夏の水族館や動物園は楽しいのです ~夏休み前の指導のポイント~
まもなく夏休みがやってきます。子どもたちにとって、楽しみが多いことだと思います。一番の願いは健康で、安全に過ごしてもらい、始業式に全員揃って出席してくれることです。そのためには、夏休み前の事前指導が重要です。楽しい夏休みにするための1学期の終わり方、夏休みの指導の仕方のポイントについて、今回は書かせていただきます。
熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二
子どもの伸びと保護者への感謝を伝えよう
安全面の注意も具体的に
残念ながら、毎年、水の事故や交通事故によって、尊い生命が失われるニュースを見ます。とても心苦しいです。安全面の指導は、後からでは間に合いません。また、やり過ぎもありません。注意しすぎるくらいでいいと思います。「いかのおすし」のように、キャッチフレーズで、短い言葉で繰り返せるものがいいですね。また「車に気をつけましょう」のような抽象な言い方ではなく、具体的に指示しましょう。「運転手の人とアイコンタクトをとり、とまってくれることを確かめて渡りましょう」のように。
水族館や動物園は楽しいはずですが。。。
個人的に水族館は大好きで、旅行先でもよく行きます。動物園も同様に子どもにかえったようにワクワクします。水族館には、いろいろな魚類や甲殻類などがいます。これも個人的ですが「たい」が大好きです。
子どもたちの夏休み前の頭の中は「たい」でいっぱいです。「あれやりたい」「こうしたい」「もっとやってみたい」授業の導入と同じですね。「たい」がたくさん泳いでいます。ところが、夏休み前の事前指導と保護者の言葉かけによっては、「たい」の勢いがなくなります。「たい」がたくさん泳いでいたはずなのに、いつの間にか。。。
そこにいるのは。。。。「サイ」です。「サイ」がウロウロしているのです。
どんなサイがいるかというと。。。「やめなさい」「うるさい」etc.「たい」も残ってはいますが「やめたい」。
こうなる伏線は、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルでいえば、夏休み前の事前指導での、D(実行)の押しつけと、自己決定させていないことがあげられます。夏休み前の学級指導の際に「7時までには起きなさい」「毎日1時間は勉強しなさい」「お手伝いは毎日しなさい」「さい」が教師から一方的に与えられます。目的がはっきりしないのに、やることばかり押しつけられる訳です。
D(実行)ばかり与えられているので、やらされ感満載なのです。P(計画)をいっぱい考えさせるのです。「厚い本を5冊読みたい」「お風呂の掃除をしたい」「漢字は毎日1ページ練習したい」Pがたくさんあれば、Dは自然と増えるのです。自分で決定しない内容は、なかなか守ることもできません。C(評価)にもA(改善)にも、次のPにもつながらないのです。
オススメの宿題は
最後にちょっとオススメの宿題を。今からでは間に合わない、ということはありません。準備も必要ありません。「通知表を見せて、おうちの人が言った、最初の言葉を書いてきてね」これ意外とおもしろいですよ。
「がんばったね」「すごいじゃん」というほめ言葉もあれば、「なんかこら」「もっとがんばらんと」という反応、中には「ふーん」とか無反応だとか。。。保護者の子どもを見る様子がわかりますよ(家庭によって事情があるので、配慮されてください)。そして、2学期も同じ宿題を出すと、保護者の言葉かけがちょっと変わります。
ともかく「たい」がたくさん泳ぐ夏休みにしてあげたいものです。
笹原 信二(ささはら しんじ)
熊本市立龍田小学校 教諭
37年の教師人生を終えたが、もう少し学びたく再任用の道を選択。過去の経験を生かしつつ、新しいことにもチャレンジしていきたい。
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