「できる・できない」の視点で授業を考えることの弊害
前回に続き、今回は、「○○すべき」がもっとも表れやすい授業について考えます。
みなさんは、どのように考えていますか。
子どもたちが生き生きとする授業って何でしょう。
埼玉県公立小学校 石井 雄大
「○○すべき」が授業に表れやすい理由
ワクワクして、楽しいと思える授業って何でしょう。
私は、「対話を通じて、子どもたち一人ひとりが自分のやり方でやっているとき」であると思っています。
自分の考えを表現して、試行錯誤しながら、教師と子ども、子ども同士で自然と対話が生まれる。
そこに知的でちょっと緊張感のある、いい学びの雰囲気が生まれると思います。
授業で「○○すべき」から解放されるために、以下の視点が重要です。
子どもに「ちょっとの苦労」をさせる意味
つい、教師は熱心であればあるほど、子どもの学びやすさ、過ごしやすさを保証しようと努力します。
それは、まるで転ばないように、道にある「小石」を取り除く作業に似ていると思います。
もちろん、子どもたちはスムーズに進みます。
けれども、つまづきが無いように設計しすぎると、逆に何も学んでいないという矛盾が生じます。
次第に教師の型にはまった授業が展開されていきます。
この「型」はうまく使わないと、「○○すべき」という意識を生みます。
やがて、教師の子どもたちへの見方が通り一遍になります。
その結果、否定的な見解を示すことが多くなります。
「また、○○ができていない」「どうしていつも…」といった具合に。
それでは、教師も子どもたちも苦しくなります。
「どうして」「なぜ」という思いをたくさん持たせることで、子どもたちは試行錯誤し、伸びていくのだと思います。
「どうして」「なぜ」は学びたいの原動力です。
こうした問いをたくさん授業の中で経験させていくことが大切です。
そのためにも、事前準備をしっかり行い、さまざまなしかけを用意しておきながら、子どもたちの学びを想定することが大切です。
指示を待つ子どもを育ててしまう授業
ここで、あらためて確認しておきたいことがあります。
「小石を取り除く作業」を入学から卒業まで行うと、どうなるでしょうか。
子どもたちは「教師がやってくれるのが当たり前」という意識を持つようになります。
これが続くと、子どもたちは高学年になるにつれ、 「別の先生の時は~してくれた」「教えてくれないと分かりません」といった言葉を発するようになります。
自分たちで考えなくなっている証拠です。
「指示待ち人間」を育ててしまうのです。
これでは本末転倒です。
各学年で連携しながら、長い時間をかけて子どもたちを育てていくのが学校教育です。
入学から卒業まで見通しを持ちながら、授業の中で「試行錯誤させる」という経験をたくさん積ませていきたいものです。

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