人間関係が大切 ~陰に陽に 及ばず乍ら助太刀を~(第1回)
教師になる人が年々減少しています。教師になったけれど、やめてしまうという人も。原因は様々あります。その一つにブラック化する学校という報道。マスコミでも、SNSでも「部活死ね」とか「うつ」と「もうやめたい」とか。。。そんな文字が躍ります。
教師になる夢をもった人が、その夢を断念する、とても残念なことです。まもなく教師生活を終える私には、どんなことができるのか、そんなことを考えて、今回の連載を始めたいと思います。
熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二
I will put the most efforts
私自身も、正規雇用時代、いろいろと経験をしてきました。そして、経験したこと、学ばせていただいたこと、それぞれの実践から学ぶことなどを共有したいと思って、セミナーや学習会を企画したり、参加したりしてきました。セミナーは学ぶことも多く、大変有意義です。
しかし、貴重な休みの日に、お金を出して来ていただく、というのも、今の学校の様子ではなかなか大変です。セミナーで学んだのはいいけれど、実際の現場では使えない、ということもあるでしょう。
「セミナーに行くことそのものが目的になってしまう」こともあります。そこで、自分が今考えているのは“I will put the most efforts.”「力が及ぶかどうかわかりませんが、精一杯努力します」という意味です。
私のような人間が「働き方改革は。。。」とか、「ブラックな学校は。。。」とか叫んでも大きな力にはならないです。小さな力でも、草の根のような活動でも、少しでも役立つことは何か?と考えて行動しようと思っています。この場もそうです。ここで「学校はもう辛い」とか叫ぶのは得策ではないです。ましてやSNSで「学校は辛い」とつぶやくのはもっとダメだと思っています。
人間関係が一番
うまく教師生活を進めている若い先生に話を聴くと、だいたい同じことを言ってくれます。「人間関係に恵まれています」と。若い先生が複式学級や学年単学級の学校に赴任するケースは少ないでしょう。学年複数の学級がある学校が最初という人が多いと思います。
初任研担当の先生、学年部の先生、管理職の先生、その他アドバイスしてくれる先生がまわりにいる、ということです。身近なところに「聴くことができる雰囲気」「相談に乗ってくれる先輩」がいるわけです。学校の実態や子どもの様子などを知っている方がそばにいれば、それは心強いです。
ただ、これって意外とむずかしいのです。自分で希望してその学校に行くわけではないですし、どんな先生がいるかもわかりません。また、どんなに素晴らしい人間性をもっている人でも相性が合うかどうかはわかりません。
でも、やっぱり言えることは「人間関係の大切さ」。これからの連載では私や私に近い年齢の先生方と一緒に、学校が若い先生に「先生ってやっぱりステキ」「教師になって良かった」と言ってもらえるように学生に「先生になろう」と意欲をもてるようになるために、というようなテーマで、書いていこうと思います。
よろしくお願いいたします。

笹原 信二(ささはら しんじ)
熊本市立龍田小学校 教諭
37年の教師人生を終えたが、もう少し学びたく再任用の道を選択。過去の経験を生かしつつ、新しいことにもチャレンジしていきたい。
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