2018.09.27
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コンセプトはわかりやすく、楽しく ~1ランク昇格!学級通信~(第1回)

今回も連載を続けさせていただきます。よろしくお願いいたします。
私は「プレバト」が大好きで、よく見ています。
俳句や生花、盛り付けなど、芸能人の才能に驚くとともに、
先生が的確に添削や指導されると、見違えるほど作品がよくなることに素晴らしさを感じます。
「1ランク昇格」出演者はガッツポーズ。視聴者も自然に笑いがでます。

学級通信は発行度数や内容は違えども、全担任が出しておられるでしょう。
私の書いたことで見違えるほどよくなる、とは思えませんが、
少しでもよい学級通信になればと思い、今回の連載をスタートいたします。
「1ランク昇格」のお助けになればと思います。

熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二

読み手の立場に立って

「お便りにあれだけ書いてあるのに。」教師側の思いです。
「こんなにプリントばかりでは、忙しくて読めない。」保護者の思いです。
例えば、幼稚園(保育園)、小学校、中学校に在籍するお子様をおもちの保護者は
年度初めや週末には、それぞれから出されたものすごい量のプリントに「こんなに読めない。」となってしまいがちです。
ここで「読む価値なし。」と判断されてしまうと、大切なプリントにも目を通していただけなくなります。

職員室でも、毎日のように文書やチラシが机に乗っていたり、回覧されていたりしますね。
私はすべてのものを、一字一字読む時間はありません。
従って、価値観をもって、これは重要、有意義、必要、とまずは線引きをします。
「これはスルー」と思ったら、すぐに隣の先生にまわします。

「不安は不満になり、やがて怒りにかわる」対人関係の鉄則です。
「この先生は何かいているかわからないな。」(不安)
「学校で何をしているのだろう?隣の先生はよく通信を出しているのに。」(不満)
「あの先生には何を言っても通じない。」(怒り)
これは、そっくりそのまま教師側にもあてはまります。
教師側は知ってもらわないと困ることをかいているわけですので、
これでは良好な信頼関係を築けるわけがありません。
まずは「読み手の立場に立って」自分の書いた通信が伝わるかどうかを見直してみましょう。

業務連絡は必ず見てもらえる工夫を

修学旅行説明会のお知らせ

修学旅行説明会についてのお知らせを掲載した学級通信

授業参観や懇談会の日時等の案内
学習に必要な携行品、生活指導で共通理解したいこと、
これらはスルーしてほしくない内容です。
全部は見なくても「ここだけは」見てほしいです。
所謂「業務連絡(事務連絡)」です。
業務連絡なので、正確に伝えることが第一です。
その上で「ここだけは」と思うところは
〇見出しで見せる      〇レイアウトで見せる
〇書体を変えて際立たせる  〇囲んでわかりやすくする
などして、読み手にインパクトをあたえるようにしたいものです。
(写真例は、私の学級通信より)
最近では「業務連絡」レベルが「会話」となっている親子関係も多いことでしょう。
まだ、そのレベルでも交流があるのならいいか、と思うべきなのでしょうね。

教師が楽しく感じないものは

学級通信第80号

学級通信「むらさき」第80号

学生時代、フォークソング研究会に所属していました。
「ギターは演奏する人の気持ちをあらわしている。
悲しいときには悲しく、楽しいときには楽しく響く。」
先輩からの言葉です。まさしくその通りだと思います。

学校からの電話。まずいいことではないな、と保護者は感じます。
そのうちに電話に出られなくなってしまいます。
関係性が築けません。
通信も同様で「忘れ物が多い」「私語が多い」「もっと関わって」
こんなことばかりでは読みたくなくなります。

まず作り手の教師が「楽しい」と思う内容にしたいものです。
写真の学級通信「むらさき」第80号は、
私も子どもたちと一緒にクイズを楽しみながら作成しました。
また、部活動の応援にも行きました。
それこそ、私が一番楽しみながら作りました。
楽しむと時間を忘れます。
今日の子どもたちの交流を振り返ることもできます。
教師の楽しさは、子どもにも保護者にも伝わるものです。
「この前の学級通信の話題、おもしろかったですよ。」
授業参観や懇談会だけでなく、部活動やお迎えに来られた保護者からも声をかけていただけます。
写真に載せることは個人情報の問題や、肖像権の問題をクリアさせることが必要です。
また、同じ子どもばかりに偏らないような配慮も必要です。
しかし、写真の効果は絶大です。
子どもの笑顔は、みんなを元気にすることができるのです。
そのために、教師が一番先に楽しみましょう!!





笹原 信二(ささはら しんじ)

熊本市立龍田小学校 教諭
37年の教師人生を終えたが、もう少し学びたく再任用の道を選択。過去の経験を生かしつつ、新しいことにもチャレンジしていきたい。

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