2024.08.08
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算数教材開発「分数のかけ算・わり算(逆数)」(No.3)

算数のオリジナル教材を紹介いたします。ぜひ、ご活用いただければと思います。

単元:「分数のかけ算・わり算(逆数)」(6年生)

場面:単元内

難易度:★☆☆

東京都品川区立学校 平野 正隆

本単元について

ある数aに対して,1/aをaの逆数といい、ある数aとの積は1になります。
分数のかけ算を指導する際に、逆数について指導しておくことで、分数のわり算を分数のかけ算に統合することができます。
つまり、分数のかけ算を学習するなかで、しっかり習熟しておく必要がある内容です。

本教材の概要

児童は、b/aの逆数をa/bとするのは容易に理解できます。しかし、整数や小数にも逆数は存在し、その数を分数にしてから逆数を考えることにつまずく児童もいます。

本教材「逆数Card」は、5/2と0.4のように、画用紙に印刷されたカードにペア(逆数の関係)になる数がいくつか入っているものです。使い方によっては、ある程度、画用紙に厚みがないと、裏から透けて見えてしまうので、注意が必要です。

本教材の活用法

①逆数ペア探し

数字が見える面を全て上にして広げ、その中から逆数の関係にあるペアになるカードを見つけて集めていく活動です。

授業の初めは、個人で見つけていくのがいいでしょう。授業後半には2人1組や班になって、時間を計りながら、協力して探したり、勝負をしたりすることで、夢中になって活動に取り組むことができます。

②逆数カルタ

教師が、ある数を言い、その数の逆数を取るカルタ形式のゲームです。このゲームの難しいところは、教師が0.4と言ったとしても、0.4を取るのではなく5/2を取らなければならないところにあります。児童は反射的に、言われたカードを取ろうとしてしまうので、間違ってしまうことも多く、大変盛り上がります。この活動で注意が必要なのは、なるべく同じ習熟度の児童同士が戦えるように組み合わせを教師が配慮することです。あまりにも習熟度に差があると、片方が戦意を喪失してしまい、学習のねらいである逆数の理解(定着)を達成することができないからです。

③逆数神経衰弱

数字が見える面を全て下にして裏返した状態で広げ、神経衰弱方式で楽しむゲームです。このゲームの良いところは、逆数を落ち着いて考えられるところにあります。このゲームで注意が必要なのは、カードが透けて見えないようにするため、厚みのある画用紙に印刷しておくことです。

2人1組の対戦形式で楽しんでもいいですし、協力形式で交互に取っていき、すべて取るまでの時間を計るのもいいでしょう。習熟度に差があったとしても、「この逆数はなんだろう」のように相談しながら進めて良いルールにすることで、逆数の理解を促すことができます。

④逆数ババ抜き

4人1組程度のグループを作り、カードをシャッフルして配布します。トランプのババ抜き方式で順番に相手から1枚ずつカードを抜き取っていき、ペアができた時点で机にカードを捨てていくと言うゲームです。このゲームの良いところは、習熟の違うメンバーが対戦形式でやっていても、ペアになったカードを「これで良い」と確認しながら進められるところにあります。また、ペアかどうかを確認したカードがたとえ間違っていたとしても、再び自分の手札に戻すことで、ある程度のペナルティーを課すことができるため、自ら判断しようという、程良いプレッシャーも与えることができます。

このゲームで注意が必要なのは、先述した通り、裏が透けて見えないように厚みのある画用紙に印刷しておくことです。

まとめ

このように、本教材「逆数カード」は使い方の可能性が様々にあります。学習のねらいにあった、学級の実態に合わせた使い方をしていただければと思います。

遊びの中に学びがあり、学びの中に遊びがあるような教材開発を今後も進めていきたいと思っております。

本教材も、私の完全オリジナルですので、皆さまに広くご活用いただければと思っています。

平野 正隆(ひらの まさたか)

東京都品川区立学校


研究会での実践報告や校内での若手教員育成などの経験を通して、自分の経験や実践が広く皆様のお役に立てるのではないかと考えております。大人・子どもに関わらず、「明日から頑張れそうです」「明日が来るのが楽しみです」と言ってもらえるのが私の喜びです。

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