2021.11.29
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目からウロコの「ICT×仕掛ける」学級づくり~係活動(授業外)での活用~(3)

「授業外のICT活用で子どもの発想と主体性は加速する」

GIGAスクール最前線で起こったトラブルや失敗と向き合う毎日、そしてほんのちょっとだけ実を結んだ記録をお伝えしています。

今回のテーマは「係活動(授業外)での活用」です。

ICTはみんなが幸せになるための文房具!

東京都東大和市立第八小学校 宮澤 大陸

1.We are All Born Creative!

空の段ボールも子どもにとっては大事な遊び道具

1歳の娘を風呂に入れるために急いで帰宅したある日のこと。

「ただいま。えっ!?」

玄関を開けてびっくり。なんと娘が,私が放っておいた通信販売の空の段ボールの中にスッポリ入っているではありませんか。

娘はまだ喋ることができません。ですから真相は分かりませんが,状況から察するに,段ボールを風呂に見立て,私を待っている間に風呂に入る練習をしていたのではないかと(または待ちくたびれて先に入ろうと考えたのかもしれません)。
その光景を見たとき,正直帰宅が遅れて申し訳ない思いよりも,「子どもって,なんて素晴らしい発想をするのだろう」と感動してしまいました(笑)。

無理して豪華な物や便利な機能を与えなくても,今そこにある物を工夫して使って楽しむことができる。
間もなく捨てられるであろう段ボールですら,自分の目的に生かし,生活がより良くなっていく(少し大げさな表現ですが)。
年齢に関係ない子どもの「工夫」や「発想力」に心底驚かされました。

では,これをICTに置き換えてみたらどうでしょうか。

2.授業外ICT活用で子どもの発想と主体性は加速する

アンケート機能(Microsoft Forms)で係活動が主体的に

私のクラスでは週に一度,レクリエーション係の子どもたちが決めたクラス遊びをみんなで楽しんでいます。
左上がコロナ前で,左下が現在の様子です。
2枚を比べてもあまり大きな違いは伝わってきませんよね。
ところが,これらのクラス遊びが行われるまでには実は両者で大きな違いがあるのです。

種明かしをすると,コロナ前は「紙ベースでアンケート」を行っていましたが,今は「オンラインでアンケート」を取って毎週遊びを決めています。

一人一台PCが配付される前は,係の子たちは「次に遊びたい内容」のアンケート用紙を手書きで作って私に提出していました。私はその用紙をクラスの人数分コピーし,係に渡す。そして,係の子からクラス全員にアンケート用紙が行き渡り,どこかで時間を取ってアンケートに答えてもらう。さらに,係の子たちがみんなの分を回収して一生懸命集計し,やっと次の遊びの内容が決定する……。
ざっと書き出しただけでも,面倒な手順だらけですね。
でも,「子ども主体の」係活動を実現するために,このような経験をお持ちの先生方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

では今はどうかと言いますと,はっきり言って私は何も手伝っていません。
クラスの子たちは,自分たちでアンケート機能を活用し,クラス遊びを毎週決めたり,図書係による好きな本ランキングを作ったり,お楽しみ会でやりたい内容を調査したりしています。
授業外でのICT活用が子どものアイデアを加速させ,さらなる主体的な係活動へとレベルアップしていったのです。

3.係活動での「ICT×仕掛け」

今回の係活動のレベルアップの裏には,実はこの連載のタイトルでもある「ICT×仕掛け」を用意していました。

まず,1学期に「みんなが毎日どのくらい元気な挨拶ができているか知りたいから,このアンケートに答えてみてください。先生はパソコンが苦手だけど,Formsというのを使って作ってみたよ」と伝え,アンケート機能を使う経験を予めさせておきます(これが仕掛け)。

何日かたつと,数人の子どもが言いに来ます。
「先生,この前やったPCのアンケートの作り方を教えてください。僕たちも係や委員会で使いたいんですけどいいですか」
(仕掛けに乗ってこないことがあってもそれはそれで良い,というゆるいスタンスで)

そこで,待ってましたとばかりにその発想を大いに褒め,本校のプラットフォーム(クラスで共有できる空間)である「Microsoft teams」の中にアンケートコーナー(チャネルと呼ばれている)を設置します。
ここが自分たちでアンケートをやり取りできるアイデアの実践基地となります。
あとは情報漏えいなどに気を払いつつ肯定的なコメントで応援する,というわけです。

授業外であっても安易に「先生が教えない」こと,子どもが考え行動できる空間を制限せずファシリテートしていくことが,子どもの主体性に繋がるのではないでしょうか。

4.ザリガニが釣れたって面白い

「魚を与えるのではなく,釣り方を教えよ」

これは教育の世界でよく用いられる言葉です。
釣り竿を作ったり使ったりしている姿を見せる必要はありますが,私は,困ってもいないのに魚の釣り方をていねいに教える必要はないと考えています(発達段階にもよると思いますが)。

どの子も「他者から学ぶ(=真似ぶ)力」を十分にもっています。だから大丈夫。
大好きな子どもたちを信じ見守っていれば,子どもは勝手に色々な魚を釣ってきます。
空の段ボールを工夫して使っていた1歳の娘のように。
どんな魚を釣ったか聞いて,喜びを共有できるのが楽しみなのです。
たまにはザリガニが釣れたって,面白いじゃありませんか。

宮澤 大陸(みやざわ たいりく)

東京都東大和市立第八小学校
島や国立の小学校を経験し,今は地元でICTを活用した教育と「失敗」を実践中。わくわくを仕掛け、子供たちと作り上げる学級づくりをお伝えします。
オープンチャット「目からウロコのひらめき2分テスト」もスタートしました

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