2026.03.03
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総合的な学習の時間の取り組み ~4年生「中庭改造隊」と作るみんなが楽しく過ごせる学校~(6)

前回に引き続き、令和7年度に担任をしている4年生の子どもたちと進めている「総合的な学習の時間」での学びの様子を紹介します。

明石市立鳥羽小学校 教諭 友弘 敬之

1学期の課題形成から2学期「中庭改造隊」の活動開始まで

用務員さんへ質問する様子

1学期に大きな課題「みんなが楽しく過ごせる学校を創ろう」が形成されました。2学期に入り、3つのプロジェクトに分かれての活動が始まりました。私は主に「中庭改造隊」というチームに属しているので、その学びの様子を中心に記述します。
子どもたちは中庭をみんなが楽しく過ごせる場とするために、「何ができて、何ができないかをある程度はっきりさせたい」という思いを抱きました。そこで、中庭の管理に一番携わっている用務員さんへインタビューを行う流れとなりました。

用務員さんへのインタビューで明らかになった中庭の事実と着想

用務員さんへの質問をまとめた板書

10月半ば。用務員さんを教室へ招いてのインタビュータイムです。子どもたちの関心は、「池につながるパイプはまだ水が循環するのか?」「なぜあんなに木が植えてあるのか?」という池や植物に関することが中心でした。
いざ、インタビューが始まると、さまざまなことが新たに分かりました。例えば、「池のパイプは地中深くを通っており、阪神・淡路大震災でズレてしまったため、今は水が循環させられないこと」。「新しい木を植えたとしても、育つまでに数十年かかること」などがはっきりしました。
その中で、ある子が「夏の中庭は暑くて遊んだり過ごしたりすることができない。日陰になるようなものを作りたいのだけれど、可能ですか?」と、質問しました。この質問に対して、「サンシェードなどは、工夫すると作れるかもしれないね」と、返事をいただきました。こうして、新しい着想を得て、用務員さんへのインタビューは終わりました。

納得解を見出すための粘り強い対話と校長先生への提案準備

 

校長先生へ提案する内容を整理した板書

次はいよいよ校長先生への提案です。しかし、すぐに提案できるわけではなく、「何を提案したいのか」を整理することに時間を要しました。ある子の願いは「大きなジャングルジムを作りたい」。すると別の子が「どうして用務員さんへのインタビューの時に、話題にしなかったのか。その時なら、実現のアイデアが浮かんだかもしれないのに」と応じるなど、何度も対話を重ねていました。また、ある子は、「僕はどうしても池を復活させて、生き物を飼いたいな」という願いを捨てきれない様子でした。こうした対話が約3週間ほど続いたのでした。

担当する私としては、この時間がある意味で一番楽しく、探究には欠かせない場面だと感じました。「何も決まらず、もどかしい時間」をみんなで共有し、新しい解を見出すことは、子どもたちの将来に必要です。教員こそがVUCA(先行きが不透明な時代)を生きる力を培っていかないといけないとも感じました。
「こうしたらいいんじゃない?」と、道を示すことは容易で、手っ取り早いものです。しかし、その一言の中に埋もれる子どもの思いこそが、総合的な学習の時間には大切です。だからこそ、合意が形成できるまで待ち続けることを大切にしています。

さて、ようやく子どもたちの考えもまとまってきました。実現可能性を考慮して3つの活動を実施していくことになりました。

まずは、中庭に人が集まって楽しめる場を作る「遊具チーム」です。中庭の木を利用してクリスマスツリーのような飾りつけをしたいと考えています。参加者を募ってお絵描きイベントを実施し、描いた絵を木に結ぶことでかわいい中庭を作ろうと考えていました。

次に、植物に興味をもってもらう「お花チーム」です。新しい花を植えて中庭を華やかにしたいと考えています。「ハチが寄ってきにくい花」や「花の種類を知らせる看板」など、低学年にも喜んでもらえる工夫を考えていました。

そして、暑さをしのぐ「サンシェードチーム」です。中庭に大きな屋根を作って夏の暑い日差しを軽減しようと計画しています。「素材を何にするのか」「買わなくてもよい方法はないか」と、知恵を絞っていました。

この3つの活動を携え、校長先生に提案を行います。校長先生がどういった反応をするのか、子どもたちのどきどき、わくわくが感じられる様子でした。

子どもの思いを信じて「待つ」大切さ

「待つ」というのは複雑な洞察を含む教師の技術の一つです。総合的な学習の時間では、子どものアイデアが行きつ戻りつする様子を待ち続けることも教師の仕事です。そこには、子どもを信じて任せてみるという、教師としての「観」が関わってくるでしょう。答えを出すことだけでなく、答えの前でうろうろと歩き回れることも、これからの時代を生き抜くために必要な力だと考えています。

次回は、いよいよ校長先生へ活動アイデアを提案するフェーズです。

友弘 敬之(ともひろ たかゆき)

明石市立鳥羽小学校 教諭


「単元学習」をテーマに学び続けてきました。その中で、「学習デザイン」「実の場」「問い」と、興味を広げてきました。今は「そもそも学びってなんだろう?」という問いと向き合っています。それは、子どもの学びだけではなく、教師としての、また大人としての学びも含みます。この学びの場を通して、私の問いを解決していきたいです。

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