2023.08.25
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普段の授業にひと工夫 主体的に学ぶ授業へ「かるた・トランプ大会」(第1回)

ここでは、主体的に学びたくなるきっかけをどうつくるか、私なりの実践を例示しながら具体的に紹介します。今回は、「かるた・トランプ大会」です。主に「知識・技能」「主体的に学習に取り組む態度」を高めるのに役立ちます。その単元で学んだことを生かして行うことで、さらなる知識・技能の定着を図れます。また、これをきっかけに興味をもって、さらに詳しく調べてくる子も出てきます。

東京都品川区立学校 平野 正隆

「プランクトンかるた大会」(6年生理科)

教科書に出てくるプランクトンの写真を印刷して、かるたにします。4人班にして、最初は教師がプランクトンの名前を言い、班で誰が一番たくさん取れるかを競います。10種類程度なので、すぐに終わります。途中から読み札を読むのも、子どもたちに任せます。15分くらいやれば、全員が全プランクトンを覚える程度にまで成長します。

その後、「学校の池の水にはどんな小さな生物(プランクトン)がいるのだろうか」と問いかければ、子どもたちは興味をもって採取し、顕微鏡で観察し始めます。

私の実践では、見たことのないプランクトンがいれば、本やタブレットを活用して調べていました。

「都道府県かるた大会」(4年生社会科)

47都道府県の47枚のかるたをつくります。私の場合は、位置と名前を一致させるため、各取り札は日本全土を載せて特定の都道府県に色を付けました。47枚の取り札があるので、それなりの時間はかかりますが、楽しんで覚えることができます。地方ごとに分けてやってもいいかもしれません。

授業時間内だけでは覚えきれない子も出てくるので、「家に持ち帰ってやってもいいよ」と言うと、喜んで練習して来ます。

授業では、同じくらいのレベルの子同士が班になるように、「第二回大会は、第一回大会で各班1位の子同士で班をつくろう」などと指示します。

みんなができるようになったら、「りんごの産地で、ねぶた祭りが行われる都道府県」のように、応用問題を織り交ぜます。すると、都道府県の特産物や行事、観光地などに興味をもち、調べてくる子も出てきます。

「逆数神経衰弱」(6年生算数科)

神経衰弱形式で、ある分数とその逆数を見つけたら、そのカードを貰えるゲームです。

まずは、「2つの数の積が1になるとき、一方の数を他方の数の逆数となる」ことを理解します。その後、班ごとにカードを表向きに並べて、積が1になるカードの組み合わせをつくるゲームをします。「班で協力してやってみよう。何秒でできるかな」なんて声をかけると夢中でやり始めます。

そして、組み合わせを見て気付いたことを発表させます。そこから、「分数の逆数は、分母と分子を入れかえた分数になる」ということを理解させます。

最後に、カードを裏返して「逆数神経衰弱」が始まるのです。このとき、0.7と10/7、8と1/8のような、小数や整数が入った組み合わせも追加で入れておくと盛り上がります。「あれ、分数じゃないのがあるぞ」「小数の逆数って、どう考えればいいのかな」なんて疑問が出て来たら、ゲームをいったん中断させて、みんなで考えます。

「大きな数の仕組み」(4年生算数科)

どんな数でも各位の数字は、10倍するごとに位が1つずつ上がり、10でわるごとに位が1つずつ下がることを理解する学習内容です。

ピンクと水色など2種類の画用紙を使ってつくります。ピンクには、「5000万」「30億」「4兆」など、ベースになる数字を書きます。これを、ベースカードと呼びます。水色には、「×10」「×100」「÷10」「÷100」などと書きます。これを装備カードと呼びます。ペアやグループで対戦します。

基本ルールは、ベースカード1枚、装備カード1枚を引いて計算し、その大小で勝敗を決めます。何回か対戦したら、装備カードを2枚にするなどの工夫もできます。さらに応用すると、ベースカードと装備カードを2枚ずつ引いて、好きに組み合わせたあと、それを足して対戦する方法もあります。

「次の数を10倍、100倍した数は何ですか」「10や100でわった数は何ですか」と、単純に計算練習するよりも楽しく主体的に取り組めます。

「プラスマイナスの計算」(6年生算数科)

数学への架け橋として、6年生の学年末に扱う学習です。トランプを使って「プラスマイナスゲーム」をします。基本ルールは以下の通りです。

+−(プラスマイナス)ゲームのルール

  1. 1〜6 x4種類(24枚)を班(4人)に配布。
  2. 黒が+(正の数)。赤が一(負の数)とする。
  3. ババ抜きの要領でカードを移動する。
  4. ストップした時の合計で、多い人が勝ちとする。(1周するまではできない)(数える時はオープンする)
  5. 1 番合計数が大きくなったと思う時に「ストップ」をかけられるが、1位でない時は、失敗となり、合計数が1番小さい人と得点が逆になる。
  6. 得点表(プリント)へ記入する。

基本ルールでうまくいったらババを1枚入れます。このババに以下のような特別ルールを1つ追加することで、さらにゲームが盛り上がります。

・ババをもっている人は、得点が倍になる。※もちろん、マイナスの場合でも。
・ババをもっている人は、プラスマイナス逆転を宣言できる。※しなくてもいい。
・ババをもっている人は、ストップがかかったあと、ストップを宣言した人のカードから1枚引ける。

終わりに

「知識・技能」「主体的に学習に取り組む態度」を育てるには、とても有効な手段だと考えております。また、扱い方によっては、「思考・判断・表現」を身に付けることができる手法です。普段の授業に「ひと工夫」で、子どもたちが主体的に取り組むようになります。

平野 正隆(ひらの まさたか)

東京都品川区立学校


研究会での実践報告や校内での若手教員育成などの経験を通して、自分の経験や実践が広く皆様のお役に立てるのではないかと考えております。大人・子どもに関わらず、「明日から頑張れそうです」「明日が来るのが楽しみです」と言ってもらえるのが私の喜びです。

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