2017.02.24
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お悩み相談「もっと授業が上手になりたいです。どうしたらいいですか?⑤」(9)

授業が上手になるための方法とは?

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

前回の続きです。

⑤「トライ&エラー」

みなさんは今何かに挑戦していますか?

今年、某携帯電話のCMで「やってみよう」という曲が使われています。

お正月からCMが流れていたため、この曲を耳にしたという方も多いのではないでしょうか。

この曲を聴いたとき、わたしの好きなバンドWANIMAが歌っていたので

とてもテンションがあがりましたが、それ以上にこの曲の歌詞に共感しました。

私がいつも大切にしていることを表現しているため、私のために書いてくれたのかなと思うぐらいの歌詞でした。

(是非、歌詞検索をしてみてください。)

「やってみよう」となんでも新しいことをしてみたくなるようなそんな歌詞です。

新しいことに挑戦することは勇気のいることです。

失敗を恐れて挑戦しないという選択をする方が多いかもしれません。

でも、初めて挑戦することで失敗をしないというほうが少ないのかもしれません。

これは授業づくりにもいえることだと思います。

研究会やセミナー、教育書から学んだことを自分のクラスでもトライしてみましょう。

うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。

うまくいかないことがあっても、何度でも何度でもトライしてみるのです。

失敗やエラーを恐れて、何もトライしなくては、何も変わりません。

前回に書いたように、私が毎年多くの公開授業や研究授業を行うのは

この「トライ」することにつながります。

同じ学習のことで授業を行いません。

新しい教材や新しい学習活動などにトライしています。

トライしなくなったときは、学級担任から卒業しようと思ったことも昔ありました。

トライしたことがすべてうまくいけばいいのですが、

人生そんなにうまくいきません。

うまくいかなった、つまりエラーの方が圧倒的に多いです。

大事なことはエラーが起こったときに

「自分のクラスで無理だった」

「紹介してくれた◯◯先生だからできるんだよ。」

と終わるのではなく、

「どうして無理だったのか」

を考えることが大事です。

今年、私は1年生の担任をしています。

国語「たぬきの糸車」を学習しているときに、

「たぬきはなぜ糸車をまわしていたのか」という課題で

①糸車を回すのが楽しいから

②おかみさんに恩返しをしたいから

の2チームに分かれて、ディベートにトライしようと考えました。

子どもたちはそれぞれのチームに分かれ、自分の考えを必死に書きました。

しかし実際に行うと、重たい雰囲気が流れました。

授業後、どうして重たい雰囲気になってしまったか、ふりかえりました。

するとトライする前には見えてこなかった不足している手立ての部分が見えてきました。

次に1年生でディベートにトライをするときは、この不足していた手立てをしっかり行おうと思っています。

それでも、次にディベートを行ったときに、新たなエラーがでてくるかもしれません。

それでも構いません。またそのエラーについて考えたらいいからです。

最初から授業が上手な教師はいません。

トライ&エラーを繰り返していく中で、上達していくのではないでしょうか。

私はそう信じて、明日からもトライ&エラーの気持ちで取り組んでいきます。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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