2023.06.15
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単学級小学校での学級経営の1年~夏休み前の6月後半・7月に大切にしたいこと(4)

5月が終わった時点で、「夏休み前の半分が終わったんだ~」という喜びの声が職員室では聞こえてきました。6月に入り、夏休み前の残り1か月あまり、単学級の学級経営で振り返っておきたい点をご紹介したいと思います。

北海道公立小学校 教諭 深見 智一

学級目標、風景の一部になっていないでしょうか!?

4月に、学級目標(学級スローガンなど、呼び方はいろいろあるかと思います…)をつくった担任の先生もおられるかもしれません。
児童や学級担任がこんなクラスにしたい!という想いをもって作成されたことでしょう。児童が作成した旗や一文字ずつ書いて掲示しているという学級もあることと思います。

でも、時間が過ぎるにつれて、風景の一部になっていたり、「あれ、みんなで決めた目標、何だった?」と忘れてしまったりする子ども(もしかすると、教師側も…)もいるかもしれません…。決めた以上は、様々な機会を捉えて、子どもたちが立ち返れるような継続的な「働きかけ」が大切だと考えます。
自分たちで決めた学級目標に照らし合わせて、「今のクラスや自分たちの行動は、どうだろうか?」「今のままでいいのかな?」「もっとよくできるとしたら、何ができるかな?」と教師が意図的に問いかけ、学級目標の「実質化」を図っていくようにしたいと思います。

その時期は、今なのかな…と考えます。今であれば、子どもたちと見直しについての共通理解を図った後、実際の行動ができるチャンスがあるからです。
「次からどうする」ということを考えるのに学期末や年度末の振り返りは大切ですが、行動し直せるチャンスがある時期に振り返りをすることで、「今からどうする」というレベルで考えることができます。

キャリア・パスポートの活用も…

学級目標に立ち返ることと合わせて、児童一人一人のこれまでの学びも振り返ってみることができます。
多くの学校では、児童が持っているキャリア・パスポートに学期ごとの振り返りの用紙が準備されていると思います。また、担任の先生によっては、個人で「1学期の目標」や「毎月の目標」を立てている学級もあるかと思います。

こちらも、少し早めに振り返りを行うことで、「残りの期間で、もうちょっと頑張ってみよう」という動機づけになる可能性があります。
その際、可能であれば、児童一人一人の頑張りや課題を個別にフィードバックしていくと、より意味のある振り返りにできると考えます。方法としては、(時間があれば)キャリア・パスポートにメッセージを書くという方法が考えられますし、(時間がなければ)児童が提出した時に声かけをするという方法も考えられます。

あわせて、仕事術として通知表の所見に記載する内容の参考にもできるかもしれません。いまは前期・後期の2期制の学校も多いかと思いますが、全員の分とまではいかなくても、少しずつ所見の内容を決めていくことで、貯金を貯めておくことができます。そして、私自身がよく失敗することのあった「キャリア・パスポートに記入する(させる)の忘れていた!」という担任としての責任も確実に果たすことができます。
残り1か月、頑張っていきましょう!


深見 智一(ふかみ ともかず)

北海道公立小学校 教諭


書籍等で取り上げられることがあまり多くない1学年につき1学級の単学級の学級経営、複式学級の学級経営について、これまでの実践や量的調査の結果をもとに、効果的な実践例を発信していきたいと考えています。

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