2022.03.08
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目からウロコの「ICT×仕掛ける」学級づくり~夢みる小学校から考えたこと~(8)

GIGAスクール最前線で起こったトラブルや失敗と向き合う毎日、そしてほんのちょっとだけ実を結んだ記録をお伝えしています。
今回のテーマは「子どもへの信頼と主体性」です。
ICTはみんなが幸せになるための文房具!

東京都東大和市立第八小学校 宮澤 大陸

1.夢みる小学校から考えたこと

夢みる小学校」を鑑賞してきました。
教育界を中心に話題沸騰中の映画です。これからの教育について、一つの理想的な形を映しています。
スクリーンの中の子どもたちは、一人ひとり認められた居場所の中で、どの子も生き生きとした姿を見せてくれています。

コロナ禍の現状や、ICTを取り入れた学びについてはほぼ触れられていませんが、教育委員会や学校という組織から降ってくる多くの「決まりや制限」の中で日々もがいている子どもたちや我々教員にとって、
「(公立も私立も関係なく)色々な形があっていいんだ」
「何のために教師になったんだっけ」
と自分自身に問い直すきっかけをもらいました。

2.決めないことを決める

ところで、「決まりや制限」は子どもにどんな力を育むのでしょうか。

映画の中では、世田谷区立桜ヶ丘中学校の取り組みについて紹介されています。
この学校は「校則がない学校」として全国的に有名になった公立の中学校です。

「生徒にとって居心地のよい場所にしたい」
西郷孝彦(元)校長先生のそんな思いから環境作りが始まり、校則を一つずつ(生徒主体で)減らしていったそうです。
まさに、「決めないことを決めていった」のです。


服装や髪型などのきまりは一切無くなり、残ったのは

・礼儀を大切にする
・出会いを大切にする
・自分を大切にする
の3つの約束だけだと校長先生は仰っています。

桜ヶ丘中は、生徒たちが生き生きと自分を出せる空間になり、友達と繋がれる「居場所」へと変わりました。

振り返ってみると、自分が通っていた高校にも校則がほとんどありませんでした。
制服はあったけれど私服でもよかったし、好きな学校の制服を着ている女子もいました。
ちょうど政治に関心をもつ年頃だったので、友達と「戦争論」(小林よしのり/幻冬舎)について語り合ってたら、担任の先生が通りかかって、授業で丸一時間、戦争をテーマに討論の場を作ってくれました。
そうやって、主体的に動いたり学んだりしようとする子どもの姿を認めてくれたり、後押ししてくれたりする環境って、素敵ですよね。

「決めないことで、主体性が生まれる」
この考え方の根っこにあるのは、「子どもたちを信頼する」ことだと私は思っています。

3.むやみに制限しないことはICTでも同じ

パソコン使用のシンプルな約束

さて、視点をICTへと移してみましょう。
1人1台端末の使用に際して、皆さんの学校では、どんな「きまりや制限」を設けていますか。
実は私の勤務校では、1人1台端末を整備した今年、ICTに関する決まりを決めませんでした。
たった一つ、「学習のために使う」という約束だけ決めました。(図は、子どもたちから出た約束を追加したもの→来年度掲示予定)

自由に使ってよいので、まず「こんな使い方をしてみたよ」と、授業内外を問わず効果的な活用アイデアが次々と職員でシェアされていきました。(プラットフォームのMicrosoft teams内に、職員専用チャンネルを作って、動画や画像で投稿し合っています)

そして、細かなきまりを決めなかったことで、逆に子どもたちから
「夜遅くまで使うのはよくない。時間を決めたい」
「休み時間にまで、ずっとパソコンに向かっている子がいる。なんとかしたい」
などの意見が出るようになりました。

ちなみに私のクラスでは(6年生ということもあり)、「自分たちの学校や下級生のためにSNSルールを提案したい」という流れになったので、総合的な学習の時間に単元を組んで学習を行いました。下級生のためのはじめの一歩になったらいいなと思っています。

子どもたちを信頼して、まずやってみる
結果論と言われるかもしれませんが、このようなスタンスで年間を通じてICT推進を学校全体で続けた結果、この分野では名の通った講師の先生をして「全国トップレベル」と言わしめるほど、全校児童のICT活用が進んだのです。

子どもの未来を信頼しよう

「自治体レベルで閲覧制限がかけられて、YouTubeが見られない」
このような話をよく耳にします。
しかし、制限している側の大人はSNSやYouTubeを活用して毎日情報を仕入れています。
分からないやもっと学びたいことがあれば、YouTube動画を視聴しますよね。
自分のお子さんだって、SNSを通じて誰かと繋がっているし、これから繋がっていくのです。

禁止や制限ばかりの中で、これからの子どもたちのリアルな学びや情報活用能力を育てるよほどの自信があるのでしょうか。

もっと子どもたちを信頼してみませんか?
トラブルも含めて一緒に楽しみ、共によりよい未来を築いていきませんか?

宮澤 大陸(みやざわ たいりく)

東京都東大和市立第八小学校
島や国立の小学校を経験し,今は地元でICTを活用した教育と「失敗」を実践中。わくわくを仕掛け、子供たちと作り上げる学級づくりをお伝えします。
オープンチャット「目からウロコのひらめき2分テスト」もスタートしました

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