2025.04.02
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学級経営講座~なぜ今「学級経営」を学ぶのか?(第1回)

年間を通して学級経営について体系的に紹介していきます。
今回がその第1弾です。

明石市立高丘西小学校 教諭 川上 健治

はじめに

今回から勝手に「学級経営講座」を連載していこうと思います。
というのも、大学養成課程を修了しても、また教師に採用されてからも「学級経営」という分野を詳しく体系的に学ぶことがありません。

しかし、高旗(2000)は、少子化によって家族や仲間集団の教育機能が低下してきたことを指摘した上で「学級経営という学校における集団指導は不易であり、今、従来以上に重視しなければならない」としています。
つまり、学級経営は大事ではあると理解されてはいるものの、学級経営を学ぶ機会がないというのが現状ではないでしょうか。これは現場にいればいるほど、実感する人が多いことだと思います。

経験と勘だけに頼らないために

そして、その結果、その人独自の「経験と勘」に頼った学級経営になってしまうことに繋がります。
もちろん、ベテランの先生の「経験と勘」が悪いということは微塵も思っていませんし、そこから学ぶべきことも多々あるのも重々承知しています。
しかし、その「経験と勘」はその先生「だからこそ」できることが多分に含まれていることも理解しておかなければなりません。

では、「結局どうすればいいのか」「自分も経験と勘が身につくまでひたすら実践を重ねるべきなのか」という問題に当たります。
そこで、本講座では、

①   経験と勘に頼らない、不易の学級経営の在り方
②   誰もが身につけておくべき学級経営「観」
③   ①②を土台にしながら学級経営を安定させていく技能側面

の3つに焦点を当てながら進めていきたいと思います。
どこまで続くか分かりませんし、不定期の更新になると思いますが、興味のある方(主に経験年数の浅い先生)は、読み続けていただけたらと思います。

余談

少し紙幅が余りましたので、「これだけはしてはいけない若手の先生の在り方」の一つを紹介しておきます。
新任の先生も是非参考にしてください。

キャラや価値観の違うことをしない

これは、自分がしんどくならないためにも必要なことです。
例えば、学生時代ほんわかして優しく包み込むような性格が後輩からも慕われていた先生が、現場に入り、「舐められたらだめ」「最初は厳しくしないといけない」等々、先輩教師から言われることがあると思います(今ではだいぶそのような偏った考えもなくなってきたような気もしますが)。
そして、そういう先輩の目を気にして、少しのことでも怒るように厳しく子どもたちに接していきます。時には、「対子ども」というより、「対周りの先生」のために、周りの先生に聞こえるように怒ってしまうことも出てきます。
もうこうなったらなんのための指導か分からなくなりますよね。

子どもも敏感なので、「自分たちのために本気で叱ってくれている」とは絶対思いません。
すると、どうなるか。もうお分かりかと思いますが、子どもたちはそっぽを向き、そして、キャラではない接し方をしている先生も、本来の自分とは掛け離れたことを無理にしているのでしんどくなってきます。
これでは、先生も子どももお互いにメリットなんてありません。

だからこそ、自分の軸をもち、強みを分析して客観的に自分はどういう人間なのかということを知っておくことが必要だと思います。
そして、それを絶対にぶれない自分の強みとして、4月を迎えてほしいと思います。

以上、余談でした。次回からは、「学級経営の在り方」や「学級経営『観』」などについて書いていこうと思います。

川上 健治(かわかみ けんじ)

明石市立高丘西小学校 教諭
クラスの全員が楽しく学び合い「分かる・できる」ことを目指して日々授業を考えています。また、様々な土台となる学級経営も大切にしています。

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