5年生算数「小数と整数」における数学的な見方、考え方(1)
算数・数学科でよく言われる「数学的な見方・考え方」は、小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編に示されています。
具体的には「事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え,根拠を基に筋道を立てて考え,統合的・発展的に考えること」とされています。
今回は、5年生の単元「小数と整数」において、数学的な見方・考え方がはたらいている児童の具体的な姿を考察します。
東京都品川区立学校 平野 正隆
算数科の「数学的な見方・考え方」の定義と分かりやすい意味
「数学的な見方・考え方」を分かりやすく言えば、ものごとを算数・数学的に捉えたとき、「どのように対象を見るか、どこに着目するか(見方)」と「どのように筋道立てて考えるか、考えを広げたり深めたりするか(考え方)」ということです。
・見方=何に目をつけるか
数量なら大きさ・数・量、図形なら形・位置・構造、関係なら比例・変化・対応などに着目することです。具体的な例としては、速さの問題で「距離と時間の関係」に注目することが挙げられます。
・考え方=筋道立てて考える
言い換えると、「理由をはっきりさせて考えること」です。根拠をもとに説明したり、式や図を使って考えたことを表現したり、「なぜその方法なのか」「次に何をするのか」を明確にしながら順序立てて考えたりします。具体的には、文章題において「なぜその式になるのか」を、図や表を用いて説明することが挙げられます。
・考え方=統合的・発展的に考える
既習と結び付けて(統合して)考えたり、別の場面でも使えるようにして(発展させて)考えたりすることです。例えば、「この考え方は他の問題でも使えるだろうか」と考え、学びを広げていくことが挙げられます。
第5学年「小数と整数」の学習で働く数学的な見方・考え方
以上のことを踏まえ、本単元における「数学的な見方・考え方」を考察します。本単元は、第5学年の年度初めに設定されるA領域「数と計算」の学習であり、数の仕組みや計算の仕方を学ぶ領域です。ここでは、「数の意味や計算の仕組みを理解する力」を育てます。
■数学的な見方
・位取り(十進位取り記数法)に着目する見方
「10倍、100倍、1/10、1/100にすると位の数字はどのように動くのだろうか」「数字をそろえて書くと、小数点の位置はどのように変わるのだろうか」と考えます。
・数の大きさや関係に着目する見方
「0.1が10個で1、0.01が10個で0.1ということは、0.01を100倍するとどうなるのだろうか」と考えます。
・同じ仕組みとして統一的に見る見方
「整数も小数も、10個ずつで位が変わるという点で同じ仕組みではないか」と捉えます。
・表現に着目する見方
「数の仕組みを図で表すとどうなるのか」「10倍、100倍、1/10、1/100などの関係を式で表すことはできないか」と考えます。
■数学的な考え方
・既習に基づいて考える(類推)
「整数で学習したことと同じように考えられる」「これまでの10倍や1/10の考え方を使うことができる」と考えます。
・単位に着目して考える
「1/10の位は0.1がいくつ分かを表しているので、0.01を一つの単位として見るとどうなるか」と考えます。
・変化や規則を見つけて考える
「10倍、100倍とすると位が左に移動し、1/10、1/100とすると右に移動する」といった規則性に気付きます。
・筋道立てて説明する(論理的に考える)
「125の1/10は、100÷10=10、20÷10=2、5÷10=0.5なので、10+2+0.5=12.5となる」といったように、根拠を明確にしながら説明します。
・表現しながら考える
「図や式、言葉を用いて数の仕組みを表すことで、自分の考えを整理する」といった姿です。
・発展的に考える
「小数の計算も整数と同じように考えられるのではないか」と、学習内容を他の場面に広げていきます。
次回は、具体的な実践をもとに、児童が数学的な見方・考え方をはたらかせている場面を紹介します。

平野 正隆(ひらの まさたか)
東京都品川区立学校
研究会での実践報告や校内での若手教員育成などの経験を通して、自分の経験や実践が広く皆様のお役に立てるのではないかと考えております。大人・子どもに関わらず、「明日から頑張れそうです」「明日が来るのが楽しみです」と言ってもらえるのが私の喜びです。
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