2019.11.27
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今こそ「チーム学校」で! ~陰に陽に 及ばず乍ら助太刀を~(第4回)

以前、教師は教師になる前に、教え方はそれほど学んでいないということを書きました。それでも、教師は子どもに学習を教えるのが仕事であることは理解できますし、教室のイメージもあるでしょう。
教師になる前に学んでいない、ということはほかにもいっぱいあるのです。今回は、若い先生から最も相談が多いことについて書かせていただきます。

熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二

「校務分掌って何?」はチーム学校で解決!!

子どもたちに教科の内容を指導する、そのためにいろいろと工夫する、所謂、狭い意味の「教材研究」に時間と労力が費やされるのだろう、ということは想像がつきます。

まずは「校務分掌」。学生時代には私は学んだ記憶はありません。若い先生が生徒指導主任や研究主任をやることは、いくらなんでもないでしょう(私は教職4年目で研究主任、5年目は研究発表会で研究主任、6年目で教務主任でしたが)。

クラブ活動担当、清掃区域担当、落とし物担当etc.このあたりは若い先生が担当することもあるでしょう。以前のデータはファイルや校務サーバーに保存されています。データを見ただけではわからないことも多々あります。ただ、これは、チーム学校で乗り切れるはずです。前の担当者がいればアドバイスをしたり尋ねたり、いなくても経験者が必ずいるはずですので、乗り切れるはずです。

個別対応や保護者対応もチーム学校で解決!!

若い先生は専科よりも担任になることが多いでしょう。この学級担任の仕事も、教師になるまでには学んでいないことが多いです。

出席簿や健康観察簿の書き方のようなもの、金銭の集め方等々から始まり、日直当番や給食当番の決め方、朝の会や帰りの会の運営など、学級経営にかかわること、家庭訪問、学級懇談会、授業参観、特に年度初めには行事が重なってきます。次から次へとプリントの配布物がせまってきます。

これに個別対応、保護者対応などが加わってきます。どれも学んできていないものばかりです。学級事務や学級経営のシステムの問題は、経験でカバーできていくでしょう。「慣れ」ていても大変ではありますが。

自転車に乗ることができなくても「乗った経験がある」のと「まったく経験がない」では意味が違うでしょう。個別対応と保護者対応は、そう簡単には解決できません。ちょっと対応を間違ってしまうと、大きな問題につながりかねません。教師は概してまじめな方が多いので、問題が起きると、自分だけで解決しようとします。他の先生も忙しいので、迷惑をかけてしまうという考えです。

子どもや保護者の傾向として「不安は不満に変わり、それはやがて怒りに変わる」という流れがあります。「この先生大丈夫かなあ?」という不安が重なってくると、「この先生はまったく対応してくれない」となり、「この学校は何をしている?ウチの子どもはこんなに苦しんでいるのに」なります。

ここまできてから相談された同学年の教師や管理職は大変です。「不安」のうちに解消していき、安心感をもってもらう、このためにはやっぱり「チーム学校」です。薬のCMではないですが「早めの〇〇」。早めの対応、早めの相談。

ONE TEAMに学ぼう!

ラグビー日本代表は、国籍が違ったり、もともともっている文化が違ったりしても、ONE TEAMの精神をもって、一丸となって目的に進んでいきました。同じ勤務場所にいて、同じ職種にあって、同じように子どもたちが好きで同じように子どもたちの成長を願っているというベクトルは同じなのですから、ONE TEAMになれないはずはないのです。

笹原 信二(ささはら しんじ)

熊本市立龍田小学校 教諭
37年の教師人生を終えたが、もう少し学びたく再任用の道を選択。過去の経験を生かしつつ、新しいことにもチャレンジしていきたい。

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