2020.04.23
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

新型コロナウイルス感染症拡大の予防の中の学校で~ソーシャルディスタンスとヒューマンディスタンス(私の造語)~

新型感染症拡大の予防のため、今、人と人の間隔を3フィート(1.8〜2m)は取ろうという世界的な動きを「ソーシャルディスタンス」って言うらしい。
でも、人の気持ちと気持ちのつながりである「ヒューマンディスタンス」(私が勝手に言ってる)は、失わないように、むしろ物理的に距離を取らないといけない今だからこそ、工夫して近づけるようにしたいし、その必要があると思う。矢も盾もたまらず、久しぶりの投稿です。
私の考えるソーシャルディスタンスをとりつつ、ヒューマンディスタンスを近づける方法を提案します。

兵庫県公立小学校勤務 松井 恵子

学校が休校となっての新学年のスタート

勤務校は兵庫県。2020年の4月は、学校が休校となっての新学年のスタートでした。でも3月の休校と4月の休校は、訳がちがう。ソーシャルディスタンスを取ることは大事。ただ、不安なスタートだからこそ、ヒューマンディスタンスは近づけたい。

例えば、休校延長のお知らせをメールやホームページで届けることは可能です。でも、もし、メールやホームページのお知らせを確認していない保護者がいたら、学校と家庭のかけちがいからのスタートになってしまう。だから、電話連絡をとることを実施しました。ただし、休校連絡が周知されているかだけでなく、担任の声を届け、ただ「担任になりました、松井です。よろしくお願いします。またご心配やお気づきのことがあれば連絡をくださいね。みなさんくれぐれも健康に気をつけてくださいね」って、少し声を届けることで、つながりや安心が与えられると思うのです。それを先生方に提案し、各家庭に連絡を入れました。

来週は、各家庭に課題やお便りをポスティングします。1回目なので、お家の場所を確認する意味も込めて、家庭数ではなく、担任が回ることにしています。
今後の緊急対応も考えて、担任が、受け持ちの子どもの家の場所を確認することも含めて。

ヒューマンディスタンスを近づけるために

で、今は、教頭という立場なので、「私が担任ならどうするかなあ」と考える。
直接会うことはほぼない状況だから、ヒューマンディスタンスを近づけるためにどうするか。

①手書きのメッセージを入れる。

子どもへのメッセージを添える。「〇〇ちゃん、元気でいてね」って自分の似顔絵つけるなあ。
お誕生日が近い子にはお誕生日カードも入れたいな。
おうちの人に、「健康カードに鼻血がよく出るとありましたが、だいじょうぶですか?」とメッセージなど。

②学級通信は、わざと手書きのものにして。

お便りの数々が半端ない量です。だから、学級通信は手書きにして、「先生の日常」という4コマ漫画でもいれるかな。「みんなのチューリップが咲いているよ、チューリップに話しかける松井先生の図」とか。
学校の様子をお知らせしたり、ちょこっとプライベート……例えば、「給食がなくて、お昼のお弁当にあくせく」とか、ちょこっとプライベートをいれたりして。
もちろん、保護者の方には、「ご心配がございましたら、ご連絡ください」というメッセージは添えます。

子ども達の笑顔を心に描いて、日々、がんばりましょう

少しでも親子で明るい会話ができるように、話題となるようなことを考えます。
ソーシャルディスタンスは遠めに、でもヒューマンディスタンスは近づけたい。今こそ、意識的に、いつもは家庭訪問や参観日・懇談会でできていたことを、できる範囲で盛り込んでいきましょう。
大変な毎日だけど、子ども達の笑顔を心に描いて、日々、がんばりましょう。

松井 恵子(まつい けいこ)

兵庫県公立小学校勤務


兵庫県授業改善促進のためのDVD授業において算数科の授業を担当。平成27年度兵庫県優秀教職員表彰受賞。算数実践全国発表、視聴覚教材コンクール特選受賞等、情熱で実践を積み上げる、ママさん研究主任です。

同じテーマの執筆者
  • 松森 靖行

    大阪府公立小学校教諭

  • 鈴木 邦明

    帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師

  • 荒畑 美貴子

    特定非営利活動法人TISEC 理事

  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop