2019.11.08
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日本代表から学ぶべき3つのこと ~陰に陽に 及ばず乍ら助太刀を~(第3回)

「旬な話題は旬なうちに」と思い、今回は予定していたことを次回にまわして、
ラグビーワールドカップで日本代表から学ぶべきことを話題にしてみようと思います。
いくつもありますが、ここではこれからの教育にとりあげるべき3つのことを書きたいと思います。

熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二

ノーサイドは日本だけだそうですが

私のような「にわかラグビー」ファンが一気に日本には増えたと思います。ひたむきに相手に、ボールにくらいついていく姿勢。2mくらいの身長、100kgを超える体重の選手がぶつかり合う肉弾戦には心を打たれるものがあります。

試合が終われば、敵味方なく健闘をたたえ合う、ノーサイドの精神が私のようなにわかファンを増やした原因の一つでしょう。ノーサイド(no side)とは、ラグビーでは試合終了のこと。サイドがなくなる、どちらのサイドでもなく、試合が終わったら敵も味方もないということですね。

ただ、ノーサイドという言葉を使っているのは日本くらいなのだそうです。外国ではフルタイム(fulltime)が主流のようです。ノーサイドの精神は、いかにも日本らしいですね。もちろん、外国のチームも、見ての通りノーサイドの精神はあります。ノーサイドとは言わないだけ、というのが正しいでしょうか。でも、やっぱり日本に似合う雰囲気がします。

ノーサイドの精神をもつ子どもを育てる、という視点で学級づくりをしていく必要がありそうですね。

メッシは素晴らしい選手ですが。。。

サッカーのワールドカップが始まると、スーパースターの動きに注目が集まります。「ぼく、メッシ」と言いながらドリブルする子ども。メッシがグラウンドにあふれています。日韓サッカーワールドカップのときには、ベッカムヘアーが流行りました。C・ロナウドなど、スーパースターは華やかです。

メッシのドリブルは見応えがありますが、もしチーム全員がメッシだったら、おもしろいサッカーになるでしょうか?強いチームになるでしょうか?俺が俺が、と勝手なプレーに走ってしまうのでは?と思います。

もしかしたら、今まで私たちはメッシを育てるというか、メッシにたよるような学級をつくってこなかったでしょうか?スーパースター2,3人がドリブルとパスを繰り返すかのように、ちょっと優秀な子どもたちの意見だけで進んで行く学習。いかにも素晴らしい意見がつながっているようですが、結局は。。。こんなことを繰り返してこなかったでしょうか?

メッシはもちろん素晴らしい選手ですが、チーム全員にそれぞれ、しっかりとした役割があるのです。メッシが出場したアルゼンチンも、C・ロナウドのポルトガルも、ベッカムのイングランドも優勝できていません。これからの学級づくりでは、一人でドリブルしてもっていく子どもではなく、みんなが役割を果たしパスでつないでいくことを目指すことが大切です。

ONE TEAM

ジョセフヘッドコーチが掲げたテーマ「ONE TEAM」。日本代表とはいえど多国籍軍なのです。言語も文化も違う選手たちが集まったチームは、同じビジョンをもたなければいけません。
まずは多様性を認め、その上で一人一人が自ら判断し、行動する自主性を重んじています。キャプテンのリーチ・マイケル選手を中心としながらも、様々なところで違うリーダーが次々にあらわれ、話し合いが始まります。納得するまで話し合うことで、また新しい提案がうまれます。

ゲームの中でも、トライをしたのは福岡選手や松島選手が多かったですが、そこに至るまでの各選手の献身的な活躍。さらには、相手の戦術に応じた臨機応変さや、オフロードパスと言われる信頼しきったパスの連続。

松下幸之助氏はこんなことを言っています。
「和の精神とは、まず皆が自由に正直に話し合い、お互いの意見や価値観に違いがあることを認め、その違いを尊重したうえで、共通の目標のために協力し合うという、相違や対立の存在を前提とする和です。」
(松下幸之助著『道をひらく』(PHP研究所,1968)

〇多様性を認め、お互いを尊重し合う
〇自主性(主体性)を重んじる
〇協力し、納得するまで話し合う

そんな雰囲気の中で、信頼がうまれ、個々の力が発揮され、一人一人が自分の役割や責任をもって果たすのです。

これからの教育の方向性を見せてくれた日本代表だったと思います。それは、とってつけたような姿勢ではなく、前任のエディ・ジョーンズさんがまいてくれた種を紆余曲折があったにせよ、ジョセフヘッドコーチが良いところを踏襲し、勇気をもって必要に応じて変化させていく、そして、その要求にこたえて選手自身が考えながら行動するという積み重ねがあってこそだと思います。

本当にありがとうございました!

笹原 信二(ささはら しんじ)

熊本市立龍田小学校 教諭
37年の教師人生を終えたが、もう少し学びたく再任用の道を選択。過去の経験を生かしつつ、新しいことにもチャレンジしていきたい。

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