2021.07.29
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たった1つだけ変えるだけでいい。オンライン授業が成功する方法(No.5)

今回はプロフィールに書いてあった、Zoomを使ったオンライン授業でもできる問題設定、子どもの自力解決の見取り、つぶやきの扱いについてです。これはGIGAスクール構想でも大切になってくるところです。オンライン授業でも、問題解決的な授業は大切です。現在、学校で授業ができるようになりましたが、オンライン授業で得た経験は生かせるところばかりです。どうぞよろしくお願いします。

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭 神保 勇児

問題設定

扱う問題

例えば、算数のオンライン授業では、子どもの自力解決の見取り方や発表の仕方を想定した問題作りをしなくてはいけません。なぜかというと、子どもの自力解決は教室での授業と同じように、子どもの取り組みの様子やノートに書いている考えなどを見取るのは容易ではないからです。子どもの見取りについてはこの後説明します。
ではどのような問題にすればいいのか。ポイントは以下の2点です。

  1. 子どもがノートを画面に写しても簡単に見ることができるもの。
  2. チャット機能に数値だけ打ち込めば済むもの。

1については、文章問題の図や作図などです。子どもが小さい図を描いてしまうこともあるので、予め図の大きさを縦8cm、横12cmなど指定するとよいでしょう。
2については、できれば簡単な数値で済むものがよいでしょう。理由は、タイピングが苦手な子どももいるからです。タイピングに時間のかかるような問題にしてしまうと、チャット機能に打ち込むだけで20分以上かかります。可能ならば、答えが1桁〜4桁で済むようなものにしましょう。

例として、私がオンライン授業をした時の写真を添付しました。この問題は、6年3学期に行った小学校の学習の復習問題です。オープンエンドの問題ですが、答えのきまりを見つけると、自分たちで公式を作れるようなものにしました。5年生の異分母分数の計算にも使えます。これは、かなり盛り上がりました。普段の授業でも使えるので、ぜひお試しください!!

子どもの自力解決の見取り

チャット機能を使った児童の見取り

次に、子どもの自力解決の見取りについてです。私は、オンライン授業に、チャット機能をよく使っていました。どうして、チャット機能を使っていたのかというと、子どもの見取りができるからです。
オンライン授業での見取りの難しさは、以下の2点です。

  1. 子どもがどのくらいできたかどうかは、教室の授業とは違いリアルタイムにはできません。
  2. ノートを画面に写しても、画面上には字が小さく見えてしまうため、素早く正確に見取ることもできません。

1についてです。リアルタイムにノートを見ようとすると、終わった子から画面越しにノートを確認するしかありません。そのためには、子ども一人一人の画面を拡大し、画面にうまく映るようにしなければいけません。これは、かなり煩雑になり、時間がかかります。
次に、2についてです。自力解決終了後、全員にノートを画面に映させる方法をした場合について考えてみます。これは、一斉に確認することができますが、子どもの書き振りによっては先程と同じように、うまく画面に映させることが必要になります。かなり時間がかかります。
そこで考えついたのが、チャット機能に答えを書き込む方法です。これは、2つの用途があります。

  1. 他の友達に見られずに、先生にフィードバックをもらいたい時に使う。
  2. 友達にヒントとして使ってほしい時に使う。

1についてですが、私の添付した図にダイレクトメッセージがあるのが見えますでしょうか。ダイレクトメッセージは、先生に直接メッセージを送る方法で、先生と先生にメッセージを送った本人にしか見えません。先生はこのメッセージを見ながら、「〇〇くんの答えはあってるよ」「◯◯さんはきまりを見つけたんだね」など一人一人にフィードバックを返します。1人あたりのフィードバックの言葉は上に書いた内容で十分です。時間にして約3秒。クラス30人だと90秒になります。これは、自力解決で先生が教室をゆっくりと1周するくらいの時間です。

次に2についてです。自力解決で困っている子もいます。そのときに、チャットを使って全員に向けてヒントを送ります。これは、送りたいと思う子に書かせます。ヒントを必要としていない子もいますので、その時は「ヒントを見たくない子はメッセージを見なくていいよ」と伝えます。

zoomのチャット機能を使う方法については、『学び合いコーディネートスキル60』(明治図書)でも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

つぶやきの扱い

最後につぶやきについてです。教室の授業では、子どもは自由につぶやいています。私は、できるだけミュートを外すように伝えています。子どものつぶやきやリアクションが分かるからです。しかし、オンライン授業では、基本的にミュートで進めることが多いと思います。それでは、子どものつぶやきを拾って、授業に生かすことができません。
そこで登場するのが、チャット機能を使ったつぶやきです。「思いついた子はチャット機能にすぐに打ち込んでいい」というルールのもとで取り組ませます。教室での授業と違って、文字として残るので、かなりおすすめです。途中で分からなくなった子がヒントとして振り返ってみることができます。

今回ご紹介した方法については、私の主催する「学び合い授業スキルアップ研究会」でも紹介しています。詳しく知りたい方はぜひご参加ください。

神保 勇児(じんぼ ゆうじ)

東京学芸大学附属大泉小学校 教諭


2020年度はコロナウィルスでの休校期間でオンライン授業を多く行うことがありました。その時に得た、オンラインでも使える問題の見つけ方、子供の自力解決の見取り方、つぶやきの拾い方、発表検討のさせ方など紹介していきます。
「jimbochanのブログ」https://jimbochan.hatenablog.com/

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