2020.02.20
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戦略的思考〜授業モードを途切れさせるな!〜(8)

今期も担当させていただくことになりました。が、今期の連載で私の連載も最終になります。今期は「戦略的思考」をテーマに、学級づくり・授業づくりについて綴っていきます。深い学びを実現するにも、より良い学級を実現するためにも
「戦略的思考」は必要不可欠です。

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※戦略的思考の書籍化のオファー、待っています!

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

星野さん「先生、問題を解いたので本を読んでいいですか」
4年生を担任しているとき、算数の授業開きで言われたことです。星野さんだけでなく、多くの子が右のように質問をしてきました。前年の先生が、どの教科でも問題を解いた後は本を読むことを認めていたのです。みなさんならどう答えますか。

私は基本的には問題を早く解いた人に読書をさせるということには反対です。
“基本的に”です。助け合うことが厳しい場面では読書をさせるときがあります。例えば図工で彫刻刀を使い版画を作っている時には、安全面を考えて助け合いをさせません。そういった時は読書をさせることもあります。

算数をしていて、読書の世界に入って、また算数に戻る……。う〜ん……。
算数より読書の方が楽しいと感じる子もいることでしょう。ハリーポッターなどの名著のおもしろさに勝てるのなら読書をさせてもいいかもしれません。が、基本的には負けますよね。読書を認めると、「読書をしたい」と思い始め、授業に集中できなくなるかもしれません。私はこのとき星野さんには、
「思考が途切れてしまうから、やめよう!」と伝えました。

これまでの戦略をお読みになり、みなさんもお気付きのはずです。早く終わっても、読書をしている暇なんかないはずです。終わった子は、まだ悩んでいる子のサポートをしたり、忙しいはずです。そういった関係を築くきっかけを読書により手放すのはもったいないと思いませんか。自分だけが解き、読書をするのなら学校に来なくても、通信教育や勉強サプリを見て勉強すればいいのです。むしろそっちの方がより学習を進めることができるかもしれません。

では、学校という場で学ぶ意味はなんでしょうか。私は、
自分とは異なる人たちと同じ学級の仲間として学ぶということだと思っています。同じ学級の仲間として学んでいても、うまくいくこと・うまくいかないこと、成功すること・失敗すること、喧嘩をすることもあることでしょう。助け合うこともあるでしょう。自分が苦手なことをカバーしてくれることもあるでしょう。そういった経験が成長させてくれます。

自力解決を行なったとき、早くできる子・できない子の「差」が生まれしまい、スキマ時間が生まれてしまいます。スキマ時間ができると「手遊び」をしてしまう子やすぐに「おしゃべり」をしてしまう子や、ボーッとしてしまう子が生まれてしまいます。一見、本を読むことで「差」をなくしているように見えるかもしれません。時間差は確かになくなっているのかもしれません。
でも、根本的な差の解消にはつながっていません。
ただ、最初は上手く説明をしあうことができないということもあります。だから、「長期的」に見てあげてください。待ってあげてください。「待つ」ということも大切です。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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