2026.02.27
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算数科における学び合いの仕掛け― 知識・技能の習得を「班で完結させる」 ―(2)

知識・技能の学習を「一人で終わらせる活動」から「班で完結させる活動」へと転換することで、学び合いが促される授業実践を行いました。
作図や計算練習後の個人提出を廃し、班での確認・助言・提出を行うことで、答えの正しさや理由を互いに確かめ合う必然性が生まれます。
これにより、説明し直す姿や誤りに気付く対話が増え、単元末の確かめや定着学習において効果が見られました。

東京都品川区立学校 平野 正隆

知識・技能の時間こそ、学び合いを生かす

作図や計算練習など、いわゆる知識・技能の習得の時間は、一人で解いて、できたら教師に提出する、という形になりがちです。しかしこの形では、

・できた子は早く終わって待つ
・できない子は、分からないまま
・子ども同士の関わりがほとんど生まれない

といった状況が起こりやすくなります。
そこで本実践では、個人で完結させず、班で完結させることを意識しました。

「個人提出」をやめ、班で完結させる学習の工夫

本実践では、作図や計算練習が終わったあと、個人で教師に見せることはしません。代わりに、

・班の中でアドバイスをし合う
・できたものを見せ合って確認する
・班でまとめて提出する

という流れをつくりました。すると、教室のあちこちから、こんな声が聞こえ始めます。
「この計算、答えが一致してないよ。どっちかが間違ってる」
「この三角形、合同に見えないよ。だって、ここが…」
個人提出では生まれない対話が、教室に広がっていきます。

合っているかを確かめる必然性が生まれる場面

班で提出するためには、「全員の答えが正しいか」「説明できるか」を、子どもたち自身が確かめる必要があります。その過程で、

・計算の仕方を説明し直す
・図形の条件を確認し合う
・「なぜそうなるのか」を言葉にする

といった活動が自然に起こります。
これは、教師が「確認しなさい」「見直しなさい」と言わなくても、状況が子どもを動かしている姿です。

単元末の「確かめ」や定着学習で効果を発揮する

この方法は特に、

・単元末の既習事項の確かめ
・基本的な計算や作図の定着
・テスト前の確認学習

といった場面で力を発揮します。
「早く終わった子が終わり」ではなく、「班全体が理解できているか」がゴールになるため、理解の浅いまま次に進む子が減っていきます。

授業開始時に示す「学び合いのルール」

 

学び合いのルール

この活動を円滑に進めるため、授業のはじめに図のような指示を出します。

ポイントは、「次に何をすればよいか」が常に明確になっていることです。

知識・技能は人との関わりの中で身に付く

知識や技能は、個人で習得するものと思われがちです。しかし実際には、「人に説明する」「人の考えを聞く」「違いに気付く」といった関わりの中で、より確かなものになります。
班で完結させる学習は、知識・技能の定着と、学び合いを両立させる有効な仕掛けです。これを特別な活動にするのではなく、日常の練習場面に自然に組み込むことが、学び合う文化を育てていきます。

平野 正隆(ひらの まさたか)

東京都品川区立学校


研究会での実践報告や校内での若手教員育成などの経験を通して、自分の経験や実践が広く皆様のお役に立てるのではないかと考えております。大人・子どもに関わらず、「明日から頑張れそうです」「明日が来るのが楽しみです」と言ってもらえるのが私の喜びです。

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