総合的な学習の時間 ~プロジェクト型学習で進めた小学校4年生の実践~(4)
今回は、今年度(令和7年度)の第4学年の子どもたちと創っている「総合的な学習の時間」での学びの様子を紹介します。以前、1学期に課題を形成したところまで記述しましたが、今回はその後となります。
明石市立鳥羽小学校 教諭 友弘 敬之
形成された課題
以前記述した通り、4年生の子どもたちと対話していく過程で、学年としての「大きな課題」が形成されました。それが「鳥羽小学校をよりよくしていこう!」という課題です。この課題を具体化していくために、「中庭改造隊」「遊具造設隊」「リラックスチーム」の3つのプロジェクトが立ち上がりました。
2学期は、これら3つのプロジェクトを基に学年を解体し、自分で取り組みたいプロジェクトを選択できる環境を設定しました。
3つのプロジェクトの始動
いよいよ3つのプロジェクトに分かれて学習が始まりました。私は「中庭改造隊」を担当したので、主にそのプロジェクトでの学習活動を記述します。
3つのプロジェクトに共通して、まず問うたことは「このプロジェクトでの目的は何か?」ということです。「中庭改造隊」では、「私たちの夢を語り合おう!」という課題を提示し、それぞれがこのプロジェクトで成し遂げたいことを「夢」という言葉で語り合う時間を設けました。
その内容は、大きく2つに分類されました。1つは、中庭を安全に、怪我なく遊べる空間にしたいということ。もう1つは、中庭の自然に興味をもってもらいたいということでした。これらを踏まえ、このプロジェクトでは「自然を守りながら安全に遊べる空間を創る!」を目的として設定しました。
子どもたちは、「大きな木の滑り台を創って遊べる場所にしたい」「それだったら巨大なトランポリンもいいね」と、まさに夢を語り合っていました。一方で「そうはいっても、怪我したら誰も責任取れない」「お金がとってもかかるんじゃないかな…?」と、現実を突きつけあう場面もありました。
また、「生き物に興味をもってもらえると理科の学習が好きな人が増えるかもしれないね」「過ごし方を選べる心地よい空間にしたい」という思いも共有されました。
こういった過程を経て、プロジェクトが少しずつ動き出していきました。
「中庭改造隊」の活動計画を立てる
目的が決まってからは、活動の計画を立てる運びとなりました。教師が「どんなことしないといけないかな?」と、問いかけると、さまざまなアイデアが出されました。
「まず何をするかを決めないといけないね」
「何をするかが決まったら、チームに分かれる必要があるかな?」
「でも予算はどうなるの?お金がかかるかもしれないよ…?」
「そもそも、学校をよくする事自体を行ってもいいのか確認しないといけないんじゃないかな?」
「それだったら、校長先生に許可を取らないといけないね」
という対話が続き、話が広がっていきました。
結果的に、「中庭を改造してもよいかどうかを校長先生へ確認しないといけない」と話がまとまり、校長先生と対話するためのアポイントメントを取りに行くことになりました。
校長先生への確認と許可

校長先生へ許可を取る様子
許可が必要であると話題にしてからは行動が早く、その足で数名の子どもが校長室へと向かいました。その中で実際に対話する日程を校長先生と設定することができました。
9月の最終日、「中庭改造隊」のメンバーの一部が校長先生の部屋を訪れました(図3)。校長先生には大まかな内容を伝えて対話に臨みました。案の定、「具体的にどのようなことがしたいのかがわかると、許可がしやすいです」と、意見をいただきました。さらに、「改めて詳細を提案してもらえるとありがたい」と、校長先生からプレゼンテーションをしてほしいとの要望もありました。
対話をして分かったことを、教室で待つほかのメンバーと共有し、次の活動が決まりました。それは、「校長先生へ自分たちのプロジェクトを提案しよう!」というものです。
次は、校長先生へ提案するために情報を収集し、整理し、まとめていく様子をお伝えできればと考えております。
今後も数回に分けて2学期の総合の様子を記載しますので、少しずつ全貌を把握していただければ幸いです。

友弘 敬之(ともひろ たかゆき)
明石市立鳥羽小学校 教諭
「単元学習」をテーマに学び続けてきました。その中で、「学習デザイン」「実の場」「問い」と、興味を広げてきました。今は「そもそも学びってなんだろう?」という問いと向き合っています。それは、子どもの学びだけではなく、教師としての、また大人としての学びも含みます。この学びの場を通して、私の問いを解決していきたいです。
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