2021.11.09
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目からウロコの「ICT×仕掛ける」学級づくり~テレビをジャックする~(2)

GIGAスクール最前線で起こったトラブルや失敗と向き合う毎日、そしてほんのちょっとだけ実を結んだ記録をお伝えします。今回のテーマは「テレビをジャックする」 ICTは,みんなが幸せになるための文房具!

東京都東大和市立第八小学校 宮澤 大陸

1.テレビをジャックする子ども

係の子にジャックされたテレビ画面

「先生、テレビを貸してください」

給食の準備も終わり「いただきます」が近付くと、毎日決まってそう言いに来る子たちがいます。クイズ係(クラスではプロジェクトと呼んでいます)の子どもたちです。

私の返事も待たずに、授業で使用した後も接続し続けていた教師用パソコンからケーブルが抜かれます。そして、係の子がテレビに自分の端末を接続します。
画面には、今日のクイズがぱっと映し出されました。

「いただきます」
黙食。一言も話さずに給食を食べる子どもたちは、たまに顔を上げ、テレビに映ったクイズを考えながら食べているようです。
給食の時間のテレビは子どもたち専用。
私のクラスの日常風景です。

2.置かれた場所で咲きなさい

児童A「今日の給食、揚げパンなの!?生きててよかった!」
児童B「うげ、これまずくない?(小声)」
先生「まずい、じゃなくてスペシャルな味だね、と言って味わって食べなさい」

これまでの給食の時間は、友達同士の楽しい語らいのひとときでした。先生がみんなの輪(話)の中に入っていける大切な時間でもありました。
ところが、コロナ禍の中でマスクを全員が取る必要がある給食の時間は「一切の私語厳禁」が当たり前となり、もう1年半が過ぎていきました。
誰のせいでもないのですが、どことなく寂しい気持ちを私はずっと抱えていたのです。
そんな私の心を和らげてくれたのが、クイズ係の子どもたちの発想でした。
パソコンにインストールされているプレゼンソフト(Microsoft PowerPoint)を使ってなぞなぞやクイズを作り、給食時に(日替わりで)映し出す。話ができないけれど、その時間を有効に使って「考えることを楽しむ」ことができる。
「話してはいけないなら、その中で楽しめる何かを考えて実行しよう」という子どもの工夫に感動しました。

「置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです。咲けない時は、根を下へ下へと降ろしましょう」
(渡辺和子著『置かれた場所で咲きなさい』より)

ICTを使って幸せな空間作りをしようと根を張っていく子どもたちを見て、大切なことを学ばせてもらった気がしました。

3.子どもが主人公の時間に

Google earthで見た大仙古墳

ところで、授業でも「テレビや黒板をジャック」する子どもが出てきたら、面白いと思いませんか。
例えば、歴史の授業の最初に、ある子が皆の前に出て来て言います。
「昨日、授業で大仙古墳(仁徳天皇陵)について習ったから、家に帰ってGoogle Earthで様子を調べてみました。そうしたら、大仙古墳の周りに小さな古墳がいくつもあったんです。(テレビにパソコンを接続してクラスの皆に見せながら)見て下さい。僕は理由がよく分からなかったのですが、皆さんはどうしてだと思いますか」
さあ、子ども主体の授業のスタートです。
私のクラスでは、毎回こういうことが起こるわけではありませんが、ICTを使って自主的に調べ学習を行い学びを深める姿は昨年よりも確実に増えたと感じています。

※Google earthは、社会科などの授業で活用することで子どもの興味関心や疑問を引き出せる優秀なWEB地球儀システムです。

4.ICT活用は授業外こそ命

クイズ係の子たちに教えてもらった、発信することや楽しむことを実践したくて、私も後日子どもたちや先生方と「発信し合い、考えることを楽しむ空間」を始めてみました(どなたでも無料で参加できます)。
まだまだ試行錯誤しながらの毎日ですが、楽しいです。

※オープンチャット「目からウロコのひらめき2分テスト

今回紹介した活動のように、ICT活用については「授業外」にどれだけ子どもたちが使うか(使っているか)が大きなポイントだと私は考えています。
特に学級活動や休み時間、家庭での時間です。失敗を恐れずにとにかく使ってみた中で見えてきたものが多くあります。
次回は、授業外での活用事例についてお伝えします。

宮澤 大陸(みやざわ たいりく)

東京都東大和市立第八小学校
島や国立の小学校を経験し,今は地元でICTを活用した教育と「失敗」を実践中。わくわくを仕掛け、子供たちと作り上げる学級づくりをお伝えします。
オープンチャット「目からウロコのひらめき2分テスト」もスタートしました

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