2023.11.01
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単学級小学校での学級経営の1年~11月の学級経営で大切にしたいこと(11)

行事などが一段落すると、校内の授業研究会が多く行われる時期となります。自分が担任していない学級の参観に行くと、「自分の学級と比べると...」という視点で新鮮に学級の様子を見ることができます。1学年につき1学級の単学級小学校の場合、同一学年内で比べる対象がないため、他の学年に行って授業参観することは、学級の成熟度合いを確かめるという面でも大切なことだと感じます。そんなとき、自分の学級が「うまくいっていないな」とうすうす気づいたなら、まだ手の打ちようがあります。ピンチは、チャンスです。その方法を考えたいと思います。

北海道公立小学校 教諭 深見 智一

その2 学級のすべての子どもたちと話す機会を意図的につくる

前回「単学級小学校での学級経営の1年~10月の学級経営で大切にしたいこと(9)」は、その1として「授業準備」について取り上げました。今回は、年度途中に子どもとの関係を再構築するという状況を想定して、子どもとの関わり方、とくに「子どもたちと話す機会を増やす」ということを中心に考えたいと思います。

一般的に、単学級の小学校というと、「児童数の少ない学校」と思われがちです。しかし、2学級にはならないものの、学級編成の標準ぎりぎりの人数(地方自治体の独自の施策がない場合は、35人or40人)という単学級の小学校も意外に多いようです。また、特別支援学級に在籍している児童が交流の学習を行う学級では、35人や40人を上回る児童が教室にいることもあります。

いずれにしても、学級担任一人が数十人の児童とコミュニケーションを十分にとるには、「関わろう!」という意識がないと、偏りが生じてしまったり、あっという間に時間が過ぎていってしまったりするものです。


(1)授業中のコミュニケーション

学校生活の大部分は、授業です。そのなかで、簡単にできる子どもとのコミュニケーションの一つが「○つけ」だと思っています。もちろん、いろいろな授業スタイルがあると思いますが、例えば、算数の時間など練習問題に取り組んだときに、「1問だけ先生が○つけをします」「○問目が終わった人は先生がチェックします」と言って、子どもたちがノートを教員のところに持ってくるような場面を設けます。たくさんの○つけをする必要があるので可能な限り急ぎながらも、「よくできているね」「いいね!」「よし!」などという短いコミュニケーションをとれる場面を創り出すことができます。また、特別に配慮が必要と思うような児童がいる時には、「昨日、調子悪かったけど、今日は大丈夫?」とか、「さっき保健室に行っていたけど、その後はどう?」と短く話しかけることもできます。同様のことは、学習中の「机間指導」の時にもできると思います。授業場面だと確実に全員とコミュニケーションをとることができます。

授業全体の円滑な進行に差し障りのないようにする必要はありますが、授業中に短く声をかけるということは、準備も手間も要らないという点で「高コスパ」な取組です。ただ、大切なのは意図的にやらなければならないということです。

(2)授業時間以外のコミュニケーション

子ども同士のコミュニケーションのために行っている朝の会の活動は、教師と子どもとのコミュニケーションにも役立つと考えています。

「先生がみんなに聞く(みんなと話す)今週のテーマ」というのを決めて、休み時間や給食・掃除の準備時間などに子どもたちに話しかけます。例えば、「最近食べたおいしかったもの」というようなテーマです。時間があるときに思い出してメモしておきます。そうすると、「まだ、この子に聞いていないな…」というのもパッと分かります。これは、学級開きの時期によくやったり、教育実習生が来たときに勧めたりしていることです。確実に話す機会がつくられますし、それをきっかけに子ども同士で話が広がったり、次に声をかける時のネタにもなったりします。私の場合は、朝の会で子ども同士が行っていたペア・トークと連動させて取り組んでいることもありました。やはり、大切なのは確実に漏れなく声をかけようというという意識です。

(3)個人面談

インフォーマルなコミュニケーションだけではなく、定期的な個人面談もコミュニケーションの一つです。学校全体で計画されているようなものもあるかもしれませんが、それとは別に、私は不定期(2か月に1回くらい)で短い面談を行うことがありました。教室に丸椅子を2つ置いておき、廊下で2~3分お話しするというような軽い感じです。「最近、どう?」というような会話で、ただの世間話で終わるような児童もいましたが、セーフティーネットの役割もあるので、それでも全然OK!と思うことが大切です。時々ですが、「本当に困ってることがあって…」ということが分かることもあるので、もれなく全員にということに意味があるのだと考えます。

また、個人面談の方法も、教員と児童が1対1というスタイルだけではなく、教員2人と話すことができるようにしたり、担任以外の教員とも個人面談を行ったりするスタイルもあります。

時間のかかることもありますが、手がまだ打てるときに予防的にどんどん策を講じていくことで、年度の後半の安定した学級経営につながっていくと信じています。ともに頑張りましょう!

深見 智一(ふかみ ともかず)

北海道公立小学校 教諭


書籍等で取り上げられることがあまり多くない1学年につき1学級の単学級の学級経営、複式学級の学級経営について、これまでの実践や量的調査の結果をもとに、効果的な実践例を発信していきたいと考えています。

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