ディズニーランドに来ている人はみんな笑顔
私がビジネス書を読むようになったきっかけは、登校しぶりのある児童をもつことになったことです。4月にこれから来る子にどんなアプローチをしたら、毎日学校に来てくれるかなと思い、様々な学級経営に関する本を読みました。しかし、どんな学級経営の本を読んでもあまり私自身しっくりくるものがありませんでした。
そんな時に、テレビでディズニーランドの特集番組を見ていると、周りのお客さんやスタッフがとても楽しそうな表情をして過ごしているのがとても心に残りました。そして、こんなことを思いました。
「ディズニーランドへ来る人も働く人も笑顔なら、ディズニーランドみたいな経営をすれば、みんな笑顔で学校に来れるんじゃないか?」
けっこう馬鹿げた発想かもしれませんが、本気です。(笑)
そこで、さっそく本屋に行き、ビジネス書のコーナーへ。
ディズニーランドの本を探しました。そしたら、こんな本が見つかりました。
『社会人として大切なことはみんなディズニーランドから教わった』著者:香取貴信 発行所:株式会社あさ出版
今回は読んだビジネス書の中の1つの本である、このディズニーランドに関わる本から学んだ学級経営を書いていきたいと思います。
様々な理由で朝遅く来た児童へのアプローチ
担任をしていたら、遅刻する児童はいるものですよね。
遅刻をした児童にどんな声掛けをしますか?
また、1回だけでなく、何回も遅刻する児童にどんな声掛けをしますか?
この本には、遅刻に関してあるエピソードがあります。
ディズニーランドで遅刻をしたスタッフに対して、「遅刻や欠勤はなぜいけないのか」を説明する時の話です。大人同士ですし、たいていは、まわりの仲間に迷惑がかかるとかそんな理由が多いと思います。
しかし、遅刻をしたスタッフに現場の上司は、「〇〇さんに遅刻してほしくないのは、オープンの時に〇〇さんにいてほしかったからなんだよ。だって、〇〇さんが時間通りにいたら、お客さんのなかで何人かは〇〇さんと会って、楽しい思いをしてもらえたかもしれない」と言ったそうです。
遅刻で叱られると思っているのに、こんな言い方されたら和みますよね。
ディズニーランドでは、ゲスト(お客さん)が中心で、そこで働くキャストも同じくらい大事な存在であるというのです。
この話を読み、遅刻した児童への声掛けも変わりました。
「朝から会えると嬉しいから、もっと早く来てほしいな」という気持ちで、遅刻した子への声掛けをするようになりました。
今までは「指導しないと・・・」という、考えでしたが、「ただただ朝からみんなそろってクラスにいてほしい」そんな思いを伝えることに変わりました。
これだけが理由ではないと思いますが、登校しぶりだと引継ぎがあった児童も1年間、朝からそろって授業できました。
ルールも一緒に考える
学校は本当にルールが多いですよね。
シャーペン禁止、置き勉はダメ。ろうかは走ってはいけない。などなど。
様々なルールを児童に伝えるとき、どんな伝え方をしますか?
また、別にこれそんな大事かな?ってルールも学校には存在しますよね・・・
そんな時はどんな伝え方をしますか?
この本にはもう1つ、こんな話があります。
何か、規則やルールがあっても「どうしてそうなのか」。手順を一緒に考えることが大事というのです。
例えば「身だしなみ」です。
「会社の規定だから守りましょう」では、「スキあらば!」となってしまうというのです。
確かに何か児童がルールを破った時に「学校のルールだから守りましょう」と言っても、納得いかない児童っていますよね。
そこで、一緒に繰り返して考えてみるそうです。
これは、ヤンキーあがりの著者(アルバイト時代)と先輩とのやり取りです。
「なぜ身だしなみが守らなければならないと思う?」
↓
「会社の規則だから・・・」
↓
「なんでそういう規則があるんだろう」
↓
「ゲストに不快感を与えないため」
↓
「それじゃあ、君の身だしなみはどう?」
↓
「んー、べつに不快じゃないと思うけど・・・」
↓
「不快じゃないのか。じゃあ、清潔感はどう?」
↓
「見る人によって違うかもしれないけど・・・僕はそれなりにと思って」
↓
「見る人みんなが清潔感を感じるにはどうしたらいいと思う?」
と、こうやって、自分で考えて納得しながら身につけてきたことは、その後、どうしたらいいか自分で考えて納得して行動していけるそうです。
これって私たちの教育現場で大事なことだと思います。
私たちは、「教える」ということを一方通行なものだと思い込んでいるのではないでしょうか。
教える側も教わる側も「一緒に考える」ということを、大事にしたいなあと思います。
ここに書いたことは、ほんの一部で、まだまだ活かせることがあります。
ぜひ、みなさんも好きな会社の経営本など読んでみたらいかかでしょうか。
けっこう楽しいものです。
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