2020.01.31
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戦略的思考〜失敗をしてもいいから、子供に任せよう〜(7)

今期も担当させていただくことになりました。が、今期の連載で私の連載も最終になります。今期は「戦略的思考」をテーマに、学級づくり・授業づくりについて綴っていきます。深い学びを実現するにも、より良い学級を実現するためにも
「戦略的思考」は必要不可欠です。

ブログ毎日更新中 

※戦略的思考の書籍化のオファー、待っています!

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

(子どもの苗字は全て仮名です)
先生「じゃあ、今から全体で考えを共有します」
白石さん「先生、ちょっと待ってよ。まだ西野さんができていないから、もうちょっと時間をください」
と白石さんのように提案されたらどうしますか。「いや、もう全体で考えよう」と言いますか。白石さんたちは、西野さんにわかってもらおうと必死に話し合っています。1時間の授業のゴールはもちろん決まっています。私ならとにかく頭をフル回転にして、
その提案をうけたときのメリットやデメリットを考えます。

  • 全体で考えても同様の効果はあるのか、ないのか
  • 時間がおしても、今後の単元で取り戻せるのか
  • 西野さんの性格から考えて子供に任せた方がいいのか
  • 残りの時間で違うアプローチができるのか
  • 他のグループはその時間に何をするのか

などを考えた上で、その提案にのるのかを判断します。子供たちが言ってきたこと全てにのるということではありません。しっかりこっち側が判断する必要があります。

子供たちが何か提案してくるときは、何か楽をしよう、子供たちにとって都合の良いようにする提案の場合もあります。

提案にのるということは、子供に任せないといけません。子供に任せたからには、「責任は全て先生がとるから、自由に思い切りやるんだ!」といった男前の心意気を持っておきましょう。

子供たちに任せたときには、失敗することやうまくいかないこともあります。教師が介入した方が効率的なこともあります。

そんなとき「やっぱり任せるのではなかった」と思うことはやめましょう。基本的には子供は失敗するものです。うまくいかないのが当たり前ですだからうまくいけば、丸儲け。

そんな気持ちでいましょう。そして、失敗しそうだな、うまくいかなさそうだなと言うときはさりげなく陰からサポートし、あたかも自分たちの力でできたと思えるようにしましょう。

自由とは、あくまで先生の手の上での自由です。よく自由というと、何をしてもいいんだと思ってしまう人がいますが、人はある程度の制限があってこそ、より自由にできるものです。 

主体的・対話的で深い学びの実現には、「全員参加」「全員理解」のためには、学習者がアクティブラーナーにならないといけません。簡単にいえば、大きな壁に出会ったときにアクティブに、様々な方法を使って、乗り越えるまたはぶち壊すなどで壁の向こう側に行くということです。

そのために、先生からの指示で動くのではなく、自分たちで動き出せるように「子供に任せる」という戦略は大切です。指示待ち人間からの脱却をするためにも子供に任せましょう。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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