たった1つだけ変えるだけでいい。オンライン授業が成功する方法(No.1)
大阪府に緊急事態宣言が発令され、オンライン授業が開始されるといったことが報道されました。同じく緊急事態宣言が発令された東京都でもオンライン授業の必要性が出てくるだろうと思います。
今回は、たった1つだけ変えるだけで、オンライン授業が成功する方法を紹介します。
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭 神保 勇児
1.めざすは双方向型の授業
私は、オンライン授業とは、YouTubeなどの先生から子どもへの一方向型の授業ではなく、リアルタイムに先生と子ども、子ども同士のやり取りのある双方向の授業であるべきだと考えています。
これには理由があります。昨年、全国に緊急事態宣言が発出され、臨時休校となりました。当時、私はどのようにオンライン授業をすべきなのかを考えました。都道府県の教育委員会から配信されている授業動画や有志の先生がYouTubeにアップしている授業動画を片っ端から見ていきました。どの動画も子どもに考えさせる場面を作っていました。しかし、私は先生から子どもへの一方向型の授業動画が多いことに気が付きました。
そういった動画を見て、私は子どもたちの互いに話し合う双方向型の授業がよいのではと考えました。双方型の授業は一方向型の授業と違い、自力解決での考えが正しいのかそれとも間違っているのかを話し合いを通して納得する機会があるからです。
2.会議ツールに特化したアプリを使ってオンライン授業をする
オンライン授業では、会議ツールに特化したアプリであるZoomやGoogle Meetなどを使います。これらのアプリのよさは大きく2つあります。1つ目は、相手の顔を見ながら話ができるという点です。2つ目は、画面共有やチャット機能などが優れている点です。これらのアプリを使うことで、教室で授業をするときとほぼ同じような授業をすることが可能になります。
先生方の中には、「これらのアプリでもきっと動画を作ったり、パワーポイントを作ったりするんでしょ」と、不安な方もいるかもしれません。でも、動画もパワーポイントも作る必要ありません。むしろ、作らなくていいのです。
なぜかというと、ZoomやGoogle Meetにはホワイトボード機能やチャット機能などがあるからです。そして、これらの機能を使えば、リアルタイムで双方向型の授業を成立させることができるからです。
この辺りの内容について詳しくは、拙書『学び合いコーディネートスキル60』(明治図書)で説明していますので、ご参照ください。
3.ホワイトボード機能を使う
ここでは、Zoomを使った方法を紹介します。まずは、ホワイトボード機能を使う方法です。たった1つだけで授業が成功につながります。
やり方は簡単です。画面共有をして、ホワイトボード機能を選択します。たったこれだけ。なぜかというと、教室の授業では板書をして、問題の提示や子どもたちの意見を書き、まとめをします。Zoomのホワイトボード機能やこれを可能にします。
ただし、Zoomのホワイトボード機能でうまく板書をするのはコツが必要です。うまく、パソコンで打ち込めればいいのですが、小回りがききません。私はどうしているかというと、もちろん手書きです。だって、いつも授業で板書するときだって手書きなんですから、ここでも手書きです。
うまく板書をするコツは、ズバリiPadとスタイラスペンです。これらの道具のよさは、簡単に手書きができるということです。ホワイトボード機能で子どもの発言を板書するときにスタイラスペンを使って板書するのです。もちろん、ペンの色を変える、四角で囲むなんてことも簡単にできます。
画面共有の仕方などについては、Zoomのホームページにあります。以下にURLを挙げておきますので、ご参照ください。また、ホワイトボード機能を使うときの注意点は他にもあります。しかし、紙面の都合上多くは書けませんので、以下のURLで詳しくお伝えできればと思います。
参考資料
神保 勇児(じんぼ ゆうじ)
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
2020年度はコロナウィルスでの休校期間でオンライン授業を多く行うことがありました。その時に得た、オンラインでも使える問題の見つけ方、子供の自力解決の見取り方、つぶやきの拾い方、発表検討のさせ方など紹介していきます。
「jimbochanのブログ」https://jimbochan.hatenablog.com/
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