算数教材開発「場合を順序よく整理して」6年生(No.1)
算数のオリジナル教材を紹介いたします。ぜひ、ご活用いただければと思います。
単元:「場合の数」(6年生)
場面:単元末
難易度:★★☆
東京都品川区立学校 平野 正隆
1.本単元について
この単元で大切なのは、落ちや重なりがないように整理して場合の数を調べることです。
場合の数について、やみくもに調べるよりも、順序よく整理して調べたほうが分かりやすいことを、実感を伴いながら学ぶことが必要です。
2.本教材の概要
本教材は、学習のまとめとして単元末に活用できる問題です。
条件がない状態で、0〜3の数字を入れていくと64通りにもなります。
樹形図等を活用して列挙していくことで整理できるのですが、条件を満たしていないものを省略しながら考えていくことで、全てを列挙しなくても解答への道筋が見えてきます。
3.本教材の解法
各マスに0〜3が入る全ての場合を考えると64通りになりますが、まず「百の位は0ではない」ことから48通りにしぼられます。
また、3桁の整数は奇数なので、一の位は1か3しか入りません。これによって、24通りにまでしぼられます。
「3つの数字をたすと偶数」になることから、百の位に奇数の1や3が来た場合、十の位には偶数の0か2が入り、一の位には奇数の1か3が入ります。
このとき、十の位に奇数がくれば、「3つの数字をたすと偶数」を満たすために、おのずと一の位は偶数になり、「3桁の整数は奇数」という条件を満たさないからです。
しかし、これでは4つ目の「同じ数字が隣り合っている」という条件を満たす事ができません。つまり、百の位に1や3が入ることはないと分かります。
整理すると、ここまでで百の位に0や1や3が来ることはなく2であること、一の位は1か3であることが分かりました。
百の位が2ということは偶数、一の位が1か3ということは奇数なので、「3つの数字をたすと偶数」という条件を考えれば十の位は奇数でなければいけません。
つまり、十の位は1か3です。これで、「211」「213」「231」「233」の4通りにまで可能性がしぼられました。
「同じ数字を2回使っている。その数字は隣り合っている。」という条件を考えれば、「211」「233」のどちらかになります。
最後に、5つ目の条件「大きい方が答え」を参考にすると、233が答えになります。
4.実践
「場合の数」を学習した6年生2クラスと、まだ学習をしていない5年生2クラスに、この問題を10分間で解いてもらいました。クラスは習熟度別編成の少人数クラス(10人程度)です。どのクラスも算数を苦手としている子どもたちです。
学び合いが生まれるように、「最終的にクラスで1つの答えを導き出しましょう」と指示しました。
最初、子どもたちは、相談したり、自分で解いたりとさまざまでしたが、終盤に近づくにつれて自分が考えた説を互いに力説し始めます。
「僕は332だと思う。だって…」
「でも、それだと1つ目の条件を満たしてないよ」
「私は323って出たよ」
「それは4つ目の条件を満たしてないから違うね」
そういった話し合いを続けながら解答を導いていきました。
結果は、6年生は2クラスとも正解、5年生は1クラスだけが正解しました。解決の方法を見てみると、6年生は整理しながら推理しているのに対し、5年生は条件と照らし合わせてはいたものの、やみくもに考えている様子が見られました。これが1年間の算数力の差なのだと実感しました。そのことを5年生の子どもたちに伝えると、6年生に向けて算数の学習を頑張ろうと決意していました。
5.まとめ
本実践のような条件が様々に提示されているような問題は、どこまで頭の中で整理して、どこから樹形図等を書くかがポイントになると感じました。
樹形図等を活用して列挙していくことで整理できる便利さと、全て書いてから条件を満たしていないものを消す作業の不便さ、人に伝えるための図の必要性などを天秤にかけながら解答を進めていく必要があります。
本教材は私のオリジナルですが、皆さまに広くご活用いただければと思っています。
平野 正隆(ひらの まさたか)
東京都品川区立学校
研究会での実践報告や校内での若手教員育成などの経験を通して、自分の経験や実践が広く皆様のお役に立てるのではないかと考えております。大人・子どもに関わらず、「明日から頑張れそうです」「明日が来るのが楽しみです」と言ってもらえるのが私の喜びです。
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