2017.02.07
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お悩み相談「もっと授業が上手になりたいです。どうしたらいいですか?④」(8)

授業が上手になるための方法とは?

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

前回の続きです。

④ 「公開授業や研究授業をする」

みなさんは公開授業や研究授業を年何回行っていますか?

2016年、私は8本の公開授業や研究授業をさせていただきました。

ここ数年は毎年5回以上させていただいています。

とてもありがたいことです。

「え!?そんなにしているの?」と思われたかもしれませんが、

「基本的に立候補できるものは、なんでも立候補する」

「断らない」

というのが私のスタイルです。

こんな状況が職場にありませんか?

校内の研究授業者を決めるときに押し付け合いになっている

という状況です。私は出会ったことがあります。

私は不思議なことに、1年目から授業者になりたくないと思ったことがありません。

自分に力があるからとかは思っていなく、指導案を書きながら、

(どうして引き受けてしまったんだろう・・・)(しんどいな〜)

(協議会で何を聞かれるかな〜。答えることができなかったら恥ずかしいな〜)

と若手の頃は毎回苦しい思いをしていました。

それでも引き受けるのだから、不思議なものでした笑

研究授業はどうしても大変だというイメージがあります。

確かに指導案を書いたり、授業の内容を考えたりしないといけないため、

普段より大変なことでしょう。

ただ、研究授業について考えるときは、

「0からすべてを考えはじめる」というわけではないはずです。

研究目標は学校として、日々の教育活動の中に位置づいています。

つまり普段の授業から研究目標を意識して行われていないといけません。

「話し合い」がテーマであれば、普段から

目の前の子どもたちの実態に応じた「話し合い」

をしておくということです。

だから研究授業のときだけに、研究目標のために何かをするというわけではありません。

つまり研究授業のときだけ、普段の授業とは違った特別なことをするのではありません。

これは参観授業でも同じことが言えると思います。

先輩に

「参観、公開、研究授業で特別なことをすると思うな。

 普段から特別なことをしなさい。

 参観、公開、研究授業で特別なことをするから、子どもたちがいつも通りに 

 できないんだよ。

 普段から特別なことをしたら、いつも通りの授業になるよ。」

とアドバイスされたことがあります。確かにその通りだなと思いました。

「子どもたちが緊張していたから〜」「教師の緊張が子どもにうつった〜」

という話を協議会で聞くことがあります。

実際は普段と違った特別なことをするから、子どもたちはいつも通りにできないのだなと私は思うようになりました。

さて話を変えますが、「なぜ私は授業者に立候補するのでしょうか。」

それは公開授業や研究授業をするよさがあるからです。

公開授業や研究授業は「授業者が1番ためになる」からです。

なんだあたり前のことかと思われたかもしれませんが、

・自分のクラスの状況

・自分の指導法

・自分の教材解釈

などについて客観的にご意見をいただくことができます。

これは何より自分のためになります。

私はメタ認知の力がまだまだ未熟なようです。

ですので、こういった御意見がとてもありがたいのです。

よく「樋口先生、勉強されているから、私なんかが言っても・・・」と意見を言われることを恐縮される方がいますが、私は経験年数関係なく言っていただくことすべてが勉強になります。

大事なことは研究授業や公開授業の回数ではありません。

行った授業をふりかえるということが大切です。

公開授業や研究授業をしなくても週に1回自分の授業をビデオに録り、

それを見て、自分自身でふりかえりをする

これだけでも大きな勉強になり、授業改善になります。

私は今週に1回ビデオにとり、通勤の中で見るようにしています。

最初はお酒なしでは自分の授業をみることはできませんでした笑

話し方であったり、視線であったりと自分の癖が見えてきます。

見えてきたことを改善するように努力をするのです。

日々、授業改善をしていくこと。これが授業が上手になるための秘訣ではないでしょうか。

続く

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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