係活動で楽しく、当番活動で細かく ~陰に陽に 及ばず乍ら助太刀を~(第7回)
本年度も2か月ほど。学年末に向けて、子どもたちが成長したかどうかをチェックする時期です。
いろいろなことがあったにせよ学年末には「この学級でよかった」「この先生に出会えてよかった」と言ってほしいものです。
そのためには、自分自身や学級全体が伸びたことを実感させたいものです。
今回は係活動や当番活動について書かせていただきます。
熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二
係活動で学年末を楽しく
係活動は、現行学習指導要領では、特別活動の学級活動の内容のうち
「(1)学級や学校の生活づくり」の中に以下のように書かれています。
イ 学級内の組織づくりや仕事の分担処理
学級や学校での生活を充実,向上させるために,必要とされる学級内の組織づくりや仕事の分担などを,児童自身が見いだし,協力していこうとする活動である。例えば,学級会などの話合い活動が円滑に行われるための計画や準備等を行う計画委員会,学級生活を豊かにする係活動等の組織づくりや運営に関する内容が考えられる。
新学習指導要領では、「(1)イ 学級内の組織づくりや役割の自覚」の中で、次のような文章が書かれています。
児童が主体的に組織をつくるとは,例えば係活動におい て,学級を楽しく豊かにするために必要な係を出し合い,合意形成によって組織 をつくっていくことである。その際,学級における係の役割を自覚し,活動内容 を決定して,仕事を分担しながら協力して実践することが大切になる。これらの 組織が機能し,活発な活動が展開されることにより,学級生活の充実や向上を図ることができる。
いずれにしても、子どもたちが主体的に動き、学級を豊かにすることが大切になります。「やってくれたら、学級が楽しくなる」活動といえばよいでしょうか。創意工夫により活動が展開されます。最近では「会社」組織にされている学級もあるでしょう。
学年末に向かって、忙しくなりますが、むしろ、「この学級でよかった」と感じさせる、充実した生活を送るチャンスとなります。学級のお別れ会はもちろん、6年生を送る会など、異学年との交流も期待できる時期です。
学年による発達段階を考慮しながら、イベントを有効活用して、係活動を充実させましょう。子どもたちに達成感と充実感をもたせましょう。
当番活動は細かくチェック
当番活動は、現行の学習指導要領では共通事項の「(2)日常の生活や学習への適応及び健康安全」の中に、エ 清掃などの当番活動等の役割と働くことの意義の理解 が書かれています。
新学習指導要領では、「(3) 一人一人のキャリア形成と自己実現」の中の「イ 社会参画意識の醸成や働くことの意義の理解」の部分に、清掃などの当番活動があげられています。
係活動に比べて、働くことの意義が重視されています。また、役割、責任などの言葉もつきます。いわば「してもらわないといけない」活動となります。日直、給食、清掃が3大当番活動になるでしょう。これらについては、細かくチェックしていきましょう。
特に給食と清掃を見ておくだけでも、今の学級の様子がわかります。一般的に給食の配膳が遅い学級は、残食も多いように思います。無理して食べさせるというわけではありません。自分たちの都合で残食を多くしてもよい、というわがままを許してはいけない、という気持ちでのぞむことです。
清掃も同じ。うまくいっていないというのは、やはりどこかシステムが機能していないのです。昼休みの後に清掃時間を確保している学校も多いでしょう。遊びからの切り替えがうまくできていない、無言掃除などルールを守っていない、群れて落ち葉清掃をしている、こんな様子を放置しないことです。
給食や清掃は、次の学年でも行われるのです。学年の終わりを、教師も子どもも待っているなどというさみしい状況はつくりたくないものです。
学年末に向かって、当番活動は、最後までだれることなく、プラス1の発想でのぞませるようにしておきたいですね。
笹原 信二(ささはら しんじ)
熊本市立龍田小学校 教諭
37年の教師人生を終えたが、もう少し学びたく再任用の道を選択。過去の経験を生かしつつ、新しいことにもチャレンジしていきたい。
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