2022.03.28
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目からウロコの「ICT×仕掛ける」学級づくり~あなたの学級のゴールは?~(9)

GIGAスクール最前線を一年間駆け抜けてきた子どもたち。
そこで起こったトラブルや失敗と向き合う毎日、そしてほんのちょっとだけ実を結んだ記録をこれまでお伝えしてきました。
ICTを活用して主体的に学んできた」子どもたちが、枠をいつの間にか飛び出し、「毎日の生活や授業を主体的に築き上げようとする」子たちに変わっていました。
今回の機会をくださった皆様、読者の皆様、そして子どもたちに感謝です。ありがとうございました!

東京都東大和市立第八小学校 宮澤 大陸

1.クラスは船

「ありがとう」が次の航海への切符 子どもたちと旅した時間が宝物。

一年間の最初の日と、最後の日。
私は必ず、黒板に大きな船を描きます。学級を『船』と考えているからです。
そして、担任する子どもたちは、「○年○組号」という同じ船に乗って共に冒険をする乗組員。
航海士や医者、コックなど、様々な役割の人がいて初めて航海ができるように、子どもたちも同じで一人ひとりに役割があり、他の人にはないよさがあります。
そんな子どもたちが力を合わせて帆を張り、時にやってくる嵐などを乗り越えながら、成長という進路をたどって、冒険をすすめるのです。
今年度の子どもたちとの航海も、そろそろ大団円を迎えようとしています。

2.ICTを活用する子どもたちの姿~子供先生~

子どもが先生だから手もよく挙がる

GIGAスクール一年目として、今年度の子どもたちは全力疾走してきました。本連載では、ICT活用の理論ではなく「まずやってみる」「失敗を実践する」を合言葉に、授業内外での子どもの具体的な姿にフォーカスしてお伝えしてきたつもりです。

最後にご紹介するのは、【ICTを活用し、すべて子どもが授業する】という取り組みです。
実は、ここ何ヶ月か、コロナ禍の事情により(家族が陽性や体調不良なら自分も出勤できないなど)、本校では教員の手が明らかに足りない状態が続いています。
基本対面のため、担任の先生がお休みになっても子どもたちは登校してくるのですが、居る教員の数が少ないため代わりの先生が見つからないのです(皆さんの学校でも同じような困難を抱えているのではないでしょうか)。
「一人の先生が2クラスを行ったり来たりする」
そんな状態が続きました。もちろん授業になるわけがありません。

そこである日、意を決してクラスの子たちに聞いてみました。
「ごめん、今日はここのページを一緒に学習しようと思ってたんだけど、他のクラスにも行かなければならないんだ。誰か代わりに進めてもらえるかな」
すると、次々に手が挙がります。
そして、司会グループができ、板書役が勝手に決まりました。
「先生、今日の学習のめあてと、大切にする見方を教えてください」
「世界の国調べは、何時間で完成させる予定ですか?」
「体育の振り返りの後に、ルールをみんなで話し合って変えたいんですけど、時間ください」
あれよあれよという間に、教科ごとの『子供先生』グループが作られ、休み時間や自宅で、ICT(ロイロノートの共有ノートや、Microsoft teams)を活用した子どもたち同士の打合せが始まり、授業計画やワークシート作りが進みます。
そして、ICTを使って立てた授業案をもとに、なんと子どもたちが授業をし始めたのです―。
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とにかく衝撃でした。
予想の2回りは上を行く子どもたちの力に、ただ驚くばかり。
信頼して任せれば、主体的に学び、学び合う・・・子どもって本当にすごいですね。

(※実は、この『子供先生』の取り組みは10年ほど前に考えてしばしば取り組んでいたのですが、一人1台端末の環境が整った今年、ひときわ輝きを増してきたように感じています。掲載の都合で詳述はできませんが、もしどこかでまた機会を頂けるのであれば魅力をお伝えできたら幸いです)

3.一年間の学級のゴール

そんな素晴らしい子どもたちとも、残念ながらお別れです。
皆さんがこの記事をご覧になる頃には、卒業式が終わり、担任する6年生の子たちも無事小学校を巣立っていることでしょう。
先生方は、一年間の最後に、どんなクラスや子どもたちになっていてほしいですか?
思い描くゴールはそれぞれ違うと思いますが、私は、「子どもたちの姿」でゴールを語りたい(捉えてほしい)といつも思っています(これは授業でも同じです)。
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ところで、本校の卒業式では、門出の言葉(=児童の呼び掛け)の中で「クラスの良いところ」を学級ごとに言う場面があります。そこで先日、「クラスの良いところ」で何を言うかを、子どもたちに決めてもらいました。
話し合った翌日、子供たちから笑顔で出されたのは
「互いのよさを認め合い 一人ひとりが大事な役割をもち 毎日を楽しむクラス」
という言葉でした。
どうやら、今年の学級のゴールはここに着地したようです。
最幸」を目指して、一年間駆け抜けてきた「最高」な子どもたちを誇りに思います。

半年間ご覧いただきありがとうございました。
読者の皆様に感謝申し上げます。

宮澤 大陸(みやざわ たいりく)

東京都東大和市立第八小学校
島や国立の小学校を経験し,今は地元でICTを活用した教育と「失敗」を実践中。わくわくを仕掛け、子供たちと作り上げる学級づくりをお伝えします。
オープンチャット「目からウロコのひらめき2分テスト」もスタートしました

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