ゲストティーチャーとの連携で本物から学ぶ豊かな授業づくり
これまで多くの方を教室にお招きして特別授業を行ってきました。
それは、「子どもたちに本物に触れさせたい!」という願いからです。
教室での授業では、体験することに限界があります。
そこで、ゲストを呼ぶことで学習内容がよりリアルに感じられるのではないかとも考えています。
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一
多くのゲストを教室に呼び、本物に触れる特別授業を実践する
東日本大震災で被災された方、地域で活躍する防災士、盆栽職人、地域の農家の方々。各分野で活躍する方から直接指導を受け、子どもたちと学んできました。
以前、元文部科学省の審議官で、総合的な学習の時間の創設にも尽力された寺脇研さんにも教室に来ていただいたことがあります。子どもたちの発表を聞き、温かいコメントをいただきました。
どの方も子どもたちのために採算を度外視して、授業に協力してくださいます。大変ありがたいことです。そのおかげでいつも授業が豊かになっています。
普段は担任だけでは教えられないことも、ゲストティーチャーと協力することで教えることができます。ということで、私の持ち味の一つは、ゲストティーチャーとの連携です。
特に東日本大震災の被災地の方を招いた授業は毎年実施しています。新聞記事などを使って学習していますが、やはり当事者から話を聞くことで、リアルな現実を感じとっているようです。
宮城県石巻市の大川小学校でお子さんを亡くした保護者の方や、幼稚園で園バスが津波に巻き込まれてお子さんを亡くした方。現在は語り部として命の大切さを伝えている方々に、子どもたちに話をしていただいたこともあります。
ゲストティーチャーとの連携は、子どもたちの学習に深みを与えてくれます。私にとってなくてはならない授業づくりの方策です。
大崎事件の弁護団共同代表・鴨志田祐美弁護士との出会い

講演をする鴨志田弁護士
次にぜひ教室にお呼びしたいと考えているのが、京都の鴨志田祐美弁護士です。昨今の話題となっている法制審の審議委員であり、冤罪事件の弁護団の共同代表も務めていらっしゃいます。
鴨志田先生には、以前、法律関係の講演会で大崎事件について教えていただき、そのご縁で詳しくお話を伺うようになりました。私自身も冤罪事件や再審法改正に関心を持ち、進んで調べるようになりました。
現在、鴨志田弁護士が全力で取り組んでいるのが、鹿児島の大崎事件の再審請求です。大崎事件とは当時の鹿児島県大崎町で起こった事件で、当時犯人とされた女性が服役を終え、98歳になった今も一貫して無実を訴えています。
鴨志田弁護士は、第2次再審請求から関わり、現在は弁護団の共同代表を務めています。私は第4次再審請求が行われている時に、鴨志田弁護士の講演で活動内容をお聞きして感銘を受けました。
しかし、第4次再審請求では再審開始の判断が下っても、検察が抗告し、取り消しになってしまいました。鴨志田弁護士は、それでも活動を継続し、今回の第5次再審請求の活動に取り組んでいらっしゃいます。
月並みな表現ですが、鴨志田弁護士から学ぶことは「あきらめないことの大切さ」です。まさに「不撓(ふとう)不屈」の精神です。このような、姿勢を子どもたちにも知ってほしいと思いました。
何事にもあきらめずに誠実に取り組む姿勢。そして、誰かのためにという精神で仕事をする強さ!そういうことを子どもたちと一緒に考えていきたいです。
諦めない心を学ぶ。道徳の授業プラン
今年度、本来であれば、6年生の社会科で裁判所について学ぶ単元でお呼びしたかったのですが、かないませんでした。そこで、現在受け持っている4年生での実施を考えています。
検討しているのが道徳の授業です。鴨志田弁護士の活動を見ていて、どんなことがあってもあきらめない姿勢は子どもたちにとって大きな学びとなります。
担当されている大崎事件や冤罪の事などは難しくても、おを聞くことによって、何度も挫折しそうになったとしてもあきらめない気持ちや、誰かのために必死で頑張ることの大切さが伝わるはずです。
道徳に関連する資料と連動させて授業を行いたいと思っています。
まずは朝の時間に行っている「新聞トーク」で、鴨志田弁護士や再審法改正についての記事を紹介することからスタートします。今回もゲストティーチャーの力を借りて、深い学びにつなげられたらと考えています。
関連リンク

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
同じテーマの執筆者
-
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
-
京都教育大学附属桃山小学校 教諭
-
大阪府公立小学校 主幹教諭・大阪府小学校国語科教育研究会 研究部長
-
戸田市立戸田第二小学校 教諭・日本授業UD学会埼玉支部代表
-
小平市立小平第五中学校 主幹教諭
-
兵庫県西宮市立総合教育センター 指導主事
-
明石市立高丘西小学校 教諭
-
木更津市立鎌足小学校
-
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
-
愛知県公立中学校勤務
-
大阪大谷大学 教育学部 教授
-
神奈川県公立小学校勤務
-
寝屋川市立小学校
-
明石市立鳥羽小学校 教諭
-
千代田区立九段中等教育学校
-
大阪府泉大津市立穴師小学校
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
この記事に関連するおススメ記事
「教育エッセイ」の最新記事













アグネスの教育アドバイス
映画と教育
震災を忘れない



















この記事をクリップ
クリップした記事
ご意見・ご要望






