2020.05.31
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子どもたちが来られなくとも(5)

新型コロナウイルス感染症の流行により、勤務校のあるさいたま市では5月末までの予定で休校が続きます。今年度担当することになった5年生は初めて接する児童が多いため、一刻も早く学校が再開され、児童と話をしたり学習をしたりしたいと思いながら日々の生活をしています。また、児童一人ひとりの様子が分からないので、心配もしています。

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

学級だよりでのメッセージ

学級だより

学校で児童に会うことができないので、何とか児童にメッセージを送りたいとこれまで、学校のホームページにメッセージを載せてきました。しかし、ホームページは普段見られる児童とそうでない児童がいますので、他の方法も探っていました。私は毎年、週に1度のペースで学級だよりを発行しています。子どもたちへメッセージを送る目的のほか、保護者の方にも児童の学校での様子を伝える目的があります。今年度はまだ本格的にスタートしておりませんが、学級だよりを発行し始めたいと思いました。

学級だよりに掲載するのは、私が学校で行っている活動の紹介です。毎朝、学校に来ると初めに飼育動物であるうさぎのお世話を行います。2羽いるうさぎは大変人懐っこくてかわいいです。高学年になると飼育担当の児童以外はあまり動物と関わらなくなってしまうので、うさぎの紹介や日々の様子をレポートしたいと思っています。

「今日はうさぎのミミちゃんが元気に動き回っていました。暖かくなってきたので、過ごしやすそうです。早く子どもたちが来ないかなと思っているようですよ」

「今日はメスのチョコちゃんは少しゆったりと過ごしていました。なでてあげると目をつむって気持ちよさそうな顔をしていました」

など、写真付きで児童にうさぎの様子を知らせるようにしています。学校に来るときにはうさぎの様子も見てほしいと思っています。

また、現在行っている教室の整備についても報告したいと考えました。私が大切にしている新聞活用の一環で、教室に新聞コーナーを作ったことや、これまで通常ならなかなか掃除ができない教室の天井などをきれいにしたことを掲載しました。その他、児童に休校中にやっておいてもらいたいことやおすすめの学習サイトを載せるようにしました。学級だよりを通じて少しでも児童とコミュニケーションを図れたらと考えています。

児童は毎週学校から出題された課題を提出しに登校します。その際に学級だよりを渡し、感想などを次に登校するときに話してもらうようにしようと思っています。

課題へのコメントで交流

児童は休校中の間、週に1回程度、課題を受け取り、それまで行った課題を提出するために学校に来ることになりました。そこで、今は時間があるので、児童の課題に丁寧にコメントをすることにしました。また、児童の中には私に手紙を書いてくれる子もいます。そこで課題や手紙へのコメントを通してコミュニケーションを図りたいと考えました。

課題として毎日、新聞を読む学習を出題しています。新聞を読んで話題となっていることについて自分の意見や感想をまとめてもらっています。このような課題の場合は子どもたちの本音を知ることができます。そこで、このワークシート1枚1枚に丁寧なコメントを入れていきました。

「プラスチックのごみの記事を読んで、プラスチックは便利だけど困ったこともあると分かったね。身の回りにあるものでどんなものがプラスチックで作られているか調べてみよう」

「スマホの便利さに関する記事を読んで、これからはさらに便利になることが分かったね。でも先生は、スマホを使うことで人と人のコミュニケーションが少なくなるのではと思っています。〇〇さんはどう思いますか?」

「バリアフリーに関する記事を読んでどうですか?今、国会でもバリアフリーが進んでいますね。5年生では福祉の学習も行います。ぜひ身の回りのバリアフリーを見付けておいてくださいね」

「自動運転車の記事を読んで、将来はどんな社会になると予想しましたか?私たちの生活もずいぶん変わってきそうですね。5年生では社会科で自動車工業の学習があります。しっかりと学習していきましょう」

というように、双方向でやり取りができるようにしました。そして、児童が登校した時に考えたことなどを短い時間ではありますが聞くようにしています。毎回、児童がどんなことを話してくれるかが大変楽しみになっています。

児童に会えるのを楽しみに

予定では6月から改めてクラスがスタートする予定です。まだまだどうなるか分かりませんが、児童たちに会うのが楽しみです。これから、予定通り学校の行事ができるのかどうか、また授業の遅れが取り戻せるのかなど、不安なことはたくさんありますが、最大限児童と一緒にがんばっていきたいと思っています。そして、こういう年だからこそ、児童と協力して最高の学級を作っていきたいと思っています。児童が登校してくるのを楽しみに待っています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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