2021.09.30
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たった1つだけ変えるだけでいい。オンライン授業が成功する方法(No.8)

今回で「たった1つだけ変えるだけでいい。オンライン授業が成功する方法」は8回目になりました。今回は最終回です。
これまでの連載を振り返りながら、それでもこれだけは大事にしてほしいことをお伝えします。最後までどうぞよろしくお願いいたします。

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭 神保 勇児

これまでの連載を振り返って、大切なこととは

 これまでの連載を振り返ると、次の2点にまとめることができます。

◆普段の教室での指導や授業の仕方をオンライン授業でも大事にする。
◆オンライン授業で使える機能を使ってみる。

オンライン授業であっても、教師と児童生徒との関係は変わりませんし、教科で大切にしている見方・考え方は変わりません。
例えば、算数科の最重要目標は「数学的な考え方の育成」です。
これを達成するために、問題解決型の授業をしています。
そこで大切になってくるのは、導入と練り上げの場面です。
導入では問題を把握し、何を解決するのかについて話し合います。
練り上げではよりよい考えを導き出すために子供たちが話し合います。
その話し合いの中で子供たちは論理的に説明をしたり、統合・発展させたりします。
算数をオンライン授業する時には、この点に注意していく必要があります。

皆さんは、30年以上前に、学校教育で登場したOHP(オーバーヘッドプロジェクター)をご存知でしょうか。
透明なシートに写真を印刷したり、図形を書き込んだりしたものを投影機で写します。
投影している際も、書き込みができます。
今でいうと、書画カメラでテレビやスクリーンに映すことやPowerPointなどのプレゼンテーションアプリを使っているのと似ています。
ご存知でない方はぜひ検索してみてください。
当時、OHPが登場した時、板書はいらなくなると言われていたそうです。
でも、OHPを授業の道具として使っていた時代も大切にしていたものは、教科の見方・考え方でした。

2021年、全国の多くの学校がGIGAスクール構想でタブレットを中心とした授業を開始しています。
そして、多くの実践が研究会で交流され、書籍も出版されています。
今、私たちは見知らぬタブレットやアプリと戦っています。
もしかすると、私たちはいつの間にか、いかにタブレットやアプリを子供たちに使いこなせるようにさせるかということを追い求めているかもしれません。
しかし、タブレットやアプリは手段であって目的ではありません。

これから大切にしていきたいことは、それぞれの教科の見方・考え方を育むためにはどうしたらよいかを考えていくことです。
「タブレットやアプリを使って便利だった」「使いこなせるようになった」で終わってはもったいないと思います。
これから期待するのは、タブレットやアプリをどう使うと、教科の見方・考え方が高まるのかということです。
私も実践をしながら、少しですが見つけています。
今後、機会がありましたらご紹介したいと思います。

神保 勇児(じんぼ ゆうじ)

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭


2020年度はコロナウィルスでの休校期間でオンライン授業を多く行うことがありました。その時に得た、オンラインでも使える問題の見つけ方、子供の自力解決の見取り方、つぶやきの拾い方、発表検討のさせ方など紹介していきます。
「jimbochanのブログ」https://jimbochan.hatenablog.com/

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