2017.05.05
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4D授業を目指して③〜1Dとは?(3)

みなさんの授業は4Dになっていますか?

Dではありませんか?それとも2D?3D

Dとはなんのことでしょうか?

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

前回、アクティブ・ラーニングという言葉が出て以来、一斉授業が悪のように扱われると書きました。1D=一斉授業と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本当に一斉授業は悪なのでしょうか。

「しくじり先生」というテレビ番組がありますが、みなさん知っていますか?

これまでの「しくじり体験」を伝え、その中から教訓を学ぶという番組です。

このとき、子ども役の芸能人は座ったまま、教師役の芸能人の話を聞いています。

基本的には教師が一方的に話をします。

そして配布された教科書を見ながら、進んでいきます。

教師が一方的に話をしている一斉授業です。

しかし、児童役のどの芸能人も目を輝かせ、笑顔になったり、つぶやきが聞こえたりと、アクティブになっています。

つまり1Dであっても、

・教師からの指導言

・教材

・授業展開

などに応じて、子どもたちをアクティブにすることができます。

「アクティブ・ラーニング」というキーワードが出てきて以来、ただグループ学習をすればいいとった誤解がひろまったように思います。

さて話は変わるのだが、先日、校内研究会で1年生の算数授業で指導助言としてよばれたとき、次のようなことがありました。

授業中「手を膝の上において、話をききましょう。」

協議会「うちの子どもたちノートがなかなか書けないんです。」

思わずツッコミを入れたくなりました。

みなさんもツッコミを入れたくないですか?

そりゃそうでしょ。だって手を膝の上に置いているわけだから、ノートは書けないでしょ。

それならノートを書く時間を確保してあげましょう。

でもそうなると

「ノートに何を書かせるのですか?」と質問をされます。

「黒板に書いているのを写すのですか?」という子どもがよくいます。

この子の気持ちを考えてみてほしい。

そういった子たちの気持ちを正確に聞いたことがないから、わからないところもありますが、

・どうして黒板を書かないといけないのだろう・・・

・めんどくさいな~

といったマイナスの気持ちの方が多いのではないかと想像する。

もしプラスな言い方であれば、

「先生、黒板書いていいですか?」

というように聞き方が異なるはずです。

どうしてマイナスな気持ちになるかといえば、ノートに写すという必要性を感じていないからです。

教科書に載っている知識だけが羅列されたような板書であれば、教科書を見ればいいのです。

最近ニュースで大学生が講義後に板書をスマホで写真を撮るという記事を見ました。

これは大学生に限らず、教員の世界でも同じことが言えます。

研究会で研究授業で行われたあと、板書を写真に撮られる方がいます。

講演会などで前に映し出される資料を写真に撮られる方もいます

こういったことに賛否両論ありますが、基本的に私は賛成の立場です。

こんな板書であれば、こんな資料であれば「どうぞどうぞ」というのが私のスタンスです。

ただSNSなどでアップするのはやめてほしい。

ただ、写真を撮られない方もいる。大学生の場合も同様だろう。

写真を撮る方には、写真を撮るという「必要感」がきっとそこにあるはずである。

大学生も「テストに出るからそのために!」という必要感があるから、撮っているのではないでしょうか。ただ、それを有効利用しているかは別として・・・。

続く

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樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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