紹介。今回の教材は4年「変わり方(算数手品:ブロックの周りの長さ) 」です。

「なぜ?」を引き出す

この単元で扱われる教材は「x+y=a」や「x-y=a」、「y=ax」などの文字式で表すことができます。伴って変わる量について表に表し、きまりがあることに気付き、それを上記のような式に表すという学習の流れになります。

表に表す段階で気を付けたいことは、子供の「調べたい」「確かめたい」という気持ちを高めてから取り組ませることです。気持ちを高めないまま、ただ作業として行わせると、数学的な見方・考え方の育つ場面を奪うことになるからです。

そこで、子供の「調べたい」「確かめたい」という気持ちを高めるために、スクールプレゼンター(以下スクプレ)を使って、下記のような教材を作りました。

  • 画面をクリックすると、ランダムに階段状に並んだブロックを提示される。
  • 提示されてから2秒経つとブロックが灰色の長方形でほとんど隠れる。

このスクプレ教材を使うと、ブロックの段数を聞くだけで、そのブロックの周りの長さが瞬時に分かるという算数手品ができます。

もちろん教師はこの教材が「y=4x」で表せる事象であることを知っているため、ブロックの段数を聞くだけで周りの長さを答えることができるだけですが…。

しかし、子供たちにとっては、ブロックの周りの長さを数え終わってないのに、先生が瞬時に言い当てるので驚きです。そのため、「なぜ?」とやり方や理由を考えたり、「タネが分かったよ!」とやり方に気付いた子が元気よく手を挙げたりする姿を引き出すことができます。

授業の様子

まず、電子黒板に正方形ブロックを階段状に2段積んだ場面を提示し、次のように発問しました。

「このブロックの周りの長さはいくつですか?思った数を指で出しましょう。」

この教材を何度か教えたことがありますが、毎回、周りの長さではなくブロックの数を求めてしまう子が数人います。些細な勘違いですが、算数手品が始まると話について行けない可能性があります。そこで、授業の始めに確認する場面をとりました。

子供たちの指を見ると、「3」と「8」に分かれました。やはり、ブロックの数だと勘違いしている子がいたので、正解は「8」であることを図を使いながら確認しました。

次に、スクプレのランダムに動く画面を提示し、ストップのボタンを押してくれる人を募りました。たくさんの子が手を挙げている中からAさんに押してもらうことにしました。

Aさんがストップのボタンを押して、少し経つと、
「えー!!」と子供たちから驚きの声が上がりました。

「先生、見えなくなりました!」
「周りの長さを調べられません…」
とつぶやく声も聞こえます。

「今、何段なの?」と尋ねると、
「5段だけど…」と子供たちの返事を聞いてすぐ、
「じゃあ、20センチだね。」と言って、長方形をずらし、画面に描き込みながら周りの長さを子供たちと一緒に確認しました。

「本当に20センチだ!」
「なぜ分かるの?」
「もう一回、やってみて!」

算数手品の良さは、普段、教師側から「なぜ?」と問うと目を合わせてくれなくなる子供たちが、一変して子供自ら「なぜ?」と問い始めるところです。

次の12センチも、その次の36センチも、段の数だけ聞いて周りの長さを当てる先生の様子を見て、Bさんが「やり方、分かったんだけど…」と言いながら手を挙げたので、発表させました。

「やり方、分かったんだけど、『たて×4』で出せます。でも、なんで『4』なのかは考え中です。」

すると、Cさんは、「今、表に整理しているけど、『4』が見えるよ。」と説明しました。それを聞いて、みんなノートに向かって表を書き始めました…。

※教材の作り方~「タイマー」の活用~

  • 機能から「タイマー」と「ON-頁」、「アクション」を選び、キャンパスに配置

  • 「タイマー」のプロパティ

  • 「アクション」のプロパティ

上の教材は、階段状に並んだブロックを、提示されてから2秒経つと灰色の長方形がマスキングするように設定しています。これは「タイマー」の設定のお陰です。

やり方ですが、まず、編集画面で灰色の長方形をキャンパスに配置します。

次に、機能から「タイマー」と「ON-頁」、「アクション」を選び、キャンパスに配置します。

そして、次の順にリンクでつなぎます。
「ON-頁」→「タイマー」→「アクション」→灰色の長方形

つなぎ終わったら、下記のプロパティを開き、詳細を設定します。

  • 「タイマー」…実行のタブをクリックし、時間を「2秒」にして、「適用」にチェックを入れる。
  • 「アクション」…実行のタブをクリックし、「表示」にチェックを入れる。

どちらとも最後に、ウインドウの下部の「適用」のクリックを忘れないで行います。

もし、提示する間隔を長くしたい時は、時間を「4秒」や「7秒」に変えると変更できます。また、灰色の長方形を始めに提示し、時間が経ったら消したい時は、「アクション」の「非表示」にチェックを入れると変更できます。

関連するお勧め教材(「タイマー」を使った教材)

こちらも是非ダウンロードして使ってみてください。次回は、番外編として「GeoGebraを活用した算数授業」を取り上げます。お楽しみに!

※ダウンロードした教材は、スクールプレゼンターで開いてください。選択肢にスクールプレゼンターが無い場合は、下記の参考資料にあるURLから体験版をダウンロードしてください。
連載予定

本連載は2年目を迎えました。新年度からは下記を予定しています。乞うご期待!

第1~13回の一覧

第14回 番外編 GeoGebraを活用した算数授業:3年「円と球」
第15回 子供の問いを引き出す⑪ 動的提示(シミュレーション):3年「表とグラフ」
第16回 子供の問いを引き出す⑫ スポットライト提示2:3年「かけ算」
第17回 子供の問いを引き出す⑬ 算数手品2:4年「あまりのあるわり算」
第18回 子供の問いを引き出す⑭ 数字カード:6年「分数のかけ算」(整数作り)
第19回 子供の問いを引き出す⑮ 動的提示(シミュレーション2):5年「速さ」
第20回 子供の問いを引き出す⑯ 計算の仕方を引き出す提示:3年「1けたをかけるかけ算」
第21回 子供の問いを引き出す⑰ 図形の動的提示2:5年「図形の面積」
第22回 子供の問いを引き出す⑱ 図形の弁別:2年「三角形と四角形」
第23回 番外編 スクプレの文献

種市 芳丈(たねいち よしたけ)

南部町立名川南小学校 教頭
ICTを活用した算数授業に取り組んでいます。特に、「スクールプレゼンター」は10年以上使っていて、お気に入りのアプリの1つです。自分の作った教材が下記のサイトに約600ファイルほどあります。
スクールプレゼンター教材共有サイト「スクプレ道場

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