2023.12.13
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単学級小学校での学級経営の1年~12月の学級経営で大切にしたいこと(13)

年末が近づいてきました。「冬休みまであと〇日」というカウントダウンをしているのは、子どもたちだけではなく、先生方もそうかもしれません。1年の教育活動のうちの4分の3が終わることになります。少しずつ、年度末を見据えた動きにも取り組める余裕があれば...と思います。学級担任として、冬休みや年末に向けて確認しておきたい点を確認してみたいと思います。

北海道公立小学校 教諭 深見 智一

授業進度と授業時数

このような形で学習の進度(見通し)を児童や保護者にも伝えていました

本連載の「単学級小学校での学級経営の1年~学習指導で6月に大切にしたいこと~」でも取り上げましたが、単学級の小学校の場合、同一学年内に隣接する学級がないため、「うちのクラス、隣のクラスに比べて遅れている!」というのが児童や保護者にはなかなか気づかれにくいかもしれません。授業進度を比較されないことは、学級担任としてのプレッシャーを少し軽減することにつながりますが、だからといって、それに安心してもいられません。年度末ギリギリになって慌てるということのないように、計画的に取り組んでいきたいものです。

私は、学級通信や学級懇談の資料に、現在の進捗状況というのを掲載していました。冬休み前までには、ここまで学習する予定で、現在はこのあたりを学習しているということが分かるようにするためです。公開することで、児童および保護者に対する説明責任を果たすことができますし、自分自身への軽いプレッシャーにもなります。そこまで詳しく書かなくても、「予定通り進んでいます(終了しました)」などの言葉があると、保護者は安心するのではないかと思います。また、担任の先生が、年間指導計画に蛍光ペンでチェックしていくなど、「見える化」しておくことも有効だと思います。体育科の「保健」の学習や総合的な学習の時間などに組み込まれた「プログラミング」の学習は、忘れてしまいがちになることもありました。気をつけたいものです…。

また、学期末などに時数報告をする学校(自治体)もあると思います。届けている年間指導計画と大幅にズレがあると、どうしてそのようなズレが生じたのか説明が求められることもあります。年度途中で、体験学習を実施することになったり、教科横断的な学習を実施して単元の入れ替えがあったりするなど、合理的な説明ができるものであれば問題ありません。特定の教科をやりすぎていた、やり忘れていたということにならないように年度末に向けて計画的に取り組む必要もあります。

荷物の持ち帰り

北海道の場合は冬休み期間が長いため、冬休み前には夏休み前と同様に、学校で保管している学習用具を一度家に持ち帰ることが多くあります。学校によってもいろいろと考え方が異なるかもしれませんが、持ち帰る場合は、何を持ち帰るのか、いつから持ち帰るのか、持ち帰り用の袋は必要なのかなど、児童や保護者に早めにお知らせする必要もあります。

教室の整理整頓

勤務校では、「大掃除週間」という期間が設けられ、日常の清掃活動ではできない箇所を掃除することになっています。とくに、児童が学校に置いているものが保管されている場所は、意外にほこりがたまっているものです。年度末に教室を明け渡すときに、教室の後片付けに時間をとられすぎないようにするためにも、そのような大掃除週間などの機会を活用して、子どもたちにたくさん頑張ってもらうようにしてきました。仕事がたくさんあると暇を持て余す児童がいなくなります。そして、みんな一生懸命働いてくれると、たくさん褒めることができます。教師にとっても、子どもたちにとっても、結果的にはすごく良い結果となります。冬休み前の残りの期間、がんばりましょう!

深見 智一(ふかみ ともかず)

北海道公立小学校 教諭


書籍等で取り上げられることがあまり多くない1学年につき1学級の単学級の学級経営、複式学級の学級経営について、これまでの実践や量的調査の結果をもとに、効果的な実践例を発信していきたいと考えています。

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